SHOPLINE が AWS でサーバーレスを利用して時間と新規顧客を獲得

2021 年

SHOPLINE は、AWS 上にプラットフォームを構築することで、コンテナなどの最新テクノロジーを採用し、コストを最小限に抑えながらビジネスとインフラストラクチャを迅速にスケールしています。SHOPLINE は、香港を拠点とするオムニチャネルスマートコマースプラットフォームで、世界中の顧客のビジネスのオンライン化をサポートしています。同社は、サーバーレスコンピューティングエンジンとして AWS Lambda を、Kubernetes アプリケーションを実行するために Amazon EKS を、そして DDoS 攻撃からの保護のために AWS Shield Advanced を使用しています。

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AWS のマネージドサービスを利用することで、コスト、労働力、セキュリティについて頭を悩ませたり、新しいテクノロジーに関する知識を常に身につけたりすることなく、フルスピードで業務を推進できます”

Ronald Li 氏
SHOPLINE、Engineering Director

250,000 の販売者がオンラインで販売できるようにする

実店舗を持たない小規模な企業は、e コマースサイトを開設することで売上を伸ばし、新しい市場の顧客にリーチできる可能性があります。ただし、成功するサイトを構築して維持することは、「言うは易く行うは難し」です。世界の 平均購入者コンバージョン率はわずか 3% であるため、顧客を引きつけて維持できる、安全性と可用性の高い e コマースサイトを開発することが重要です。
 
SHOPLINE は、販売者がどこにいても成功できるようにすることをミッションとする、グローバルなスマートコマースイネーブラーです。2013 年の設立以来、香港を拠点とするこのスタートアップは、東南アジアと米国の 250,000 を超える販売者 (2021 年までのデータ) がオンラインストアを開設して 5 億 2,000 万を超えるお客様にサービスを提供するのをサポートしてきました。2019 年、SHOPLINE は販売時点情報管理 (POS) システムを買収し、Offline-to-Online (O2O) ビジネス戦略をサポートするとともに、物理的な拠点を持つ企業ビジネスまで顧客ベースを拡大するため、戦略に変更を加えました。

ベストプラクティスに従ってフルスピードで業務を推進する

SHOPLINE は、さまざまな理由を考慮してクラウドプロバイダーを選択した結果、Amazon Web Services (AWS) でプラットフォームを立ち上げました。「AWS のマネージドサービスを利用することで、コスト、労働力、セキュリティについて頭を悩ませたり、新しいテクノロジーに関する知識を常に身につけたりすることなく、フルスピードで業務を推進できます」と SHOPLINE のエンジニアリングディレクターである Ronald Li 氏は述べています。「AWS チームに相談して技術サポートを受けることができるほか、他の企業のユースケースを共有してもらうことで、新しいテクノロジーを実装する際のよくある落とし穴を回避することができます」
 
SHOPLINE は、顧客の e コマースサイトのバックエンドおよびフロントエンドのプライマリ検索エンジンとして Amazon Elasticsearch Service を利用しています。特にさまざまな国からの訪問者をサポートするウェブサイトで、検索に対する応答時間を高速化するために、 Amazon ElastiCache を利用しています。また、 Amazon CloudFront を安全なコンテンツ配信ネットワークとして利用することは、国境を越えて低レイテンシーを実現するための鍵となります。さらに、SHOPLINE は、 AWS Shield Advanced を活用して、分散型サービス拒否 (DDoS) の試みなどの高度なサイバー攻撃を検出および緩和しています。

サーバーレスインフラストラクチャでイノベーションを加速する

SHOPLINE プラットフォームは AWS クラウドでの従来のインフラストラクチャからスタートし、エンジニアが仮想サーバーを介して手動でデプロイしていました。その後、このプラットフォームは、継続的インテグレーション/継続的デプロイ (CICD) パイプラインを備えた、完全に自動化された DevOps オペレーションへと成長を遂げました。「当社が AWS を利用し続ける理由の 1 つとして、既存の AWS 環境に統合される新しいサービスが継続的に展開されていることが挙げられます」と Ronald 氏は述べています。「新サービスのリリースに合わせて、当社は技術ワークショップを頻繁に開催して知識をアップデートしています。これにより、イノベーションを推進し続けることができます」
 
そのようなワークショップの 1 つで、SHOPLINE のエンジニアは、サーバーレステクノロジーとコンテナのメリットに気づいたのです。同社は現在、 AWS Lambda を利用して、 Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) 上でコンテナ化されたアプリケーションを自動スケーリングしています。AWS Lambda は、許可とアクセスコントロールの自動化においても重要な役割を果たしています。これにより、SHOPLINE の DevOps エンジニアは自らの時間の 80~90% を開発に費やすことができます。
 
Ronald 氏は、AWS クラウド上にそのようなツールやマネージドサービスがなければ、エンジニアは自らの時間の 50% をインフラストラクチャ管理と管理タスクに費やさなければならず、開発に費やす時間が大幅に減少していたであろうと推測しています。さらに、チームが手がける DevOps ツールを使用して独自の本番グレードの Kubernetes クラスターの構築を試みていたとしたら、最初のクラスターを起動するまでに 1 か月かかっていたでしょう。AWS と Amazon EKS のマネージドサービスとしてのサポートを利用することで、デプロイはわずか 15 分で完了できます。

