Infrastructure as a Service (IaaS) とは何ですか?
Infrastructure as a Service (IaaS) は、コンピューティング、ストレージ、ネットワークリソースなどの IT インフラストラクチャを従量制料金でインターネット経由で提供するビジネスモデルです。IaaS を使用して、アプリケーションと IT システムの実行に必要なリソースをリクエストし、設定できます。アプリケーションのデプロイ、保守、およびサポートはお客様の責任であり、IaaS プロバイダーは物理インフラストラクチャの保守に責任を負っています。Infrastructure as a Service (IaaS) は、費用対効果の高い方法で、IT リソースに対する柔軟性とコントロールを提供します。
業界では従来、Infrastructure as a Service、Platform as a Service、Software as a Service などの用語を使用してクラウドサービスをグループ化してきましたが、AWS では、さまざまなサービスタイプにわたるお客様のニーズに合ったソリューションに焦点を当てています。このページでは、IaaS、PaaS、SaaS の従来のサービスグループを使用して、どのセットがニーズに適しているか、またどのデプロイ戦略が最適かを判断するのに役立ちます。
Infrastructure as a Service (IaaS) が重要なのはなぜですか?
IaaS を使用すると、IT に関する支出を削減しながらコンピューティング性能をスケールできます。従来、企業は、オンプレミスのデータセンターで独自のコンピューティングデバイスを購入して維持していました。しかし、大量のワークロードを処理する機会がわずかであるため、これに対する先行投資が大きすぎるといったことが多くありました。例えば、ある e コマース企業のアプリケーショントラフィックは、ホリデーシーズン中に 3 倍に増えます。このトラフィックを処理するには追加のサーバーマシンを購入する必要がありますが、その年の他の期間はアイドル状態のままとなります。
この課題を克服するために、IaaS ベンダーは、大量のハードウェアデバイスを備えた極めて安全なデータセンターを維持しています。このクラウドコンピューティングインフラストラクチャには、従量制料金でアクセスできます。実質的に無制限のリソースに柔軟かつ安全にアクセスできるため、ビジネス、法令、コンプライアンスの要件をすべて満たすことができます。
Infrastructure as a Service (IaaS) にはどのようなメリットがありますか?
IaaS モデルは現代の企業に次のようなメリットをもたらします。
スピード
数分で必要な数のリソースをプロビジョニングしてテストし、新しいアイデアを市場に投入するまでの時間を大幅に短縮できます。他社が IT インフラストラクチャとコンピューティングリソースを完全に管理するため、コアビジネス活動に注力できます。
パフォーマンス
地理的に分散したデータセンターを使用して、物理的に顧客に近い場所でアプリケーションをスケールアップできます。サーバーの容量と地理的な範囲に制限がある場合、これを自ら実現することは不可能な場合があります。IaaS ソリューションは、コンピューティングパフォーマンスの向上とネットワークレイテンシーの低減の両方に使用できるより多くのオプションを提供します。
信頼性
IaaS ベンダーは、代替仮想マシンを迅速かつ想定どおりに作動できる、信頼性の高い環境を提供します。
バックアップとリカバリ
IaaS ベンダーは、バックアップとディザスタリカバリのために、無制限のインフラストラクチャへのアクセスを提供します。例えば、アプリケーションを複数のサーバーに複製して、一台に障害が発生しても別のサーバーが引き継ぐようにすることができます。同様に、データバックアップを自動的かつ頻繁に同期して、冗長性とビジネス継続性を実現できます
競争力のある料金
コンピューティング、ストレージ、ネットワーキングは用途に合わせて使用でき、他のほとんどのサービスに役立ちます。 お客様は、実際に使用したリソースに対してのみ料金を支払います。これにより、クラウドサービスを小規模事業者にとって手頃な料金にすることで、より効率的な IT リソース管理を奨励し、イノベーションを促進します。
Infrastructure as a Service (IaaS) にはどのようなユースケースがありますか?
インフラストラクチャを使用して運用効率を改善し、インフラストラクチャの管理よりもソリューションの提供を優先できます。IaaS ベンダーは、高性能フルマネージドインフラストラクチャでカスタマーエクスペリエンスの改善をサポートできます。以下のユースケースの例をいくつか見てみましょう。
高性能コンピューティング
大量のデータを分析したり、物理や化学の方程式を解いたりするなどの複雑な問題には、高度な計算能力が必要です。独自のリソースを実行する代わりに、IaaS インフラストラクチャでこれらの問題を解決する方が効率的で費用対効果が高くなります。
ウェブサイトホスティング
組織は、安全かつスケーラブルで、コンテンツ配信のニーズに合わせて完全にカスタマイズ可能な高性能のウェブアプリケーションをホストするために、インフラストラクチャを利用します。例えば、ウェブホスティングは、単純な情報サイトから複雑なデータ配信システムまで、さまざまなウェブサイトを構築するために使用できます。
ビッグデータ分析
企業は、ビジネスインテリジェンスと実用的なインサイトを引き出すためにデータを分析します。クラウドインフラストラクチャには、大量のデータを統合的に保存するデータウェアハウステクノロジーが含まれます。IaaS ベンダーは、データをより効率的に管理するために使用できるサービスを提供することにより、ビッグデータ分析をサポートします。
アプリケーション開発
クラウドインフラストラクチャを使用して、個別のテスト環境と開発環境を迅速にセットアップできます。新しいアイデアを単独で実験およびテストしたり、チーム全体で共通の開発環境を作成したりできます。
Infrastructure as a Service (IaaS) はどのように機能しますか?
