AWS ワークショップシリーズ

ここからはじめるデータガバナンス ! Amazon DataZone ハンズオン

2024-11-01
AWS ワークショップ

Author : 西村 忠己

AWS に限らず技術を学ぶ一番の方法は「触ってみる」ことですよね ?

とはいえ、初心者の方が新しい技術を何もガイダンスなしで触ってみるのは少し難しいかもしれません。ワークショップやハンズオンはそのような時にガイドに沿って「まずは触ってみる」ことができる便利な方法です。そのため、AWS も多くのワークショップを公開していますが、「自分が学びたいことのために何を選んだら良いかわからない」というお声も多く聞くようになりました。このシリーズではそのような方のために、AWS の技術者がそれぞれおすすめのワークショップを紹介していきます。今回は、小売・消費財のお客様を中心に技術支援を行う Solution Architect 西村 による「Amazon DataZone ハンズオン (ベーシック) 」のご紹介です。

ご注意

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はじめに

みなさんの企業、あるいはみなさんのお客様は、どのようにデータと向き合っているでしょうか ?

多くの企業がデータに対する取り組みの投資を増やしており、明確にデータ戦略を策定している企業も増えてきております。しかし、データガバナンスに対するアプローチをとっているかと言われるとどうでしょうか? 言葉としてもあまり馴染みがなく、ピンとこない方もおられるかと思いますので、ここで定義を明確にしておきたいと思います。

データガバナンスとは「ビジネス上の取り組みや運用をサポートするために、企業内の人々が、適切なデータを発見し、アクセスし、共有できるようになること」です。

ガバナンスという言葉から、データに簡単にアクセスさせないよう鍵をかけるといったイメージを持たれる方もおられますが、データガバナンスは守りの施策というよりはむしろ、イノベーションを加速するためのガードレールという「攻めの施策」の 1 つと言えます。データ戦略において、すべてのデータが適切に保護され、適切な監査とコントロールを可能な状態にすることが重要です。そして、そのデータアクセス管理により、組織の枠を超えたデータ共有が可能となります。

では自分の組織でデータガバナンスをやっていこうと思っても、どう始めていけばわからない、という方も多くおられると思います。そこで試していただきたいのが、今回紹介する「Amazon DataZone ハンズオン (ベーシック) 」です。

Amazon DataZone ってなに ?

Amazon DataZone とは組織のデータを発見、共有、管理できるようにするデータ管理サービスで、2023 年 10 月に一般的提供を開始してから、継続して機能強化を続けています。
この Amazon DataZone には、データガバナンスを簡単に実現するための以下のコアコンポーネントを備えています。

  • 組織の境界を越えてデータを共有、検索するための Amazon DataZone ポータル
  • ビジネス的な意味を蓄積し・共有するためのビジネスデータカタログ
  • プロジェクトを作成してデータやツールなどの環境を、必要な人がアクセス可能になるまで IT 作業不要で実現する仕組み
  • プロジェクト単位でだれがどのデータにアクセスできるかのアクセスコントロールと監査

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このワークショップでは、この Amazon DataZone を活用したデータガバナンス配下で、組織の部門を超えたデータ共有をどう実現するかを体験いただきます。


ワークショップの特徴

このワークショップは、ある企業の営業部門のデータをマーケティング部門で活用するという仮のシナリオを想定して進めていきます。

データを共有する側、データを利用する側の両方の立場を体験可能

先述のとおり、データガバナンスの目的として誰しもが必要なデータを、適切なコントロール下でアクセスできることが重要です。Amazon DataZone ではデータポータルを提供しており、その中でデータカタログの公開、カタログ検索、データへのアクセス承認、というフローが完結します。それにより Amazon DataZone では、さまざまなデータへのアクセス制御を一元化できるため、誰がどのデータをどのような目的で使用しているかを、容易に確認することができます。

このワークショップでは、データプロデューサー (営業部門) として、 Amazon DataZone ポータル上で保持するデータを公開する操作と、その公開されたデータへのアクセスリクエストを行うデータコンシューマー (マーケティング部門) の操作の両方を体験いただけます。それにより、Amazon DataZone ポータル内でデータの公開とサブスクライブの全体的フローを、データガバナンスの仕組みとして理解いただけます。

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ビジネスメタデータによる分析に必要なデータへ直感的な発見と判別が可能

データ活用にはいかにその欲しいデータを探し出せるかということが重要です。もし欲しいデータが組織内にあったとしても、それを見つけられなければ、意味がありません。Amazon DataZone ではデータコラボレーションを効率化するための、ビジネス用語集を整備する機能があります。それにより、ポータル画面の検索機能から、組織内での独自の共通ワードによってデータを簡単に検索できます。そして、見つけたそのデータカタログがどういったデータなのかを直感的に理解し、データに活用できるというのも Amazon DataZone の特徴で、このワークショップの中で、実際にビジネス用語集を設定し、検索するといった操作をお試しいただけます。

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日々進化する Amazon DataZone の機能の詳細を学べる

Amazon DataZone にはデータガバナンスを支援する、データの行列レベルでの制御機能や、データの品質スコアの表示というような、多くの機能があります。そういった Amazon DataZone のより詳細な機能を体験いただくために、このワークショップの中にオプションコンテンツとして提供していますので、より応用的にデータガバナンス取り組みを考えたい方におすすめです。


ワークショップにかかる時間

このワークショップは、メインコンテンツと 複数のオプションコンテンツで構成されています。メインコンテンツにはおおよそ2 時間程度かかり、その他のオプションコンテンツは 1 つあたり、30 分程度が完了までにかかる目安となります。オプションコンテンツは、メインコンテンツを完了していなくても、開始することができるようになっていますので、お自身のペースで分割して実施いただくことが可能です。お忙しい方向けに、自動でデータカタログを作成し、Amazon DataZone の操作にフォーカスいただくための AWS CloudFormation テンプレートを利用する手順も含めておりますので、ご活用ください。


自分の環境で試す際の注意

このワークショップは、みなさんのお手元の環境でお試していただくことが可能です。前述のとおり、サンプルデータからデータカタログを自動で作成する AWS CloudFormation テンプレートをご用意しております。そちらを使うことで簡単にセットアップが行われ、Amazon DataZone の操作にフォーカスしてご体験いただけるようになっています。ただし、テンプレートによって複数の AWS サービスを利用しますので、AWS 利用料もかかります。気づかないうちにコストがかかっていたとならないよう、お試しいただいたあとは、必ず各リソースを削除するようにお願いします。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

この投稿ではデータガバナンスに興味がある方に向けて、おすすめのワークショップを紹介させていただきました。組織のデータ戦略において、データガバナンスは最優先事項です。クラウド上でのデータ分析が加速している中、データガバナンスに対するクラウド上でのアプローチも、並行して考えていく必要があります。データガバナンスをどこからすすめていこうかと悩まれている方は、第一歩としてこのワークショップにチャレンジし、AWS のビルトインのデータガバナンスである Amazon DataZone を試してみて下さい。このワークショップが、みなさんのデータガバナンスへの取り組みの一助となれば幸いです。


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筆者プロフィール

西村 忠己
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
エンタープライズ技術本部 ソリューションアーキテクト

SIer にて金融機関向けアプリケーション開発を経験後、ソリューションアーキテクトとしてアマゾンウェブサービスジャパン合同会社に入社。現在は、小売・消費財業界のお客様に向けたクラウドに関する技術支援業務に従事。
趣味は筋トレとポイ活です。

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