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SAP HANA Dynamic Tiering – AWSクラウド上で検証済み、およびサポート開始

この記事は、Amazon Web Services(AWS)でSAP Solutions Architectを務めるSomckit KhemmanivanhとRahul Kabraによるものです。

私たちは、パートナーであるSAP社と緊密に連携しており、AWSクラウド上でのSAP HANA Dynamic Tieringを検証してきました。AWSがSAP HANA Dynamic Tieringのプラットフォームとしてサポートされたことを発表でき、非常に嬉しく思います。SAP HANA Dynamic Tiering Product Managerを務めるCourtney Claussenの発表もご覧ください。ここでは、Dynamic TieringとAWS上での活用におけるメリットについて詳しく説明します。

SAP HANA Dynamic Tieringにより、SAP HANAデータベースは、Dynamic Tieringのサービス(esserver process)を稼働している別の専用ホスト上にウォームデータを格納できるようになります。Dynamic Tieringを使用すると、ウォームデータを格納して処理するためのマルチストアおよび拡張テーブルを作成できます。

Dynamic Tieringには以下の3つの大きなメリットがあります:

  • 頻繁にアクセスされない古いデータを統合ディスク層にオフロードできます。
  • 優れたパフォーマンスでディスク層のデータにアクセスできます。
  • SAP HANAシステムの総所有コスト(TCO)を大幅に削減します。

Courtney Claussenが、少し前にDynamic Tieringの非常に魅力的なユースケースについてのブログ記事を公開しています。電力・公益事業のお客様の請求処理の一環として、500万レコードが処理されました。これらのレコードは、SAP HANAだけで実行しているときには53分で処理できました。このベースラインが確立された後、500万レコードの25%をDynamic Tieringのマルチストアテーブルに移行しました。その結果、テーブル行の75%がSAP HANAに配置され、残り25%がDynamic Tieringに配置されます。請求処理を再度繰り返した結果、合計実行時間は58分、つまり実行時間はわずか10%の低下に留まっており、これは大幅な低コスト化をしつつ、ほぼ同等の性能を実現できることを意味します。

これらの驚くべき結果とお客様からのフィードバックが、SAP社と緊密に連携してAWSクラウド上のSAP HANA Dynamic Tieringを検証する動機になり、現在、AWSのお客様はこのサービスのパフォーマンス、コスト削減、および今後のイノベーションの恩恵を受けることができます。

AWSでは、認定されたSAP HANAシステム(244 GiB RAMから最大4 TiB RAMまでの範囲)を小規模から始め、要件の変更に応じて規模を拡大することができます。同様に、Dynamic Tieringでも、ニーズ、ワークロード、ユーザー、およびトラフィックパターンの変更に応じて、小規模から始めて容量を追加していくことができます。例えば、4 TiBのSAP HANAシステムを使用している場合、私たちが検証済みの488 GiBシステム(512 GB RAMに相当)などの小さなDynamic Tieringシステムで始めることができます。CPUまたはRAM、あるいはディスク容量やIOPSのいずれかがさらに必要になった場合には、Dynamic Tieringシステムを中規模にスケールアップし、最終的には大規模な構成にすることができます。以下の図は、小規模なDynamic Tiering構成を持つ4 TiB SAP HANAシステムを表しています。

SAP HANA with dynamic tiering on AWS

以下は、SAP HANA Dynamic Tieringシステムを拡張するための選択肢の表です。


この柔軟な拡張性により、パフォーマンスを最適化し、コストを削減し、SAP HANAシステムを可能な限り拡大することができます。

前提条件、サポートされるバージョン、その他の制約など、AWS上でのDynamic Tieringのサポート詳細については、SAP Note #2555629をご覧ください(SAP Service Marketplaceのログインが要求されます)。

ご質問やご意見がありましたら、お気軽にお問い合わせください。ありがとうございました!

– SomckitとRahul

翻訳はPartner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。