IaaS は仮想化の原則に基づいて機能します。IaaS ベンダーでは、必要なインフラストラクチャのタイプと設定を選択できます。その後、システムは、基盤となるインフラストラクチャのデジタルバージョンを自動的に作成します。これらの仮想コンピューティングリソースは、物理リソースの動作を模倣します。お客様とお客様のアプリケーションにとって、すべてが物理デバイスで機能するのと同じように機能します。
また、IaaS ベンダーは、インフラストラクチャ管理をサポートする追加サービスも提供します。例えば、これらのサービスを使用して次のタスクを実行できます。
- システムログを表示し、パフォーマンスをモニタリングする
- すべてのインフラストラクチャに一貫したセキュリティ対策を実装する
- バックアップやロードバランシングなど、一般的なインフラストラクチャタスクを自動化するポリシーを設定する
Infrastructure as a Service (IaaS) リソースのタイプにはどのようなものがありますか?
インフラストラクチャサービスは、大きく分けて次の 3 つのカテゴリに分類できます。
コンピューティング
クラウドコンピューティングリソースには、コンピュータがあらゆるタスクを実行するために必要な中央処理装置 (CPU)、Graphical Processing Unit (GPU)、および内部メモリ (RAM) が含まれます。ユーザーは、仮想マシンまたはクラウドインスタンスの形式でコンピューティングリソースをリクエストします。その後、クラウドサービスによって必要なキャパシティがプロビジョニングされ、この仮想環境で計画したタスクを実行できます。
ストレージ
IaaS ベンダーは、次の 3 種類のデータストレージリソースを提供します。
- ブロックストレージは、SSD やハードドライブなどのブロックにデータを保存します。
- ファイルストレージは、NAS などにデータをファイルとして保存します。
- オブジェクトストレージは、オブジェクト指向プログラミングのオブジェクトと類似するオブジェクトとしてデータを保存します。
ネットワーク
IaaS インフラストラクチャには、ルーター、スイッチ、ロードバランサーなどのネットワークリソースも含まれます。IaaS モデルは、これらのアプライアンスのネットワーク機能をソフトウェアで仮想化することで機能します。
IaaS モデルでは、セキュリティとコンプライアンスの責任はどのように共有されますか?
IaaS プロバイダーは、クラウドアプリケーション向けに提供するインフラストラクチャを保護する全責任を負っています。次のようなあらゆるレベルでセキュリティを管理します。
- セキュリティカメラ、警備員、監視などの手段を使用した、データセンターの構内の物理的なセキュリティ。
- プロバイダーのインフラストラクチャのアクセス制限と定期的なメンテナンスを通じたインフラストラクチャのセキュリティ。
- 極めて厳格な制御、暗号化、およびすべてのコンプライアンス要件を満たすための第三者監査によるデータセキュリティ。
Infrastructure as a Service (IaaS) は他の従来のクラウドサービスモデルと比較してどのように優れていますか?
次の 3 つの主要なクラウドサービスモデルがあります。
- Infrastructure as a Service (IaaS)
- Platform as a Service (PaaS)
- SaaS（Software as a Service）
Platform as a Service
Platform as a Service (PaaS) は、アプリケーションの開発と保守に使用できるハードウェアとソフトウェアのインフラストラクチャを提供します。PaaS ベンダーは、自社のデータセンターでハードウェアとソフトウェア開発ツールをホストしています。オンプレミスのインフラストラクチャと比較して、PaaS を使用することで、アプリケーションをより迅速に、かつ、より低コストで、構築、テスト、実行、およびスケールできます。
Integrated Platform as a Service (iPaaS) の詳細はこちら
Software as a Service
Software as a Service (SaaS) は、インターネットを介してソフトウェアアプリケーション全体を提供します。これを使用して、さまざまなタスクを実行できます。PaaS ベンダーは、ハードウェア、ソフトウェアツール、およびアプリケーション自体をデータセンターでホストします
Software as a Service (SaaS) の詳細はこちら
IaaS とPaaS とSaaS
PaaS や SaaS と比較して、IaaS では、クラウドリソースの設定をより完全に制御できます。IaaS と比較して、PaaS と SaaS はより多くのインフラストラクチャ機能を仮想化し、管理するコンポーネントが少なくて済みます。
次の表について考えます。独自の IT インフラストラクチャを管理する場合は、表に記載されているすべての項目に投資して維持する必要があります。一方、特定のクラウドコンピューティングサービスに切り替えると、次のように機能します。
- Y セルは、お客様が管理するものを示します
- C セルは、クラウドサービスプロバイダーが管理するものを示します
| IT を所有 |
IaaS |
PaaS |
SaaS |
|
| アプリケーション |
Y |
Y |
Y |
Y |
| データ |
Y |
