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パートナー ソリューション アーキテクトという仕事
AWS の「パートナー ソリューション アーキテクト (以下、Partner SA)」が普段どういった仕事をしているかご存知でしょうか?この投げかけをすると、「パートナー担当のエンジニアでしょ」「ソリューション アーキテクトと何が違うの?」「よく分からないけど大変そう」「そんな職種があるなんて知らなかった」など、様々な反応が返ってきます。本ブログでは、Partner SA の主な仕事内容、一日の仕事の流れ、やりがいなどを紹介したいと思います。
Partner SA の仕事とは
実は、Partner SA にもいろいろなポジションがあります。AWS Partner Network (APN) は、オファリングの構築 (Build)、マーケティング (Market)、お客様への販売 (Sell) のためのプログラムとリソースを活用するパートナーのグローバルコミュニティです。AWS パートナーパスには、ソフトウェア、ハードウェア、サービス、トレーニング、ディストリビューションの 5 つのパスがあり、AWS パートナーがお客様に提供する幅広いオファリングを支援し強化することを目的に設計されています。例えば、ソフトウェアパートナーは、自社のソフトウェアやサービスを AWS 上で提供する Independent Software Vendor (ISV)、Software as a Service (SaaS) 事業者などが当てはまります。サービスパートナーは、お客様に AWS を提案、設計、構築、運用保守サービスを提供するコンサルティング会社、システムインテグレータ、マネージドサービスプロバイダーなどが当てはまります。サービスパートナーを担当する Partner SA は、AWS パートナーがシステム提案する際のアーキテクチャレビューを行ったり、ソリューション開発における支援を行ったり、ハンズオントレーニングを提供したり、お客様のプロジェクトを成功に導くための幅広い技術支援が主な仕事内容になります。主なポジションの紹介と簡単に役割を説明をします。
- Strategic SI 担当: 日本を代表するサービスパートナーを上述のように様々な方面から担当
- Global SI 担当: グローバルにビジネスを展開するサービスパートナーを AWS グローバルチームと連携してワールドワイドに担当
- Growth 担当: セレクトパートナーのアドバンスド昇格に向けた多岐にわたる技術支援を行い、一人で百社近い幅広いパートナーを担当
- Enablement 担当: AWS ビギナーからエキスパートまで、インフラエンジニアからデベロッパーまでのすべてのパートナーエンジニアの育成を担当
- Technology Specialist 担当: SAP, Microsoft, VMware などのエンタープライズワークロード、あるいは Database や AI/ML といった技術領域、金融領域や製造領域といった業種ソリューションに特化したスペシャリスト
- SaaS 担当: パートナーソリューションのマルチテナントアーキテクチャ移行などを支援する SaaS に特化したスペシャリスト
このように、特定の AWS パートナーに深く関わったり、あるいは非常に多くの AWS パートナーと広範囲に関わったり、技術領域もジェネラリストとして 200 を超える AWS サービスに広く対応したり、特定領域に特化してスペシャリストとして対応したり、Partner SA のポジションはさまざまです。自分のキャリアパスを描くために、そしてそれを実現するための多くのポジションが AWS の Partner SA チームにはあります。
Partner SA の一日とは
Partner SA にはいろいろなポジションがありますが、いずれも AWS パートナーや最終的なお客様の課題を技術的に解決し、パートナーのトラステッドアドバイザーになってプロジェクトの成功を導くことがミッションになります。パートナーと共同のイベントやセミナーでの登壇、ブログやホワイトペーパーなどの技術ドキュメントの公開を通じて、世の中に最新のテクノロジーを広く届けることも大きなミッションの一つです。そして、単体のシステムだけを見るのではなく、パートナーと共にスケールする仕組みを作る、新しいビジネスモデルを作る視点を持って業務に取り組むことが一番重要な点であり、他のエンジニア職にはない魅力的な点だと考えています。例えば、Amazon SaaS ストアは、Partner SA も深く関わって実現した One Amazon での新しい試みの一つです。それでは、とある Partner SA の日常を見てみましょう。
2020 年 3 月までの働き方
これまではオフィスに出社、あるいはパートナー先に訪問して、ときおり自宅で働くスタイルが中心でした。
1:00- 自宅からグローバルチームとの電話会議
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
午前 | 9:30- Partner SA の週次の定例会 10:30- 社内のフリーデスクで資料作成 12:00- 社食でランチ |
9:00- パートナー技術相談会で A 社、B 社、C 社 (各 1 時間)の対応 12:00- 社食でランチ |
