導入事例 / ソフトウェア&インターネット

2022
マネーフォワード

マネーフォワードはAWSトレーニングを 通して延べ200名を超えるアプリエンジニアを中心に クラウドスキルの向上を実現

マネーフォワードはAWSトレーニングを
通して延べ200名を超えるアプリエンジニアを中心に
クラウドスキルの向上を実現

AWSトレーニングを通じて社員のスキルアップを図ることで、金融サービスを提供するマネーフォワードはサービスのリリーススピードを向上させ、顧客に提供するプロダクトやサービスの拡大にもつながりました。

ボトルネックの排除

全社共通のインフラ基盤における

30分から10分に短縮

プロダクトの平均デプロイ時間

3倍に加速

インフラの変更量

開発チームの自信へ

積極的にAWSサービスを利活用してもらうことができた

Overview

様々な金融系サービスを提供する日本企業のマネーフォワードは、事業拡大を加速するためにアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の利用を開始した際、企業成長に繋げるためには、インフラ基盤を改善するだけでは不十分であるとすぐに気づきました。会社として社員を育成し、AWSの専門知識がわかるエンジニアを増やすことも重要でした。そこでマネーフォワードは、社員がクラウドを最大限に活用するためにAWSトレーニングを採用し延べ200名近いエンジニアのスキルアップに成功しました。トレーニングを通してエンジニアのAWSに関する知識と自信を強化することができ、マネーフォワードは自社サービスの開発スピードとプロダクトリリースの頻度を大幅に上げることができました。

マネーフォワード

概要 | 事業成長を促進するためにボトルネックを打開

東京を拠点に2012年に創立したマネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに、法人、個人、金融機関に対してFintech×SaaS領域で多様な事業を展開しています。法人に対しては『マネーフォワード クラウド』をはじめとする、経理財務・人事労務・法務といったバックオフィス業務の効率化サービスなどを20万以上の課金事業者に対して提供しています。個人に対しては『マネーフォワード ME』をはじめとする、個人のお金の悩みを解決するための資産管理サービスなどを1280万人以上のユーザーに提供しています。CEOの辻氏は、「しかし、私たちはまだまだ多く、そして大きな価値をユーザーへ届けたいと考えています。まだビジョンの1%しか実現できておりません。」と言います。

当初インフラ基盤については、全社共通のインフラチームが全てのプロダクトのインフラ部分の構築運用をオンプレミス環境で担当していました。自社サービスの成長や新規サービスの拡大に伴い、ユーザニーズにより迅速に応える必要性が高まってきました。そこで、インフラをより堅牢でスケーラブルにするために、2013年より部分的にAWSの利用を開始し、2017年には新規サービスをAWS上で構築するようになり、2020年にはオンプレミス環境で動いていた既存プロダクトである『マネーフォワード クラウド給与』2021年には「マネーフォワード ME」もAWS環境に移行し、現在では1280万人以上に利用されるサービスもAWS環境で動かすことを実現しています。

しかし、マネーフォワードがAWSを積極的に利用し急成長する中で、課題も見えてきました。それは事業拡大を受け、全社共通のインフラチームに負荷が集中してしまったのです。このままでは事業成長を進める上で、インフラチームが足枷になる恐れがありました。そのため、アプリケーション開発チーム側で自律的にインフラを構築、運用しサービスの提供を行える様にする事で、サービス改善のスピードを上げる構想を作りました。目指したのは、サービスチームが自分たちでインフラを管理できるようにすること=組織と事業がスケールするような形です。マネーフォワードでこの文化を根付かせるためには、当時社内のエンジニアのAWSやKubernetesに関する知識レベルはまちまちだったため、AWSに関する基礎知識を一気に底上げする必要がありました。

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これまでもAWSのスキルや知識を持ったエンジニアはいたのですが、体系的に他のエンジニアに広く教えることには取り組めていませんでした。なので今回のトレーニングが広くAWSに関心を持つためのきっかけ作りになりました。

小笠原 純也
ホームカンパニー カンパニーCTO

ソリューション | アプリケーションチームの自律性を高める

インフラチームの負荷を分散させ、会社の成長を促すためにマネーフォワードは、AWSに一番理解のあるAWS Training & Certificationチームと協力し、AWSサービスのトレーニングを用意しました。研修の目的は、クラウドでKubernetesアプリケーションを実行およびスケーリングするマネージド型コンテナサービスAmazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)を筆頭に様々なAWSサービスを使いこなせるエンジニアの数を増やすことです。会社として、一連のトレーニングは事業だけでなく社員の将来性への投資とも捉えていました。「経験が何より人を育てると信じています。私たちは成長につながる経験をエンジニアにしてもらいたいと思いました。」とサービス基盤本部 本部長の鈴木氏は言います。