差別化につながる開発作業に注力する

SHOPLINE は立ち上げ以来、特に 2019 年に POS システムを買収してから 2 年間で急速な成長を遂げました。この期間中、同社がサポートする販売者の数は 2 倍超に増加しました。成功したスタートアップの多くがそうであるように、同社の事業拡大のペースは採用のペースを上回っていました。
 
エンジニアが退屈なメンテナンスや承認プロセスではなく創造的な開発作業に注力できるようにすることで、SHOPLINE は熟練したチームメンバーを維持し、採用することができました。同社は経験豊富な IT チームを擁しており、予算と時間の制約を踏まえ、 AWS インフラストラクチャイベント管理 (IEM) を活用して、大規模なショッピングイベントに向けたスケーリングと IT インフラストラクチャの微調整をサポートしています。

コンテナを活用して低コストで迅速なスケーリングを実現する

スケーラビリティは、SHOPLINE のプラットフォームと顧客に対する価値提案の重要な部分です。コンテナと Kubernetes オーケストレーションを実装すると、ブラックフライデーなどの主要な販売イベント中や期間限定のセールスプロモーション中に、迅速なスケーリングが可能になります。このようなセール中、顧客が大幅な割引を受けられるのは短期間なため、e コマースのトラフィックが最大 3 倍に急増することがよくあります。
 
Ronald 氏によると、従来の仮想サーバーではピークをサポートするためのスケーリングには 3~4 分かかる場合がありますが、コンテナ化されたデプロイでは 20 秒もかかりません。例えば、2020 年にパンデミックの第一波が襲来したとき、SHOPLINE はコンテナ化されたアーキテクチャを使用して販売者のトラフィック量の 50% の増加に対応し、ほぼリアルタイムでスケールアップしました。スケールするのにかかる時間をさらに短縮するために、同社は最近、コンテナ用のサーバーレスコンピューティングエンジンとして Amazon Fargate を導入しました。「Amazon Fargate を利用することで、システムのスケーリング管理にかかる時間と労力が大幅に削減され、機能開発により多くの労働力を割り当てることができるようになると確信しています」と Ronald 氏は述べています。
 
さらに、サーバーレスコンテナのデプロイによる自動スケーリングは、SHOPLINE とその顧客両方の運用においてコスト効率を高めます。また、このデプロイ方法により、大規模なショッピングイベント中であっても、全体の稼働率が 99.9% という可用性の高いウェブサイトを実現できます。

DevOps の次のフェーズとしての機械学習

POS の買収後、SHOPLINE は新たな国への拡大を継続し、大企業に働きかける予定です。また、DevOps の取り組みの次の段階として機械学習 (ML) を導入し、販売者が大規模な販売イベントをより適切に計画できるようにサポートしたいと考えています。ML モデルは、販売開始前にサイトトラフィックを予測し、e コマースサイトのインフラストラクチャを自動スケーリングするために使用します。これにより、異常なウェブサイトトラフィックから生じるリスクを回避できます。
 
SHOPLINE は、AWS を利用することで、信頼性の高い e コマースプラットフォームを世界中の顧客に提供できることを確信しています。「AWS ソリューションは、基本的な Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスから Amazon EKS や Amazon Elasticsearch Service などのマネージドサービスに至るまで、すぐに利用することができます。これらのソリューションは、自社で何かを構築するよりもはるかに安定しており、コスト効率が高いのです」と Ronald 氏は結論づけています。
 
詳細については、 thinkwithwp.com/ecommerce-applications をご覧ください。

SHOPLINE について

SHOPLINE はアジアを代表するスマートコマースプラットフォームで、8 か所にオフィスを構え、250,000 を超える販売者 (2021 年までのデータ) がオンラインストアを開設するのをサポートしてきました。SHOPLINE は、あらゆる規模のブランドがオムニチャネルを活用して、国内および国際的な成長を達成できるようサポートします。

AWS の利点

  • 高度なサイバー攻撃の検出と緩和をサポート
  • 3~4 分ではなく 20 秒未満でスケール
  • 世界各地で 99.9% の可用性を確保
  • アクセス許可や退屈なメンテナンスタスクを自動化
  • コンテナテクノロジーを 1 か月ではなく 15 分で実装
  • 新しいサービスの範囲を拡大することで頻繁なイノベーションを促進

使用されている AWS のサービス

AWS Lambda

AWS Lambda はサーバーレスコンピューティングサービスで、サーバーのプロビジョニングや管理、ワークロード対応のクラスタースケーリングロジックの作成、イベント統合の維持、ランタイムの管理を行わずにコードを実行できます。Lambda を利用すれば、実質どのようなタイプのアプリケーションやバックエンドサービスでも管理を必要とせずに実行できます。

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Amazon Elastic Kubernetes Service

Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) では、AWS クラウドまたはオンプレミスで Kubernetes アプリケーションを開始、実行、スケールする柔軟性が得られます。Amazon EKS は、高可用性で安全なクラスターを提供し、パッチ適用、ノードプロビジョニング、更新などの主要なタスクを自動化する際に役立ちます。

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Amazon Fargate

AWS Fargate は、Amazon Elastic Container Service (ECS) と Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS) の両方で動作する、コンテナ向けのサーバーレスコンピューティングエンジンです。Fargate を使用することで、アプリケーションの構築に集中しやすくなります。

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Amazon Elasticsearch Service

Amazon Elasticsearch Service は、Elasticsearch をコスト効率性に優れた方法で大規模にデプロイ、セキュア化、および実行することを容易にするフルマネージドサービスです。使い慣れたツールを使用して、必要な規模でアプリケーションを構築、監視、およびトラブルシューティングできます。

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