AWS で決済処理にリアルタイムの可視性をもたらす BBPOS

AWS を使用することによって、BBPOS は 10 ミリ秒未満のレイテンシーと IoT デバイスに対する可視性で 50 か国を超える国々のお客様をサポートすることができます。香港に拠点を置く BBPOS は、モバイルポイントオブセール (mPOS) デバイスと、それらをサポートするソフトウェアの創始企業の 1 社でした。同社は、低レイテンシーのデータ転送のために AWS Global Accelerator、リアルタイムの分析のために Amazon Elasticsearch Service、サーバーレスな方法でのコンテナの自動スケーリングのために AWS Fargate を使用しています。

世界中で e ウォレットと非接触型決済が定着するとともに、モバイルポイントオブセール (mPOS) デバイスも小売および飲食環境で欠かせないものとなっています。お客様がレジに行って商品を購入する時代は終わりました。あらゆる規模の販売業者が、支払い処理以上の機能を備えたスマートでポータブルなデバイスから同様の恩恵を受けています。 

mPOS プラットフォームは在庫管理や e コマースプラットフォームなどの付加価値サービスを使用する機会をもたらすため、より多くの販売業者が現金から電子決済に移行しています。実際に、世界的な mPOS 取引は、25 パーセントを超える年平均成長率で増加することが見込まれています。香港を拠点する BBPOS は、2008 年にスマートフォンテクノロジーの決済取引プロセスへの統合に携わっており、この可能性を長年にわたって認識していました。50 か国を超える国々にクライアントを持つ BBPOS は、mPOS ハードウェアとそれらをサポートするソフトウェアが含まれる革新的なエンドツーエンドソリューションを提供し続けています。

エンタープライズカスタマーは、BBPOS からのモノのインターネット (IoT) 対応製品を使用して、その店舗からのデータを本社の IT チームにストリーミングしており、これはしばしば国際的に行われます。このような大規模な運用には、グローバルなソリューションとサポートが必要となりますが、BBPOS はこれを Amazon Web Services (AWS) で実行されるクラウドベースのインフラストラクチャを通じて提供しています。 

北米、ヨーロッパ、およびアジアパシフィックにある 3 つの AWS リージョンを活用することで、BBPOS はそのお客様のデータレジデンシー要件を確実に満たすことができるようになります。AWS でのマルチ AZ 配置は、複数のリージョンにまたがってデータの冗長性と高可用性をサポートします。BBPOS はさらに、お客様の販売店と本社間におけるルーティングの最適化のために AWS Global Accelerator も活用しています。これは、低レイテンシーのデータ転送と、店舗でのすばやい決済処理を実現するうえで不可欠です。 

BBPOS のソフトウェア担当プロダクトマネージャーである Raymond Tang 氏はこのように説明しています。「AWS Global Accelerator を使用することで、バックオフィスのお客様は、店舗内にある mPOS デバイスのリアルタイムでのリモート制御をきわめて低いレイテンシーで実行しています。また、データは AWS クラウドとお客様のデスクトップまたはウェブブラウザ間でリアルタイムにストリーミングされているため、各デバイスからのログを表示することもできます」。

24 時間体制で運営される Amazon やコンビニエンスストアの国際チェーンなどの BBPOS のお客様にとって、可用性に優れたクラウドインフラストラクチャは必須です。AWS を使用することで、BBPOS は常に AWS クラウドで 99.99 パーセントのサービス稼働率を維持しています。さらに、ログおよび mPOS デバイスへのリアルタイムでのアクセスは、お客様のエンジニアが店舗内の問題を直ちにトラブルシューティングして、ビジネスの中断を防止できることを確実にします。

BBPOS のお客様の多くは、BBPOS と同様にそのインフラストラクチャプラットフォームとして AWS クラウドを使用しています。BBPOS のデバイスはウェブポータルなどのどのようなバックエンドシステムにも統合できますが、同社は AWS の使用をお客様に推奨しています。これは、AWS クラウドに組み込まれたセキュリティプロトコルでのきわめて安全なデータ転送を促進します。 