Y |
Y |
C |
| ランタイムまたはアプリケーションを実行するソフトウェア |
Y |
Y |
C |
C |
| アプリケーションをモニタリングするミドルウェアまたはソフトウェア |
Y |
Y |
C |
C |
| アプリケーションが実行されるオペレーティングシステム |
Y |
C |
C |
C |
| 仮想化テクノロジー |
Y |
C |
C |
C |
| サーバーマシン |
Y |
C |
C |
C |
| ストレージデバイス |
Y |
C |
C |
C |
| ネットワークアプライアンス |
Y |
C |
C |
C |
クラウドサービスモデルの実践
例えば、組織で E メールアプリケーションを実装するとします。独自のインフラストラクチャを管理する場合、次を実行する必要があります。
- 物理サーバーを購入します。
- 必要なソフトウェアとオペレーティングシステムをすべてインストールします
- E メールアプリケーションのコードを記述し、サーバーにインストールします
- ハードウェアとソフトウェアの両方を継続的に維持します
一方、次のオプションから選択できます。
IaaS アプローチ
IaaS アプローチでは、オペレーティングシステムがプリインストールされた仮想クラウドサーバーを利用し、アプリケーションコードと関連ソフトウェアを仮想マシンにインストールします。
PaaS アプローチ
PaaS アプローチでは、インフラストラクチャのプロビジョニングや管理を行わずにアプリケーションコードを実行し、そのアプリケーションコードを .zip ファイルとして作成してアップロードします。
SaaS アプローチ
SaaS でアプローチでは、安全で完全に管理されたビジネスメールとカレンダーサービスを利用します。独自のアプリケーションコードを記述する必要はなく、クラウドサーバーやクラウドストレージインフラストラクチャのプロビジョニングについて心配する必要もありません。
選択方法
IaaS、PaaS、SaaS のうち、いずれのサービスを選択するかは、アプリケーションの要件によって異なります。ある選択肢が必ずしも他の選択肢よりも優れているとは限りません。これは、アプリケーションを実行する理由、パフォーマンスと設定の要件、およびユーザーが誰で、どこに所在しているかによって異なります。
Infrastructure as a Service (IaaS) 実装するにはどうすればよいですか?
IaaS を実装するには、適切な IaaS ベンダーを選択し、提供されるサービスを使用するようにチームメンバーをトレーニングします。IaaS の実装を成功させるには、次のステップに従います。
要件を特定する
開始したいユースケースについて、会社の基盤となるインフラストラクチャ要件を理解することが重要です。例えば、ウェブアプリケーションホスティングには、ビッグデータ分析とは異なるサーバーおよびネットワークリソースの要件があります。
チームメンバーを選任する
組織がデジタルトランスフォーメーションに慣れていない場合は、今後の変化をリードする小規模なコアチームから始めることをお勧めします。チームは小規模な問題を解決し、その結果について話し合い、クラウドコンピューティングについての認識を高め、熱意を生み出すことができます。
IaaS ベンダーを選任する
ベンダーが異なれば、機能のレベルも異なります。後で問題が発生しないように、デューデリジェンスを実施します。変化し続ける要件であっても簡単に管理できるように、幅広いサービスを提供する定評のある IaaS ベンダーと提携するのが常にベストプラクティスです。
新しいインフラストラクチャに移行する
移行は段階的なプロセスであり、中断を避けるための計画が必要です。また、一部のアプリケーション、または同じアプリケーションのコンポーネントをオンプレミスのインフラストラクチャで実行し、他のコンポーネントを IaaS ベンダーのインフラストラクチャで実行するハイブリッドクラウドを選択することもできます。
インフラストラクチャのニーズを満たすのに AWS を選ぶ理由は何ですか?
AWS は一連の IaaS サービスを提供していませんが、世界で最も包括的で、幅広く採用されているクラウドです。世界中のデータセンターから 200 を超えるフル機能のサービスを提供しています。急成長しているスタートアップ、大手企業、主要な政府機関など、何百万ものお客様が AWS を使用してコストを削減し、俊敏性を高め、イノベーションを加速させています。より速く、より簡単に、より高い費用対効果で既存のアプリケーションをクラウドに移行し、想像できるものはほぼすべて構築することが可能です。例えば、次のサービスを利用できます。
- Amazon EC2 は、最も幅広く深いコンピューティングプラットフォームを提供し、プロセッサ、ストレージ、ネットワーキング、オペレーティングシステム、購入モデルを選択できます。
- Amazon S3 は、業界をリードするオブジェクトストレージサービスを提供しており、クラウドネイティブアプリケーション、データ分析、モバイルアプリなど、事実上あらゆるユースケースのために任意の量のデータを格納および保護できます。
- Amazon VPC は、論理的に分離された、完全にカスタマイズ可能な仮想ネットワークを提供します。これは、AWS リソースを定義および起動し、接続を保護および監視するために使用できます。
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