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AWS Startup Loft Tokyo を 2022 年 11 月 1 日より再開【ご来館方法および記者説明会レポ】

アマゾン ウェブ サービス ジャパンは 2022 年 10 月 27 日、スタートアップコミュニティ拡大のための取組みに関する記者説明会を開催しました。

説明会の中では、スタートアップおよび Developer 向けの施設「AWS Startup Loft Tokyo」を 2022 年 11 月 1 日より再開することのアナウンスとともに、AWS によるスタートアップ支援の最新状況を説明。さらに、経済産業省やベンチャーキャピタル(以下、 VC)関係者、スタートアップ経営者などをお呼びして、「今、スタートアップ支援に求められること」というテーマのもとにパネルディスカッションを行いました。


はじめに

AWS Loft Tokyo は このたび AWS Startup Loft Tokyo へリブランドし、11 月 1 日に再開いたします。AWS Startup Loft Tokyo は AWS 東京オフィス内にありますコワーキングスペースであり、コワーキング機能以外にもイベント実施やエキスパートへの相談の場など、様々な機能を揃えております。これらの活動を通じて開発者やエンジニア、アントレプレナーの方々の AWS 活用や起業を支援しております。

また、再開にあたりチェックインツールなどが変更となっております。ご来訪前に下記をご確認いただけますと幸いです。

    • AWS アカウント IDをお持ちのスタートアップ、デベロッパーの皆様が利用可能な施設となります
    • 事前の会員登録が必要です
    • コワーキングスペース入場の際、「身分証明書」のご提示をお願いしております

記者説明会レポート : 挑戦をカタチにする場「AWS Startup Loft Tokyo」を 11 月 1 日より再開

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表執行役員社長 長崎 忠雄

説明会の冒頭では、アマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表執行役員社長の長崎 忠雄が、AWS そのものの成り立ちやスタートアップ支援の取り組みについて解説しました。

AWS は Amazon からスピンアウトしており、スタートアップとして始まっています。また、Amazon が掲げる「地球上で最もお客さまを大切にする企業であること」を AWS も重視して経営を続けてきただけではなく、スタートアップの支援にも力を入れてきました。

AWS は、東京と大阪の 2 つのリージョンにデータセンターを設立しています。この「1 つの国に 2 つの拠点を設けること」は、世界中でもアメリカと日本にしか例がありません。これは「ミッションクリティカルなワークロードを運用するには 2 つの拠点があるほうが良い」というお客さまからの要望を受けて実現したものです。また、東京・大阪リージョンへの投資額は、2011 年から 2022 年の累計で 1 兆 3,510 億円、今年 1 年間だけでも 3,480 億円であり、日本市場に注力をしています。

スタートアップ支援に注目すると、AWS Activate プログラム をはじめとして、2013 年より数千におよぶ国内企業へ、数十億円に相当する支援を行ってきました。そして各社との関わりの中で、AWS は「スタートアップが必要とする 2 つのもの」について示唆を得てきました。

1 つ目は「コンパス」。成長過程にある会社には、進むべき道筋を示してくれる羅針盤が必要不可欠です。多くのスタートアップや VC の方々と接してきた AWS は、さまざまな実践的ノウハウや事例などの知見を各社へ提供できます。

2 つ目は「スピード」。意思決定の速度や新しいプロダクトを世に出す速度が、イノベーションを起こすうえでは重要です。素晴らしいアイデアを素早く形にする手助けを行うために、「AWS Startup Loft Tokyo」は生まれました。

「コロナ禍の影響による一時閉鎖から約 2 年半が経過しました。お客さまからの『ぜひ早く再開してほしい』『コミュニティのみなさんと面と向かって話がしたい』『AWS のソリューションアーキテクトによるサポートを受けたい』といった熱い要望を受けて、このたび私たちは「AWS Startup Loft Tokyo」の再開を決定しました。このコワーキングスペースを通じて、イノベーターの方々の支援を行い、日本経済に寄与していければと考えています」と長崎は結びました。