カスタマーケアは BBPOS の戦略と成功にとって不可欠なものであり、お客様と密接に連携する専用サポートチームを米国内に持っています。「お客様が同じく AWS を使用していると、AWS プラットフォームが、テクノロジーをどのように向上させることができるかについて話し合うための、私たちとお客様の共通語になります」と Tang 氏は話しています。

一部のお客様からの推薦により、BBPOS は、ピーク期間中にコンテナを自動でスケールするために AWS Fargate サーバーレスコンピューティングエンジンを選択しました。Tang 氏は、「AWS Fargate を使用することで、私たちは無制限の処理能力を獲得し、より多くの同時接続をサポートできます」と話しています。BBPOS デバイスは現在 80,000 件の同時接続をサポートしており、近い将来、100,000 件の同時接続を達成することを目指しています。 

BBPOS は、Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) を使用して実行される独自のコンテナを構築しました。また、データの分析と処理をサポートするために AWS Lambda も使用しています。「AWS のソリューションは、当社のマイクロサービスアーキテクチャに最適でした」と Tang 氏は話しています。「これらは、ピークコンピューティングに必要な柔軟性を提供し、サービスを細分化することを可能にします。この柔軟性によって、可用性に優れたソリューションをお客様に提供し、段階的な改善を定期的に行うことができるようになります」。

小売業では、問題の予防とスムーズな決済処理がきわめて重要です。成功を収めたビジネスは、障害が発生した決済端末が原因でお客様が列に並んで待つことになり、しびれを切らして購入をあきらめてしまわないように、多大な労力を費やしています。BBPOS は、各デバイスのネットワークステータスを継続的に監視して正常な信号を確認し、イベント駆動な方法で AWS クラウドにデータをアップロードしています。その IoT デバイスからの着信トラフィックの量に対応するため、BBPOS はさまざまなクラウドネイティブデータベースを使用しています。 

BBPOS は、ログおよびドキュメントを保存するための拡張性に優れた低レイテンシーの NoSQL データベースとして、Amazon DynamoDB を活用しています。Amazon DynamoDB を使用することで、BBPOS のお客様は、ピーク期間中でさえも 10 ミリ秒未満のパフォーマンスからメリットを得られます。何千人ものお客様が営業開始時にそのデバイスの電源を入れるなど、このようなピーク期間中は、ネットワークトラフィックが 10 倍に急増する可能性があります。 

エンジニアは、リアルタイムの分析と、BBPOS の IoT デバイスからの洞察の抽出のために Amazon Elasticsearch Service も使用しています。お客様は、デバイス上のアプリケーションをリモートで更新して、店舗が更新されたアプリバージョンを使用しているかどうかを直ちに確認することができます。「Amazon Elasticsearch Service はお客様のアプリケーションとのリアルタイムでのデータ統合を円滑化するので、お客様は新しいデータが更新されたアプリからバックエンドにストリーミングされていることがわかります。これは、お客様の IT チームが新しい機能を迅速かつ効率的に計画し、テストするために役立ちます」と Tang 氏は説明します。

mPOS デバイスがますます多様なタスクのために導入されるに伴い、BBPOS はそのリーチの拡大を計画しています。AWS を使用することで、BBPOS は、設定なしで使用できる機能と、AWS CloudFormation によるクライアント全体でのインフラストラクチャの複製しやすさといったメリットを得ています。ほとんどの場合、BBPOS は、新規のお客様がたった 1 日でソリューションをセットアップできるようにすることが可能です。 

「AWS は、ネットワークからコンピューティングまで幅広いソリューションを提供しており、クライアントとの SLA に対する強力なバックアップを実現する IoT、セキュリティ、およびマネージドデータベースのテクノロジー製品がそろっています」と Tang 氏は話しています。「私たちは、お客様それぞれに最適な AWS クラウドソリューションを提供するために必要なものを選択すればよいだけです」。

詳細については、thinkwithwp.com/financial-services をご覧ください。