お客様事例/教育機関

2023 年

北海学園大学、入試情報サイトのインフラに AWS を採用。魅力的なコンテンツを支える安定した基盤として、ブランディング向上に貢献

約 2.3 倍

1 年で増加したアクティブユーザー数

サーバーレス環境による安定運用

ユーザー認証によるセキュリティ強化

概要

札幌市を本拠地とする北海学園大学。入学志望者向けのオープンキャンパスや進学相談に取り組む入試部入試課では、コロナ禍の行動制限下でも多くの受験生に大学の魅力を伝えるための Web サイト『hgu_ROOMS』を立ち上げました。リソースの制限や時間的な制約をクリアするため、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用。サーバーレス設計で迅速に構築したサイトで多彩なコンテンツを公開し、多くのアクセスを集めています。

課題 | コロナ禍での情報発信に向け、受験生向け広報サイトを立ち上げ

北海道内の私立大学で最も歴史が古く、最も多い学生数を誇る北海学園大学。約 8,000 人の学生の 9 割を北海道出身者が占め、卒業後は道内の企業や自治体で活躍する人材を多く輩出する一方、グローバルに活躍する人材の育成も見据えており、「Catch The World, Catch The Future(世界をつかめ、未来をつかめ)」というモットーを掲げています。

2020 年春に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した頃、同学の入試部入試課は、4 月中旬から始まる新年度の広報活動の準備中でした。

「コロナ禍以前の広報業務は、入学志願者を招き入れるオープンキャンパスなど、ほとんどが対面式のイベントでした。しかし緊急事態宣言が発令されて以降、対面式のイベントはほぼできなくなったため、受験生向けの入試情報サイトを急いで作らなければならないと考えました」と語るのは、入試部入試課 主任の松田郷平氏です。

北海学園大学では毎年 6 月からオープンキャンパスを開催していたことから、入試情報サイトの開設時期を 6 月に設定し、急いで学内外の調整を進めました。キャンパスに来られない受験生に大学の雰囲気を知ってもらうため、テキストよりも動画中心、またオンラインの特性を活かして、見る人が学内を歩いているような主観性を重視した「未来のキャンパス」をコンセプトに掲げました。

業務で Web 制作をすることが初めてだったという松田氏は、IT 分野のアドバイザーとして工学部 生命工学科 准教授の長谷川大氏に協力を仰ぎました。入試情報サイトを設置する環境には長谷川氏の提案により、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が選定されました。「オンプレミス環境という選択肢もありましたが、当初は一時的な対応と考えていたこと、6 月の開設という要件に加え、オンライン講義の配信が急増して学内の IT リソースが逼迫しつつあったこと、さらに厳しいパフォーマンス要件がなければ初期費用や運用コストの面からもクラウド環境がいいと判断しました。AWS を選んだのは、私自身が講義でも取り上げることがあり、基本的な知識があったためです」(長谷川氏)

構築にあたっては、サーバーの不具合やアクセス急増などによるサイトのダウンを避けるため、Amazon CloudFront と Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)によるサーバーレス構成が採用されました。

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『hgu_ROOMS』を開設した 2020 年のアクティブユーザーは約 6 万人でしたが、翌年には前年比で 2.3 倍の 約 14 万人に増えています。今までキャンパスに来られなかった生徒さんたちともつながることができました”

松田 郷平 氏
学校法人北海学園 北海学園大学 入試部入試課 主任

ソリューション | 短期間で高品質なサイトを公開し、セキュリティも強化

入試部入試課は 2020 年 3 月の企画開始から急ピッチで入試情報サイト『hgu_ROOMS』の開発を進め、6 月にプレ公開、8 月に本番公開を迎えました。

『hgu_ROOMS』のコンテンツ管理システム(CMS)は Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)上に設置し、基本的な情報更新は学内のスタッフが行っています。運用を続ける中で、学内だけでなく、自宅や外出先などのリモート環境からも CMS にアクセスする必要が生じてきました。しかし、学外からのアクセスにはセキュリティ強化が必須となります。また、2020 年の 12 月頃には Amazon EC2 のディスク容量が制限を超え、コンテンツの更新ができなくなるという状況にも直面しました。

そこで松田氏は、セキュリティ強化や安定運用に対応するため長谷川氏と相談し、2021 年 1 月から AWS のパートナーとして、クラウドを基点としたさまざまな IT 課題を解決するサービスを提供している株式会社スカイアーチネットワークスに運用を依頼しました。「Web の知識がまったくないところからスタートした私たち入試課スタッフにも、スカイアーチネットワークスは初級レベルから丁寧に教えてくださったので、とても安心感がありました」(松田氏)また、スカイアーチネットワークスの提案により、CMS へのアクセスのセキュリティを強化するユーザー認証システムとして Amazon Cognito を採用。入試情報サイト全体のインフラも、安定かつ効率的な運用を支援する AWS Well-Architected フレームワークに則った構成に見直し、利用していないリソースを削除するなど、全体の環境を整備しました。「サイトの方向転換があったときに柔軟に対応できるのも、クラウドの優れた点です」(長谷川氏)