支援の拡充が進む、日本のスタートアップ市場

アマゾン ウェブ サービス ジャパン スタートアップ事業開発部本部長 畑 浩史

続いてはアマゾン ウェブ サービス ジャパン スタートアップ事業開発部本部長の畑 浩史が、AWS のスタートアップ支援の最新状況について語りました。

岸田首相が述べた「スタートアップ創出元年」や日本経済団体連合会(経団連)による「スタートアップ躍進ビジョン」、東京大学総長の「世界で活躍できるスタートアップを東京から生み出したい」などの言葉が示すとおり、日本のスタートアップを取り巻く環境には追い風が吹いているといえます。また、2021 年のスタートアップ資金調達総額は、過去最高の 7,800 億円になりました。

AWS はこれまで、スタートアップ各社にサービスを利用していただくことによって、共存共栄してきました。スタートアップの方々は創業期からインフラ環境としてクラウドを選択することがほとんどであり、そうした面からも AWS のビジネスとの親和性が高いのです。「AWS はこれからも、積極的にスタートアップを支援していく」と畑は述べました。

このたび再開する「AWS Startup Loft Tokyo」は、スタートアップの方々が学び、交流し、挑戦を形にしていくための場所です。コワーキングスペースや、アイデアを醸成するための顔合わせの場としてはもちろん、AWS の技術的なエキスパートが相談役として常駐しているのも特徴です。また、各種イベントを催すことで、コロナ禍において失われた「リアルならではのコミュニケーション」を拡充する機能も有しています。

さらに、このたびの再開に伴い、複数の新メニューを追加します。まずはイベントの「ハイブリッド配信」で、これからは時間的・物理的制約のある方でも、「AWS Startup Loft Tokyo」で開催されるイベントにリモートで参加できます。また、「VC メンタリング@Loft」も行います。起業相談や資金調達のお悩みについて、専門家である VC の方々に直接お話を聞くことが可能となりました。

他にも、元 CTO の AWS ソリューションアーキテクトによる非技術面での相談受付「ex-CTO メンタリング@Loft」や、Web3 に関する技術勉強会・ワークショップ「Web3@Loft」も実施予定です。

参考:ex-CTO メンタリングについて

https://thinkwithwp.com/jp/blogs/startup/program-ex-cto-mentoring-baseconnect_2022/

説明の終盤では業界特化支援として、公共分野の課題解決に取り組むスタートアップ支援プログラム「AWS Startup Ramp」も紹介されました。AWS のお客さまには公共分野の事業に携わる方々もたくさんいらっしゃるため、今後はさらにサポートを強化していきます。

岸田政権が掲げる「政府調達の促進」

経済産業省 新規事業創造推進室室長補佐 岡本 英樹 氏

畑による解説の後には、経済産業省の新規事業創造推進室室長補佐である岡本 英樹 氏がご登壇され、岸田政権によるスタートアップ政策について語りました。現状、最も大きな柱として挙げられているのは、「政府調達(ガバメントプロキュアメント)の促進」であると岡本 氏は述べます。

政府調達とは、政府が積極的にスタートアップや中小企業のサービスを購入することです。政府から企業への投資による支援効果があるだけでなく、スタートアップの優れた技術やサービスを国民へと還元できるため、多方面に良い影響を与えることができます。

「しかし、スタートアップは自治体とのネットワークがなかったり、手続き面でのノウハウが不足していたりという障壁があります。そのギャップを埋める仲介役を AWS 社が担うというのは、非常に意義のあることではないでしょうか。より多くのスタートアップにおいて、政府調達が進んでいくことを期待しています」と、岡本氏は解説しました。

今、スタートアップ支援に求められていること

説明会の後半ではパネルディスカッションが行われました。スピーカーとして、インキュベイトファンド株式会社 代表パートナーおよび一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 企画部長を務める村田 祐介 氏、TURING株式会社 共同創業者 CEO である山本 一成 氏、そして先にご登壇された経済産業省の岡本 氏の3名をお招き。畑がモデレーターを務め、「今、スタートアップ支援に求められること」というテーマに基づいて議論しました。このレポートではその一部を抜粋してお届けします。

