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米大統領選までのカウントダウン──米国のNPOは、AWSクラウドを活用し有権者登録や郵便投票など「投票者エクスペリエンス」を劇的に向上
有権者の登録と教育、投開票支援補助員の勧誘
【1】数百万人単位の新規有権者登録を支援
Democracy Works (DW) は、無党派のNPOです。彼らは、選挙インフラのアップグレードに必要なツールを構築し、有権者や選挙関係者の「投票者エクスペリエンス」を向上させようとしています。「Democracy Works」 のフラッグシップ・ツールである「TurboVote」は、有権者が登録し、登録を維持し、自治体から全国レベルまで、あらゆる種類の選挙で投票用紙を投じる体験(=「投票者エクスペリエンス」)の質の向上に役立ちます。
TurboVote のユーザーが最初の 100 万人に到達するまでに 「Democracy Works」は 5 年間を擁しましたが、2018 年だけで 500 万人もの記録的な数の新規ユーザーを獲得し、これらのマイルストーンはAWS を利用して達成されました。2020年11月の大統領選挙・上院/下院議員選挙までのリードタイムにおいては、TurboVote は 1 週間で数百万人もの申請者の処理を遅滞なく処理する準備が整っています。Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) と Amazon DynamoDB により、オート・スケーリング可能なため、TurboVote は最もアクセスが集中する場合でも何万人ものユーザーに同時に対応することができる一方で、こうした単一目的のための”専用”のインフラストラクチャへの費用を 1 年中支払う必要はなく、必要な時に、必要な分のリソースをオンデマンドで「使用」することができます。
【2】未曾有の郵便投票を見越し、50万人規模の投開票補助員を勧誘
「Democracy Works(DW)」が共同設立した無党派連合である Civic Alliance を通じて、2020年11 月に向けて安全で確実な選挙を支援する 「25 万人もの新規の投票所での投票所運営サポーターの勧誘」を支援しています(訳注:日本語版ブログの翻訳作成の同年10月7日時点では、この数字は”50万人”にまで急増しています。米国では、民主主義の礎として選挙を重視し、伝統的に市民ボランティアが投票所運営に関与します。今回の選挙では「Sanitize voting equipment / Enforce social distancing」など、コロナ禍ならではの補助業務が求められています)。 今後、DW は投票用紙を郵送で送る「郵便投票」の利用者が未曽有のペースで増えると予想しているため、選挙補助ツールの対応範囲を拡大する予定です。
【3】郵便投票の”現在地”を追尾
DW の Ballot Scout では、全国の選挙当局と協力して、インテリジェント・メールのバーコード読取りによるメール追跡を行うことで、管理者と有権者の両方があたかも Amazon の商品パッケージのようにすべての投票用紙を追跡することができます。バージニア州などは「 Ballot Scout」 と連携し、郵便投票に対する投票者の信頼を高めています。
【4】モバイル端末を駆使する若年層を投票へ駆り立てる
「Rock the Vote」 は米国で最大の無党派NPOの 1 つであり、若年層を投票に駆り立て、AWS クラウドで登録プラットフォームとサービスをホストしています。同団体の投票者登録プラットフォームは、全国の有権者および協力組織にとって有権者登録を容易にするための無料のオープンソース・ソリューションです。「Rock the Vote」 のプラットフォームを AWS クラウドに移行したことで、モバイル化が進む社会に対してスケーラビリティを圧倒的に向上させ、AWS が世界中で提供しているセキュリティ観点での堅牢なサービスとアプローチを実現しました。
アマゾン ウェブ サービス (AWS) の公共部門担当副社長である Teresa Carlson は、「クラウド・テクノロジーとオープンデータ、オープン・スタンダード、オープンソース開発を組み合わせることは、選挙管理における画期的なゲーム・チェンジャーとなります」と、述べています。「AWS クラウドの拡張性と安全性が高いインフラストラクチャを活用することで、Rock the Vote は革新的な有権者登録サービスの水準を引き上げる(Raise the Bar)ことができます。」
【5】不在者投票の機会拡大を補助
同じく非営利団体である「U.S.Vote Foundation (US Vote)」 は、米国市民が、国内または国外のどこにいても、不在者投票の権利を享受するべく支援を行っています。2005 年に Overseas Vote として設立されたこの財団は、米国初の包括的なオンライン投票者サービスサイトを開発および立ち上げ、登録、投票リクエスト、および米国”外”に滞在する有権者向けの情報を提供しています。これには、軍人、海外政府に出向中の職員、海外に住む米国市民などが含まれます。
「US Vote」 は、投票に向けた事前登録、各州固有の不在者投票リクエストのための手続き、および幅広いレンジでの情報提供を行います。AWS クラウドは、「US Vote」 が必要とする柔軟性・拡張性・信頼性を提供します。
「キャパシティの面で非常に迅速に、かつ自動でスケールアップおよびスケールダウンできます」と、U.S. Vote の社長 兼 最高執行責任者であるSusan Dzieduszycka-Suinat 氏は述べています。「”投票”が実際に終わるまでの全タイムラインにおいて、このサービス(=不在者投票についての情報検索等)に対するトラフィックは大きく変動します。夏になると積み上がり、秋に頂点を記録し、投票日の後には急落します。これは、ユーザーの需要とコストという点でユニークな動態です。」