導入効果 | オープンキャンパス参加者が増加し、サイトの閲覧者数も倍以上に成長

北海学園大学ではクラウドを採用したことで、オンプレミス環境にはつきもののサーバーの調達や保守運用に多くの時間や労力をかけることなく、その分コンテンツ制作に注力できています。『hgu_ROOMS』の環境はサーバーレス環境のため障害などで閲覧不可になったことは 1 度もなく、またコンテンツを拡充する CMS もクラウド化したことでセキュリティを気にする必要もありません。長谷川氏は「オンプレミス環境であれば致命的だったトラブルにも遭遇しましたが、本番環境をサーバーレス化していたおかげで訪問者にしっかりと情報を届けられました」と語ります。クラウド化のメリットは、やるべきことに集中できる環境を短期に実現、長期に継続できることにあります。

こうして『hgu_ROOMS』は、コロナ禍の逆境にあってもデジタルネイティブ世代の高校生を引きつけ、新しいデジタル体験を提供。スピーディにコンテンツを充実させていったこともあり、開設初年(2020 年)のアクティブユーザーは約 6 万人でしたが、翌年には倍以上の約 14 万人に増えています。そしてコロナ前、2019 年のオープンキャンパス参加者は、1 回あたり約 1,500 人だったのに対し、Web 版のオープンキャンパスは約 2,500 人が視聴しました。松田氏は、「今までキャンパスに来られなかった生徒さんたちともつながることができました」と評価しています。

さらに、従来の大学情報サイトにはなかったコンテンツのクオリティが評価され、『hgu_ROOMS』は第 61 回全北海道広告協会賞 インタラクティブ部門の優秀賞を受賞。「他の情報に埋もれることのない、印象に残るサイトにできました」と松田氏は語ります。コロナ禍の初期段階に開設された同サイトは、他の学校関係者からも注目されました。「多くの大学が、広報面で同じ壁にぶつかっている時期でしたから、『よくあんなに短期間でクオリティの高いサイトを作れましたね』と多くの方から驚きの声をいただきました」(松田氏)

当初は一時的な活用と考えて構築された『hgu_ROOMS』は現在、受験生や保護者への情報提供、北海学園大学のブランディングを支えるサイトへと成長し、コロナ後もオンサイトとオンラインのハイブリッドな広報活動に欠かせないものとなっています。松田氏は今後の展望について次のように語ります。「本学の入試も Web 出願となり、合否発表も Web 公開するなど、Web の活用は全国の大学のトレンドとなっています。『hgu_ROOMS』の閲覧者もますます増えているため、今後も面白いコンテンツを安定して届けていきたいと思います」

カスタマープロフィール: 学校法人 北海学園 北海学園大学

学校法人 北海学園は、1885 年に設立された北海英語学校を祖とする。総合大学である北海学園大学は「開拓者精神」(Pioneer Spirit)を建学の精神とし、経済学、経営学、法学、人文学、工学の 5 学部・ 12 学科でおよそ 8,000 人が学んでいる。北海道における最初の私立大学として、2022 年までに 92,000 人以上が卒業、北海道内をはじめとして、行政や企業を担う人材を輩出している。

学校法人 北海学園 北海学園大学
松田 郷平 氏

松田 郷平 氏

長谷川 大 氏

長谷川 大 氏


AWS 公共部門パートナー

株式会社スカイアーチネットワークス

スカイアーチネットワークスは多数のAWS 認定やパートナープログラムに対応し、グループ全体で 500 超の AWS 認定資格を有しており、技術力の向上とサービスデリバリ体制の強化を実現している。また、AWS に特化した人材ソリューションで先端 IT 人材確保に貢献し、ユーザー企業だけでなく市場全体の課題解決に取り組み、AWS からも高く評価されている。積み上げてきた確かな技術力と秀でた AWS 人材ソリューションで、お客様のビジネスを支援していく。

株式会社スカイアーチネットワークス

ご利用中の主なサービス

Amazon CloudFront

Amazon CloudFront は、高いパフォーマンス、セキュリティ、デベロッパーの利便性のために構築されたコンテンツ配信ネットワーク (CDN) サービスです。

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Amazon Cognito

Amazon Cognito を使用すると、ユーザーのサインアップおよびサインイン機能を追加し、ウェブおよびモバイルアプリケーションへのアクセスを制御できます。

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Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、500 以上のインスタンスと、最新のプロセッサ、ストレージ、ネットワーク、オペレーティングシステム、購入モデルを選択でき、ワークロードのニーズに最適に対応できる、最も幅広く、最も深いコンピューティングプラットフォームを提供しています。

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Amazon S3

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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