写真左から、アマゾン ウェブ サービス ジャパン スタートアップ事業開発部本部長 畑 浩史、経済産業省 新規事業創造推進室室長補佐 岡本 英樹 氏、インキュベイトファンド株式会社 代表パートナーおよび一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 企画部長 村田 祐介 氏、TURING株式会社 共同創業者 CEO 山本 一成 氏

畑:「AWS Startup Loft Tokyo」再開への期待についてお聞かせください。

村田:閉鎖前までは、ずいぶんと「AWS Startup Loft Tokyo」に通わせていただきました。おそらく、VC の中でもトップクラスに活用させていただいたのではと思います。私が通っていたころの印象として、静かなコワーキングスペースの中に、「プロダクトをこの場で作るぞ」という熱気が立ち込めていたのを憶えています。

「AWS Startup Loft Tokyo」の強みはやはり、「行けば、AWS のみなさんがいる」という点です。以前、ロボアドバイザーによる個人資産運用サービス「ウェルスナビ」の実現に向けて第一種金融商品取引業の免許を取得した際にも、AWS の特設チームに多大なるお力添えをいただきました。再開後も、この強みを発揮していただければと思います。

山本:スタートアップは少人数から始まるので、一人で作業をすることも多いです。そうなると寂しいですし、コーディングのモチベーションを保ちづらいんですよね。そこで「AWS Startup Loft Tokyo」に行くと、「みんなが一生懸命やっているから、自分もやるか」といった感じにエネルギーが湧いてきます。もちろん、何か疑問があれば AWS のみなさんに直接聞けるので、そういった面でも助かりました。

岡本:政策担当者の目線から言うと、「AWS Startup Loft Tokyo」には、東京という街の中で、スタートアップのエコシステムを成長させるためのハブになってほしいです。「AWS Startup Loft Tokyo」を中心に、東京全体を盛り上げてほしいと期待しています。

畑:「AWS Startup Loft Tokyo」の担うべき役割についてアイデアはありますか。

村田:「ゼロからイチが生まれるリアルな場」になってほしいです。多くの方々が「AWS Startup Loft Tokyo」に集まることで、ゼロイチでプロダクトを生み出す熱量や、隣に座る人の取り組みを五感で感じとれる。そんな、リアルで集まることの良さを発信できる場になることに、大きな意義があると思います。

山本:すごくわかります。「隣にいる人が一生懸命やっているから、自分もがんばれる」というのは人間の活動の基本ですよね。リモートワークでは“人との交流”という部分に限界があるからこそ、その機能を補完する場になるとうれしいです。

畑:今後、スタートアップのエコシステムが成長するために必要だと思われることがあればお聞かせください。

岡本:経済産業省では規制改革や特例措置のための要望を受け付けています。ですが、スタートアップの側としては、なんらかの施策を推進する際に「政府の承認を得ること」の心理的ハードルがとても高いのではないかと思います。「AWS Startup Loft Tokyo」や AWS の取り組みによって、その障壁をうまく解消していっていただけるとありがたいです。

村田:実は、テスラやスペースXやモデルナなどは、多大な政府調達によってグローバルスケールした会社です。だからこそ、国家レベルでの政府調達やスタートアップ支援の流れをさらに盛り上げることで、日本からもグローバルに活躍できる企業が生まれることを期待しています。

パネルディスカッションの後には質疑応答が行われ、説明会は幕を閉じました。

おわりに

AWS は今後も、協業パートナー各社とともにスタートアップコミュニティの拡大と成長に向けた支援を続けていきます。お客さまからのフィードバックをもとにスタートアップ支援プログラムを強化・拡大していくことはもちろん、説明会の中でもあったように政府や公共分野への橋渡し役も担い、スタートアップを取り巻く環境をより盛り上げたいと考えています。

この記事を読んでくださったスタートアップ企業の皆様・Developerの皆様、挑戦をカタチにする場「AWS Startup Loft Tokyo」に、ぜひ一度足をお運びいただけると幸いです。

URL: https://aws-startup-lofts.com/apj/loft/tokyo