Amazon Web Services ブログ
APNパートナーLemongrassのMiCloudによるSAPを中心とした組織の変革
AWSでSAP専門のパートナー ソリューション アーキテクトを務めるJohn Studdertによる記事です。
SAPは世界中の大企業の中枢を担うミッションクリティカルなソフトウェアを提供していることで知られています。私たちのお客様の多くは、重要なSAP本稼働システムをAmazon Web Services (AWS)上で長年にわたって運用してきました。
AWS Partner Network (APN) アドバンスドコンサルティングパートナーでAWS SAPコンピテンシーを保有するLemongrassは、2010年以降、SAP on AWSだけに注力しています。お客様の移行と構築作業において一貫して大きな成果を上げており、さらにMiCloudアプリケーションスイートによるマネージドサービスを提供しています。
MiCloudは、Lemongrassが自社開発したAWSガバナンスプラットフォームであり、以下を可能にします:
- 起動/停止コックピットによるアプリケーションユーザーのセルフサービス
- 自動化、タスク構造化、ナレッジ共有によるアジャイル操作
- モバイルデバイスの監査、チェック、コスト透明化によるガバナンス
- RAID*手法によるグローバル、プロジェクトをまたがるアジャイルプロジェクト
*リスク(Risk)、前提条件(Assumption)、課題(Issue)、依存関係(Dependency) - 貿易プラットフォームにおける部品構成表の最適化
Lemongrassが提供するMiCloudの機能
これらのアプリケーションのいくつかは、一般的なSAPの悩みを軽減し、自動化するのに役立つよう設計されています。MiCloudを通じて、非本稼働システムの有効性をユーザー自身で管理し、Lemongrassに直接問題を提起し、フィードバックや提案をすることができます。起動/停止機能を使用して、スケジュールされた時間にシステムを自動的に停止することができます。
お客様は、モバイル・コスト・アプリにより正確な最新のAWSインフラストラクチャ・コスト情報を入手し、AWSの利用状況を微調整してコストを削減することができます。
より詳細な例として、SAP顧客の古典的な悩みには、日常業務として信頼性の高いシステムを維持しながら、SAPランドスケープの本稼働環境に開発、テスト、そして変更をプッシュするために必要な時間があります。これに対応するために、Lemongrassが大手ソフト飲料企業向けに開発してMiCloudに追加した高速で自動化されたシステムコピー機能が、オペレーティングシステムとデータベースレベルのコピー時間を大幅に短縮します。私たちの“This Is My Architecture”ビデオシリーズの一環で、これについてLemongrassが論じているのを観ることができます。
MiCloudはAmazon Machine Image (AMI)の作成を使ってシステムコピーを実行します。MiCloudポータルを使用することで、お客様は、例えば、本番機から新しいテストシステムを作成するシステムコピーを実行するように要求することができます。これによって、より品質の高いテストが可能になります。
図 1 – MiCloudはソース環境とは分離された一時的なAmazon VPC内にAMIを起動します
ソースシステムでダウンタイムが発生しないようにするため、ソース環境とは異なる一時的なAmazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC)でAMIを作成して起動します。ここは、AWS Systems Managerで構成された自動化ツールにより、ホスト名の変更などのインフラストラクチャの特性を更新する環境です。別のAMIが作成されて、ターゲット環境で起動します。この時点で、お客様は典型的なSAPポストコピー処理のステップを実行することができます。
エンドツーエンドで、MiCloudは、システムのサイズに応じて、数日かかっていた作業を数時間に短縮します。その結果、このアプローチに基づくシステム全体のリフレッシュが大幅に加速されます。これにより、テストシステム作成にかかるダウンタイムを短縮でき、システムのリフレッシュが頻繁に行えるため、テストの品質を向上できます。
最後に、信頼性への影響を少なくして、より迅速にSAPランドスケープを通じて変更をプッシュできるようになります。
次のステップ
より詳細な情報を知りたい場合は、Lemongrassのウェブサイトを訪問してください。
AWS上でSAPを稼働するための詳細な情報については弊社のウェブサイトを参照いただき、質問がある場合はSAP-AWS@amazon.comまで電子メールでお問い合わせください。
This is My Architecture ビデオ
翻訳はPartner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。