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週刊生成AI with AWS – 2024/5/13週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。
AWS Summit Japanはすでに登録いただいておりますか?6月20日(木)-21日(金)の2日間にわたって、幕張メッセで開催される日本最大のAWSクラウドを学ぶイベントです。もちろんそれだけではありませんが、お客様の生成AIに関する関心の急激な高まりを受けて、AWS Summit Japanでも生成AIをコンテンツの柱として設定しています。日本のAWS関係者も、皆さんの学びにつながるようなコンテンツの準備に力を注いでいますので、私としても皆さんが現地に足を運んでいただけることを楽しみにしています。今年の取り組みとしてAWS Villageという、AWSを活用した最新イノベーションの展示・体験エリアが用意されていますので、お見逃しなく。
それでは、5 月 13 日週の生成AI with AWS界隈のニュースをお届けしていきましょう。
さまざまなニュース
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- 医療機関における生成AI活用の取り組みについてのブログを公開
医療分野でのAI活用は、世の中の注目度が高いとともに多くの人にメリットをもたらすことが期待されている分野で、積極的な投資・開発が行われています。AWSブログにて、いくつかのお客様が進めている取り組みについて紹介する記事がポストされました。中には日本のお客様である藤田医科大学様の取り組みも紹介されています。Amazon Bedrockと生成AIを活用して、退院時の業務のひとつである「退院サマリー」の作成に必要な時間を最大90%短縮し、医療従事者の方々が患者さんとのコミュニケーションや個別化されたケアに集中できるようになったというものです。他にもGenomics England様の遺伝子疾患研究や、AlayaCare様の在宅医療従事者への情報提供など、興味深い取り組みが取り上げられていますので、是非ご一読を。 - Amazon BedrockとClaude 3による開発体験ワークショップ(日本語)を公開
Amazon Bedrockの魅力は、「用途に応じて様々なモデルを選び、統一されたBedrockのAPIで呼び出せること」「将来よりよいモデルが登場したら交換が容易なこと」ですが、やっぱり今注目を集めているClaude 3から使ってみよう、と考えるお客様もいらっしゃいます。今回、Amazon BedrockでClaude 3を呼び出すプログラミングを体験するためのワークショップを公開いたしました。基礎編・RAG編・PDF解析編・画像解析編・チャットアプリケーション編などに分かれていますので、興味のあるところから始めて頂けますが、基礎編で共通設定をやりますので最初に基礎編を実施するようお願いします。 - AWSジャパンとして生成AI関係アップデートと取り組みを解説する記者向け説明会を開催
(自分が担当したので若干の手前味噌感があるのですが)AWSジャパンとして、生成AIに関する最近のサービスアップデートや、AWSの生成AIに対するアプローチを説明する、メディア記者の方向けの説明会を開催しました。現時点で掲載いただいたWeb記事へのリンクをまとめておきましたので、良ければご覧ください(記事掲載順で整列)。「週刊生成AI with AWS」もその一環ですが、生成AIは非常に動きが速いので最新情報をお伝えしていく工夫をどんどんやっていきたいと思っています。タイミングを見て、AWSが生成AIに取り組むお客様をどのようにサポートしようとしているかについて、このブログでもご紹介したいなと思っていますので、ご期待ください。- Amazon BedrockがAIモデルの選択肢を拡充、カスタムモデルの取り込みやモデルの評価も可能に(2024年5月16日 IT Leaders)
- AWS、Amazon Qなど生成AIサービスの最新アップデートを紹介 “3層構造”サービス群で支援(2024年5月16日 EnterpriseZine)
- AWSジャパン、生成AI最新情報を発表‒開発者体験を一新する「Amazon Q Developer」など(2024年5月17日 ZDNet Japan)
- Amazon Bedrockに透けるAWSの「冷静」な生成AI戦略、課題は早期の日本語対応(2024年5月17日 日経クロステック)
- 「Amazon Q」をはじめとする生成AIサービスのアップデートをAWSが説明(2024年5月20日 ASCII.JP x TECH)
- AWS、一般提供開始した生成AIサービス「Amazon Q」、および「Bedrock」と今後の戦略を説明(2024年5月20日 INTERNET Watch)
- 医療機関における生成AI活用の取り組みについてのブログを公開
サービスアップデート
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- Knowledge Bases for Amazon BedrockとGuardrails for Amazon Bedrockとのインテグレーションを発表
企業内のデータにもとづいて生成AIの応答をカスタマイズし、ユーザにより適した回答を提供する手法のひとつが検索拡張生成(RAG)です。Amazon BedrockではKnowledge Basesという名前でRAGを容易に構築する仕組みを提供していますが、今回Guardrails for Amazon Bedrockとのインテグレーションが発表されました。Guardrailsはあらかじめ定義されたポリシーに従ってユーザの問い合わせや、基盤モデルからの応答をチェックし、条件に合致する(すなわち、用途を考えると不適切な)ものをフィルタリングすることが可能です。今回発表されたインテグレーションにより、RAGを採用したアプリケーションにおいて、責任あるAI利用を実現するための追加のフィルタリングの実装が容易になりました。 - Knowledge Bases for Amazon Bedrockで推論パラメータのカスタマイズが可能に
上でご紹介したKnowledge Bases for Amazon Bedrockでもうひとつ、機能追加が発表されています。基盤モデルによっては、推論リクエスト(処理リクエスト)時に、パラメータを渡すことができるものがあります。パラメータによって応答の「ランダムさ」の幅を調整したり、応答の長さと関連するトークン数の最小・最大を制限したり、といった調整が可能です。今回、Knowledge Bases for Amazon Bedrockからも、こういったパラメータを指定できるようになり、開発者が望んだユーザ体験を提供するために基盤モデルの応答をカスタマイズできるようになりました。 - BottlerocketがNVIDIA Fabric Managerをサポート
コンテナを実行するために設計されたLinuxベースのOSであるBottlerocketが、NVIDIAのFabric Managerに対応しました。高度な機械学習モデルのトレーニングに必要な計算リソースは急激に増加しています。これに対応するためには複数のGPU全体を活用することが有効なアプローチのひとつで、Fabric Managerはそれを可能にするテクノロジーのひとつです。今回BottlerocketがFabric Managerをサポートしたことにより、Bottlerocketを利用してモデルのトレーニングを行っているお客様が、P4/P5インスタンスでの複数GPUによる高速なトレーニング処理を実行できるようになりました。 - AWS HealthImagingがDICOM Part 10データの取得に対応
医療関係者と、そのソフトウェアパートナーが膨大な医療画像を保存・分析・共有できるようにするサービスがAWS HealthImagingです。今回、HealthImagingが医療画像の標準規格であるDICOMのうち、Part 10によるデータ取得に対応しました。DICOM Part 10で規定されるデータ形式を利用するシステム間での相互運用性が向上する、AI/ML分野での研究開発に便利な機能です。
- Knowledge Bases for Amazon BedrockとGuardrails for Amazon Bedrockとのインテグレーションを発表
ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)