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[内製化支援推進] ANGEL Dojo 2024 最終発表会の開催・頂上決戦のお知らせ
2024 年 7 月にキックオフを開催した ANGEL Dojo 2024 の最終発表会を 10 月 10 日、11 日にて開催いたしました。この最終発表会にて優秀な成績を収めたチームが 10 月 25 日の頂上決戦イベントに出場されます。本記事では、ANGEL Dojo 期間中の活動と最終発表会での様子をレポートいたします。頂上決戦は Amazon Web Services Japan 公式 YouTube チャンネルで配信します。是非リアルタイムでご視聴ください!
ANGEL Dojo の概要や今年の参加企業についてはキックオフのブログをご覧ください。
ANGEL Dojo の期間中の活動
参加者の皆様にはキックオフ当日に、Amazon 流のモノづくりの考え方である Working Backwards をご紹介しました。Working Backwards とは Amazon で開発するすべての商品やサービスの根幹にある、顧客中心主義のメカニズムです。顧客のニーズを起点に、顧客のベネフィットを明確にし、顧客のために発明する方法をワークショップを通じ体感いただきました。
8 月 2 日にはすべてのチームから Working Backwards の考え方に基づいてプレスリリースを提出いただきました。プレスリリースにはサービスの概要、ユーザーに与える価値、想定されるユーザーの声などを具体的に記載する必要があります。各チームは、ユーザーのペルソナや課題、ユーザーの体験を深く考察してサービスを企画検討しました。
サービスの企画の完成後は、設計・開発フェーズにて実際にサービスのアーキテクチャ設計やプロトタイプの作成を進めました。ANGEL Dojo の活動中、自主的に勉強会をしているチームもあり、お互いに切磋琢磨してスキルを高められていました。また、参加者の発案・運営のもと、有志の参加者にて 9 月は毎日技術ブログを投稿するという企画が実施されました。この活動が情報発信の最初の一歩になった参加者も多くいました。参加者の皆様が投稿された記事はこちらをご覧ください。全体を通して、成長のために学び、それを他の方に共有する意識の強い参加者が多かったという印象を受けました。
参加者の皆様の知識を広げていただき、この期間に最大限の成長をしていただくために、AWS Japan からも多くの講義やワークショップをご提供いたしました。講義は「アジャイル・スクラム」や「モブプログラミング」など、チームの開発方法を扱ったものや、「AWS Well-Architected Framework」「Solutions Architect によるライブアーキテクチャレビュー」などのアーキテクチャをより良くするためのものなど、多岐に渡りました。
参加者の皆様の過ごし方
最終発表会にて活動の成果をプレゼンテーション
10 月 10 日にパートナー企業チーム、10 月 11 日にユーザー企業チームと混合チーム(ユーザー企業・パートナー企業の組み合わせ)の最終発表会を開催しました。最終発表会ではすべてのチームに「ユーザーが抱える課題と解決策」「アーキテクチャ」「動くサービスのデモ」を含めたプレゼンテーションいただきました。
最終発表会では、以下の 2 つの賞をユーザー企業部門(ユーザー企業チーム・混合チーム)、パートナー企業部門(パートナー企業チーム)のそれぞれで選定いたしました。
- ANGEL 賞:ビジネス的に優れている / サービス全体の完成度という観点で、参加者および聴講者による投票数で選定
- ベストアーキテクチャ賞: AWS Well-Architected の観点で、AWS Japan の Solutions Architect および Partner Solutions Architect の審議にて選定
ユーザー企業部門 : 12 チームが出場
- ANGEL 賞
- 1 位:ニデック株式会社
- 2 位:ビーウィズ株式会社
- 3 位:清水建設株式会社
- ベストアーキテクチャ賞
- 1 位:株式会社東レシステムセンター
- 2 位:ニデック株式会社
パートナー企業部門 : 7 チームが出場
- ANGEL 賞
- 1 位:株式会社サーバーワークス / 日本電気株式会社
- 2 位:株式会社スカイアーチネットワークス / 株式会社TOKAIコミュニケーションズ / デロイト トーマツ ウェブサービス株式会社
- 3 位: 株式会社ギークフィード / キヤノンITソリューションズ株式会社
- ベストアーキテクチャ賞
- 1 位:株式会社サーバーワークス / 日本電気株式会社
- 2 位: 株式会社ゆめみ / SCSK株式会社
今回の ANGEL Dojo では、発表いただいたすべてのチームがアーキテクチャの説明の中で AWS Well-Architected Framework を前提に、セキュリティや運用についても言及されていました。ANGEL 賞 3 位を受賞された清水建設株式会社チームの発表の中で「とりあえず動くサービスを作るのではなく、安定して動くサービスを作ることを意識した」とお話しされたのが強く印象的でした。すべてのチームが短い期間の中で将来を見据えた継続性の高いアーキテクチャを検討・構築いただいたことに、AWS Japan のメンバーも嬉しい驚きを感じました。
また、生成 AI のサービスである Amazon Bedrock を活用したサービスが 19 チーム中 14 チームもあり、どのチームも新しい技術に積極的にチャレンジされていました。Amazon Bedrock を利用したチームの声をいくつかご紹介いたします。
ビーウィズ株式会社チーム