マネーフォワードは社内のエンジニア間でAWSに対する知識レベルが様々なため、トレーニングは初級と中級の2つのコースを用意しました。初級はAWSにあまり触れたことのないエンジニア向けに Architecting on AWS コースを受講してもらいました。この基礎研修のおかげでAWSを利活用することへのハードルを下げるとともに、インフラの基礎的な知識を身につける事もできました。中級はマネーフォワードのAWS+EKSで作られた社内プラットフォームの利用を促進するためにコンテナ管理およびAmazon EKSを使ったKubernetesの運用などの実践的な知識が得られるRunning Containers on Amazon EKS を受講して頂きました。このコースは社内プラットフォームで利用されているツールの知識も身につけられるよう、AWS側とコースのカスタマイズも行い、より実践的なトレーニングになるように工夫もしています。

AWSトレーニングへの関心はトレーニング企画側の予想を上回りました。直接AWSに関係のない業務をするエンジニアでも仕事をする中で様々なことを経験したいと思っている意欲的な若手が多くいる事に気づかされました。結果として2020年11月から2022年4月までの間、260人ものエンジニアたちがAWSトレーニングを受講し、開催後のサーベイにおいても4.9/5.0と内容も非常に好評でした。「これまでもAWSのスキルや知識を持ったエンジニアはいたのですが、体系的に他のエンジニアに広く教えることには取り組めていませんでした。なので今回のトレーニングが広くAWSに関心を持つためのきっかけ作りになりました。そしてトレーニングによって、AWSや社内プラットフォームを利用する際の共通言語が得られたのも大きい効果だと考えています。」とホームカンパニー カンパニーCTOの小笠原氏は言います。

導入効果 | チームの構造を最適化することで、会社の文化および利益も向上

AWSトレーニングにより社内でのAWS利活用が促進され、従来よりも新規サービスやマイクロサービスのリリーススピードが上がりました。また、インフラエンジニアに頼らずとも、アプリケーションを開発するチーム側がシステム設定を行なえるようになりました。「従来のオンプレ環境かつ、インフラエンジニアしかAWSを触ることができることができないという状況であれば、今のマネーフォワードの成長は鈍化していたかもしれません。」とホームカンパニー カンパニーCTOの小笠原氏は言います。「でも今は、社内プラットフォームにおいても、各アプリケーションチームが自ら利用および運用できる割合が増え、各種サービスのリリーススピードと生産性が上がっていると実感します」

AWSトレーニングを経てエンジニアたちが自信をつけたことで、会社の運営面でも既にいい効果が見られています。今までは利用するミドルウェアの追加や、メディアへの露出時のキャパシティプランニング及びスケールアップやスケールアウトなども全てインフラチームへの依頼が必要でしたが、今では事業部で完結するようになってきています。それにより、サービスのリリースを加速させ、より多くのサービスを顧客に提供することができるようになりました。実際にSREだけではなく、トレーニングに参加したバックエンドエンジニアがAWSマネージドなミドルウェアを追加し、利用し始めています。以前はデプロイに30分かかっていた開発者が、今は同じ作業を10分で片付けられます。またインフラの変更量が3倍に加速しました。

将来を見据えてグローバル化を目指すマネーフォワードは、新しく取り入れたDevOps文化をさらに最適化していきたいと考えています。アプリケーションを開発するチームは今後も運用にも関わり、ソフトウェアエンジニアは今よりさらにAWSインフラを活用していきます。また、SRE組織の強化にも取り組んでいく予定です。より多くのエンジニアがAWSを活用し、より早くかつ安定してサービスをリリースし続けることができるようにするのは極めて重要だと考えています。

会社が将来目指すゴールを達成するためには、意欲があり、優秀で、訓練された社員が鍵になることをマネーフォワードはわかっています。AWSの積極的な利用およびAWSトレーニングの採用の結果、会社として顧客へのサービス向上が図れただけでなく、社内カルチャーの向上にもつながりました。サービス基盤本部 本部長の鈴木氏が言うように、「新規採用にあたり我々のメッセージは、マネーフォワードで働けばエンジニア、また一社員として成長ができるということです」

マネーフォワードについて

2012年に設立され、東京に拠点を置くマネーフォワードは、個人及び小規模から中規模の組織向けに財務・資産状況の視覚化および改善を支援するツールを提供するFintech企業です。多岐にわたる個人向け資産管理アプリやSaaSソリューションなどを顧客に提供しています。

ご利用中の主なサービス

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AWS のエキスパートから学び、スキルと知識を向上させます。AWS クラウドをキャリアに活用してください。

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