データと ML を使用して貨物フローを最適化し、持続可能なソリューションを推進する Cargotec

2021 年

貨物および荷重ハンドリングソリューションのグローバルプロバイダーである Cargotec Oyj (Cargotec) は、摂氏 1.5 度企業、つまり 2019 年から 2030 年までの間に二酸化炭素排出量を削減するという目標を発表した企業です。この目標を達成するため、Cargotec は、お客様に電動ソリューションを提供するとともに、モノのインターネット (IoT) ソリューションでデータを収集することによって能率性と持続可能性を推進しています。貨物および荷重ハンドリングのデジタルトランスフォーメーションを目指すと同時に、Cargotec は、毎日の生活をより良くするために、よりスマートな貨物フローを提供することをそのミッションとしています。

データ分析の有効化は、輸送および物流業界の未来の鍵であるとともに、Cargotec のようなグローバル企業の鍵でもあります。Cargotec の戦略的事業部門の 1 つである Kalmar は、世界各地における毎年約 8 億個のコンテナの移動が関わるソリューションを提供しています。そして、国際海運における船舶 4 隻中の 3 隻が、Cargotec の別の事業部門である MacGregor からの機器を搭載しています。Cargotec のすべてのソリューションからのデータを取得して、洞察のためにそのデータを分析する IoT アーキテクチャを構築することは、困難になり得ます。

そのような IoT およびデータ分析ソリューションを構築するために、Cargotec は Amazon Web Services (AWS) を活用しました。Cargotec のデータ駆動型サービスチームは、データ駆動のデジタルサービスをサポートするモデルを作成するために Amazon SageMaker を使用しました。SageMaker は、高品質の機械学習 (ML) モデルの準備、構築、トレーニング、およびデプロイを行うために使用できるサービスです。Amazon SageMaker と AWS のその他サービスを使用することによって、Cargotec はそのデータを能率性、持続可能性、およびコスト効率性に優れたオペレーションにつながる洞察に変換しています。

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AWS ソリューションを使用してサービスデータ、保守データ、および機器の使用状況データから情報を抽出し、お客様の機器のアップタイムを向上させています。”

Pekka Mikkola 氏
Cargotec Oyj、データ駆動型サービスディレクター

すべてを AWS に移行

Cargotec は、Kalmar、Hiab、MacGregor、および Navis の 4 つの事業部門を通じて、100 か国を超える国々で船舶、港湾、ターミナル、および内陸物流業者向けの貨物および荷重ハンドリングソリューションを提供しています。2020 年の総売上高は約 33 億ユーロでした。

2015 年、Cargotec は、世界各国のお客様により良いサービスを提供するために、AWS での IoT およびデータ分析システムの構築を開始しました。Cargotec のデータ駆動型サービスディレクターである Pekka Mikkola 氏は、「IoT とデータ収集で、お客様とその運営上の課題に関する理解を深めたいと考えたのです」と説明しています。 Cargotec はそのお客様とともに、新たなコンテキストでデータを使用するインテリジェントなサービスを開発することができました。これらの IoT およびデータ分析アプローチは、例えば充電シナリオを改善して電力業務を最適化することによって、Cargotec の新たに電力化されたソリューションもサポートします。Cargotec のブログ記事によると、「人口知能などのデータ駆動の手法は、臆測ではなく、思慮分別のある事実に基づいた方法で電動フリートへの移行を可能にするために欠かせません」。

2018 年以来、Cargotec は Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) などの AWS のサービスを使用してきました。Amazon S3 は、業界最高レベルのスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスで、Cargotec は数百テラバイトにおよぶ未処理データを保存するためにこのサービスを使用しています。

Mikkola 氏は、Cargotec が AWS を選んだ理由はその柔軟性とイノベーションの速度であり、「お客様に価値をすばやく実証できます。当社には、使用するサービスからの真のモジュール性を必要とする多様な顧客基盤と幅広いソリューションがあり、AWS はそのニーズをサポートします」と話しています。 

AWS で数百テラバイトにおよぶ未処理データを実用的な知識に変換

Cargotec は、ストリーミングデータをデータレイク、データストア、および分析サービスに確実にロードするためのシンプルな手段である Amazon Data Firehose を使用して、機器からのデータを収集するパイプラインを構築しました。ストリーミングデータは Amazon S3 に保存され、これにはビジネスシステムデータなどの他のタイプのデータも保存されています。Cargotec のデータサイエンティストは次に、標準的な構造化クエリ言語を用いて Amazon S3 内のデータを分析するために、サーバーレスのインタラクティブなクエリサービスである Amazon Athena を使用します。その後、Amazon Athena テーブルからのデータを Amazon QuickSight に入力できます。QuickSight は、スケーラブル、サーバーレス、かつ埋め込み可能な ML 駆動のビジネスインテリジェンスサービスで、専門家チームがより広範な閲覧者のために ML 駆動の洞察を用いたインタラクティブなダッシュボードを作成して公開することを可能にします。Cargotec は、ユーザーがサーバーのプロビジョニングや管理、ワークロード対応のクラスタースケーリングロジックの作成、イベント統合の維持、またはランタイムの管理を行うことなくコードを実行できるサーバーレスコンピューティングサービスである AWS Lambda も使用しています。「私たちは、柔軟性とスケーラビリティのために、毎日コアサービスを調整して、コンピューティングを需要と一致させることができます」と Mikkola 氏は語っています。