「ビーウィズでは、Amazon Transcribe を使用して英語の文字起こしに対し、Amazon Bedrock (モデル : amazon.titan-text-express-v1)を活用した個人情報のマスキングテストを実施しました。Amazon Transcribe 自体にも個人を特定できる情報(PII)の編集や識別機能がありますが、今回 Amazon Bedrock を導入することで、より高度で柔軟な対応が可能になりました。初期段階のテストながら、名前のマスキングに関しては期待通りの結果が得られ、成功を収めました。さらに、レイテンシーも非常に低く、リアルタイムでのマスキングが実現できることが確認され、今後の運用に大きな可能性が見えてきました。これにより、より迅速で安全な情報処理が実現し、ユーザーのニーズに応える新たなステップとなりました。」
株式会社東レシステムセンターチーム
「東レシステムセンターでは Amazon Bedrock を使用してサイトの操作方法を教えてくれるブラウザ拡張機能を開発しました。Amazon Bedrock のナレッジベースを用いた RAG 環境の構築が非常にスムーズで、最新の AI モデルにも追従しており、モデルを比較しながら開発できました。また、生成 AI や機械学習のサービスを他の AWS サービスと併用できるため、より高度な機能拡張ができる発展性も感じており、コストと AI の精度や速度のバランスによってモデルを使い分けることも容易だと感じました。操作は非常に直感的で、設定や実装、テストもコンソールからすぐに実行できる点も便利でした。RAG 機能に関しては、学習データの不足を懸念していましたが、実際に試してみた結果、想定よりも精度が非常に高く、期待通りの動作を確認できました。今後、他の AI/ML サービスと組み合わせるなど、様々な分野で活用してみたいです!」
アイレット株式会社・株式会社オージス総研チーム
「アイレット株式会社・株式会社オージス総研チームでは Agents for Amazon Bedrock を使用して、入力から天気情報などを取得し、回答の生成に活用しました。Agents の豊富なカスタマイズ性により、プロンプトの調整やアクショングループの定義を通じて、特定のユースケースに合わせた最適化が可能でした。この開発体験を通じて、チームメンバーの AI 技術に対する理解が深まり、創造的な問題解決アプローチを学ぶことができました。また、 AI ツールの実用的な応用範囲の広さに驚かされ、今後のプロジェクトでの活用に大きな期待を寄せています。」
ANGEL Dojo の活動中にユーザー企業をサポートいただいた内製化支援推進 AWS パートナー
今回の ANGEL Dojo にてユーザー企業の参加者の皆様をサポートいただいた内製化支援推進 AWS パートナー企業は以下の 7 社です。ユーザー企業の参加者のメンターを務め、スペシャリストとしてノウハウを提供したり、相談に乗ったりと、多くのご協力をいただきました。
頂上決戦のお知らせ
最終発表会で各賞の 1 位となった 4 チームには、10 月 25 日の頂上決戦への出場をいただきます。頂上決戦では、各チームが企画・開発したサービスの概要を紹介します。頂上決戦では、各チームが 10 分間のプレゼンテーションを行い、AWS Japan の審査員 3 名により最優秀チームが選定されます。
- ニデック株式会社
- 課題:製造業の企業として工場の棚卸し業務があるが、現在数万〜数十万の製品の棚卸し作業を目視で実施しており、時間や人手がかかっている。また、人によるチェックであるため、ヒューマンエラーが発生する。
- サービス内容:部品入荷時および製品完成時に部品、製品情報を紐付けた BLE ラベルを貼り付け、入荷から出荷まで自動でリアルタイムに管理する。
- 株式会社東レシステムセンター
- 課題:素材メーカーとしてさまざまな事業分野に取り組んでおり、調達・物流なども含む幅広い業務が存在することから、社内サイトが 200 以上もあるが、サイトの操作方法はそれぞれ独自のものであり、利用者は操作に困ることが多い。
- サービス内容:ブラウザの拡張機能を利用して、トレりんというキャラクターがサイトの操作方法を教えてくれる。
- 株式会社サーバーワークス / 日本電気株式会社
- 課題:IT 機器を使うことが苦手な家族が遠方で暮らしており、たまにパソコンの利用方法などを質問されて、回答や状況の把握に苦労する。
- サービス内容:生成 AI が家族からの相談の間に入ることで、問題解決の手助けをする。解決出来ない場合は、相談内容をまとめて家族に共有できる。
- 株式会社スカイアーチネットワークス / 株式会社TOKAIコミュニケーションズ / デロイト トーマツ ウェブサービス株式会社
- 課題:訪日外国人が増える近年、アレルギーや宗教上の理由、ベジタリアンなど、さまざまな理由で食べられない食材があり、それをレストランの店員へ正しく簡単に伝えることが難しい。
- サービス内容:事前に食べられない食材を登録しておき、ピクトグラムを用いて店員へ食べられない食材を簡単に提示できる。
( ※ パートナー企業部門は 「株式会社サーバーワークス / 日本電気株式会社 チーム」が両方の賞で 1 位を受賞されているため、ANGEL 賞 2 位である「株式会社スカイアーチネットワークス / 株式会社TOKAIコミュニケーションズ / デロイト トーマツ ウェブサービス株式会社 チーム」が繰り上げ出場となりました。)
頂上決戦イベントは AWS Japan の YouTube チャンネルにて配信を予定しております。参加者の熱い戦いを是非リアルタイムにてご視聴ください!
開催日時: 10 月 25 日 15:00 〜 16:30
YouTube 配信 URL: https://www.youtube.com/live/22Z2kROOXFI?si=aBqJ5-pqG6ML8f75