9:00- 自宅でセミナー用のデモを開発 11:30- 移動および出先でランチ |
10:30- 遅めに出社し、新規事業に向けたイニシアチブ関連の社内打合せに参加 11:30- 社食でランチおよび移動 |
9:00- コワーキングスペースの個室でセミナー登壇のセルフリハーサル 11:00- 移動および出先でランチ |
午後 | 13:00- 上司との 1 on 1 meeting で進捗の共有と課題の相談 13:30- アカウントチームとパートナー連携の社内打合せ 14:30- パートナーからの技術的な問合せにメールで返信 17:00- Tech Sync に参加して最新技術情報を共有 18:00- 帰宅 |
13:00- セミナーに向けた登壇資料の作成 15:00- 福利厚生のマッサージでリフレッシュ 15:30- 再びセミナーに向けた登壇資料の作成 18:30- 帰宅 |
13:00- パートナー先でハンズオントレーニングの提供 15:00- パートナー先でオフィスアワーの対応 17:00- 深夜に備えて早めに帰宅 |
13:00- スペシャリストとしてアカウントチームに同行し、お客様先で提案プレゼン 15:00- 近場のコワーキングスペースで資料作成 16:30- 移動 17:00- パートナー先で提案に関するアーキテクチャレビュー 19:00- 帰宅 |
13:00- パートナー共催セミナーで 150 人の前で登壇 18:00- パートナーと打上げ 22:00- 帰宅 |
深夜 |
このように仕事内容は非常に多岐にわたります。また、フルフレックスのため、スケジュールも自分で柔軟に調整ができます。Amazon WorkSpaces、Amazon Chime によるリモートワークの環境が整っており、自宅からでも、都内に点在するコワーキングスペースも活用できるため、もともと場所を問わない働き方が可能になっていました。
2020 年 4 月以降の働き方
仕事内容は大きく変わりませんが、オンライン会議やリモートでのトレーニング開催、オンライン配信でのセミナー登壇など、仕事の進め方は変わっています。在宅勤務を中心に、必要に応じてオフィスに出社、あるいはパートナー先に訪問して対面でコミュニケーションを取るスタイルです。2021 年 7 月に新しい Our Leadership Principle として Strive to be Earth’s Best Employer を追加しましたが、職場環境をより安全に、より生産的に、より実力が発揮しやすく、より多様かつ公正にするべく、日々取り組んでいます。
Partner SAのやりがいとは
Partner SA の仕事内容はいかがでしたでしょうか。もちろん、Partner SA 以外の非常に優秀な AWS 社員とコラボレーションする機会も多くあり、ビジネスに貢献するだけでなく成長する実感を得ることが多くあります。また、グローバルチームとの活発なコミュニケーションの一環として、海外出張の機会もあります。さて、最後に現在活躍するメンバーから Partner SA の仕事のやりがいについて聞いてみましょう。
Strategic SI 担当: サービスパートナーと共に、お客様に AWS の最適な環境を提供していくことで、日本の IT を活性化していき、お客様、パートナー、AWS が三位一体となって Win/Win/Win になることにやりがいを感じています。日本では 70% 以上のエンジニアがパートナー企業にいると言われていますが、その方々と共に日本の IT に AWS を浸透させていくこと、AWS を当たり前にしていくことが今の目標です。
Growth 担当: 日本の IT を現場で支え続けるパートナーから、まさに今から新しいことを起こそうとしているパートナーまで、数多くのパートナーの様々な立場の方と議論する機会があり、AWS の中でも最も幅広い領域のお客様システムに関わることができます。業界をますます活性化させ、変革するきっかけを作ることのできるポジションだと考えています。
Enablement 担当: 数万人のパートナーの AWS エキスパートエンジニアを育成するミッションを持っています。インフラからアプリケーション、開発まで幅広い技術領域をカバーし、AWS エキスパートになった AWS パートナーの皆様と共に業界を盛り上げていくことにやりがいを感じています。また、数万人育成するためにはメカニズムがとても重要で、単に教えるだけでなく、如何に効果的かつ効率的に仕組みを作っていくか、新しいことを考え、どんどんチャレンジできるポジションです。
Technology Specialist 担当: ISV のスペシャリストとして先進的なプロジェクトに関わることができ、日本発・世界初の事例をいくつも手掛けています。AWS のサービスはお客様のフィードバックによって開発されており、私が仲介した日本のお客様とパートナーの声がサービスに反映され、更にそのサービスが世界で最初に本稼働する場に立ち会うことのできる、エンジニア冥利に尽きるポジションだと思っています。
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改訂履歴
- 2019 年 5 月 初版公開
- 2022 年 6 月 第 2 版更新: AWS パートナーパスおよび働き方を加筆修正