データ駆動型サービスチームは Amazon SageMaker を使用して、Cargotec 機器に関する予測分析を実行する ML モデルを開発し、デプロイしました。Mikkola 氏は、「Amazon SageMaker を使用することで、当社のデータサイエンティストがその生産性を高め、機械からの数百テラバイトにおよぶ保存済みデータにアクセスして探索することが可能になります。データ操作に専門の人材は必要ありません。データサイエンティストは、処理のために自らデータにアクセスできます。データインジェストとモデル提供、そしてその間に行われる事柄のすべてを管理する、当社の完全にサーバーレスな ML オペレーションパイプラインには特に誇りを感じています」と話しました。 サーバーレスアーキテクチャは能率的であるだけでなく、コスト効率性にも優れています。

Cargotec が新しく導入した省エネルギー保証には 1 つの ML モデルが使用されています。これは、お客様が Kalmar の電動フォークリフトトラックといった電動重機への移行時に運用コストを見積もり、排出量を削減できるようにする、最新鋭のエコ効率に優れたセールスイニシアティブです。Cargotec は、運用状況、走行距離、および積載物の重量に基づいたさまざまなシナリオで貨物ハンドリング機器が消費するエネルギーの量を理解するために ML モデルを使用します。そうすることで、Cargotec は機器をどのように使用する予定なのかをお客様にたずね、その後エネルギー消費を予測することができます。Cargotec は、お客様が予測量を超過する場合には払い戻しを行うことを保証します。「お客様には非常に満足していただけます。このサービスにより、企業はそれまで変動費だったものを固定費にすることができるからです」と Mikkola 氏は説明しています。

データ分析は、機器が故障する可能性が生じる、または点検が必要になるときを予測するなど、機器の保守業務を強化するためにも使用されます。この情報は、点検業務をオーケストレートし、新たな洞察をもたらすことができます。Mikkola 氏は、「AWS ソリューションを使用して、点検データ、保守データ、および機器の使用状況データから情報を抽出し、お客様の機器のアップタイムを向上させています」と話しています。

AWS で持続可能性取り組みの実現に近づく

すべてを AWS に移行することで、Cargotec はお客様がその業務をより安全にし、能率性、持続可能性、およびコスト効率性を高めるために役立つ IoT およびデータ分析ソリューションを構築しました。お客様は、AWS 駆動の Cargotec ソリューションを使用して、日常的な業務を最適化することができ、毎日の生活をより良くするためのよりスマートな貨物フローが実現されます。

詳細については、thinkwithwp.com/sagemaker をご覧ください。


Cargotec Oyj について

フィンランドに本社を構える Cargotec Oyj は、船舶、港湾、およびターミナル向けの貨物ハンドリング機械のプロバイダーです。100 か国を超える国々で事業を展開する Cargotec は、インテリジェントなコンテナハンドリングのための機器と物流ソリューションを提供しています。

AWS のメリット

  • ML を使用して数百テラバイトにおよぶデータを分析
  • 需要に合わせてインフラストラクチャのスケールアップとスケールダウンを実施
  • 機械のエネルギー消費を予測
  • 業務の能率性と維持可能性を向上
  • サーバーレステクノロジーを導入することでコスト効率性を改善 

使用されている AWS のサービス

Amazon SageMaker

Amazon SageMaker は、すべてのデベロッパーやデータサイエンティストが機械学習 (ML) モデルを迅速に構築、トレーニング、デプロイできるようにする完全マネージド型サービスです。 

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Amazon Data Firehose

Amazon Data Firehose は、ストリーミングデータをデータレイクやデータストア、分析サービスに確実にロードする最も簡単な方法を提供するサービスです。

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Amazon Athena

Amazon Athena がインタラクティブなクエリサービスで、Amazon S3 内のデータを標準 SQL を使用して簡単に分析できるようになります。

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Amazon QuickSight

Amazon QuickSight は、クラウド向けに構築された、スケーラブル、サーバーレス、かつ埋め込み可能な機械学習駆動のビジネスインテリジェンス (BI) サービスです。 

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