AWS を使用することで、「U.S. Vote」 は、必要に応じてインスタンスをスケールアップおよびスケールダウンすることで、コストをより適切に管理できます。チームは、信頼性を高めるために、複数のアベイラビリティーゾーンで Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) を使用しています。また、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)、Elastic Load Balancing、および Amazon Simple Email Service (Amazon SES) も利用しています。
【6】党派に偏りの無い”選挙・候補者情報”の提供
1920 年以来、「League of Women Voters (LWV)」 は、有権者教育とアドボカシー活動を通じて、米国の政府システムを改善し、公共政策に影響を与えることを目指してきました。「LWV Education Fund (LWVEF)」 はウェブサイト VOTE411.org を運営しており、党派に偏りのないの選挙関連の情報を国民に提供しています。選挙に特化したウェブサイトである Vote411.org は、連邦選挙の予定される年には、投票日までの期間中、大量のアクセスの急増・急減を絶えず経験するという意味で、非常にクラウドに適合的なワークロードを持つサービスであると言えます。
「LWVEF」 のシニアディレクターである Jeanette Senecal は次のように述べています。「クラウドへの移行を選択すべきことは、明白でした。AWS は、まさに私たちが必要とするものでした。シームレスに拡張できるホスティング・ソリューション、それがAWSだったからです。」
【7】小規模NPOのウェブサイトのセキュリティを向上
カリフォルニア州の「League of Women Voters (LWV)」のコミュニケーションマネージャーである Elizabeth Leslie は、次のように述べています。「AWS が私たちのサイトの運営・維持をサポートし、おかげでカリフォルニア州および全国の何百万人もの有権者にサービスが提供できたことに私たちは感謝しています。AWS は、小規模なNPO(非営利組織)である私たちのすべてのウェブサイトに安全なクラウドサービスを提供し続けてくれています。AWSのおかげで、2020 年の選挙シーズン中に支援を求める多くの有権者に安全なサービスを提供し続けることが出来ています。こうした技術貢献は、市民参加を奨励し、私たちの民主主義を繁栄させるでしょう。」
【8】実際の投票率を上げる
Vote.orgは、アメリカで最も利用されている無党派の有権者登録サービスの一つであり、「get out the vote (GOTV)」 運動を加速するためのプラットフォームです(訳注:GOTVとは、投票率そのものを上げるためのキャンペーンを指します)。Vote.org は 450 万人以上の有権者を登録し、1,030 万人の有権者の登録ステータスを検証し、登録リンクやその締め切り、投票場所の詳細など、州ごとに重要な投票情報を提供することで、3,900 万人以上のウェブサイトユーザーを支援しています。2020 年には、Vote.org は 2018 年に提供した人数の 12 倍のユーザーにサービスを提供し、発展の軌道に乗っています。この組織は、11 月の大統領選挙で 500 万人以上の”本来ならば投票に出向かない”と見込まれた有権者を投票に向かわせることを計画しています。Vote.org は 2015 年の設立以来、AWS でホスティングされています。Vote.org は、立ち上げ前から、AWS のテクノロジーと人材を活用して、黎明期から必要だったスケールとセキュリティを構築しました。開始以来、Vote.org は AWS Well Architected フレームワークに従うように尽力し、Amazon S3、Amazon CloudWatch、Amazon GuardDuty、Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS)、AWS Lambda、AWS CloudFormation、AWS CloudTrail、および AWS Shield など幅広い種類の AWS のサービスの利用と並行し、同団体のミッションを拡大しています。
【9】大統領選~地方選も包括したデータベースを提供
BallotReady は、あらゆる選挙キャンペーン、あらゆる投票行動にとり重要な情報取得のための、自由かつ無党派的な情報源を網羅的に提供しています。クラウド上のリレーショナルデータベースである「Amazon RDS」 により享受可能となるセキュリティと信頼性を活用して、あらゆるレベルの”政治”に関する最も包括的なデータベースを同団体は提供しています。2020 年の連邦選挙 ── 有権者が投票用紙を要求し、投票場所を見つけ、必要な情報に基づいて投票する歴史的な大統領選挙 ── において同団体は、”5,000 万人”のユーザーに役立つ情報提供を行うという数値目標を掲げています。2015 年に設立された BallotReady は全米科学財団、Knight財団、シカゴ大学から資金援助を受けています。2018 年には、BallotReady は全国でライブ配信され、95,000 人の候補者を網羅し、サイトへの訪問者は 780 万人を超えました。BallotReady は、AWS Lambda のサーバーレスアーキテクチャから、ただちに Amazon RDS レプリカを効率的に起動する機能など、AWS 上で構築されています。
BallotReady の 最高経営責任者 (CEO) である Alex Niemczewski は次のように述べています。「AWS 上で構築・運用したおかげで、他の方法では不可能な方法で投票日に必要とされる”圧倒的な規模のリソース需要”への対応を行うことができました。セキュリティに重点を置いた AWS 製品の幅広さ、ならびにアカウント管理チームと無数のリソースにより、ユーザーのサポートと信頼を維持できました。AWSは、有権者に対して効果的な通知をし、投票率を高めるためのプラットフォームとツールを構築する我々のようなNPOにとって、不可欠です。」
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さらなる詳細な情報については、特設サイト:選挙キャンペーンにおいても活用されるAWS (Elections on AWS)をご覧ください。AWSの選挙関連ビジネス部門のリーダーであるMichael Jacksonが担当する17分間のWebinar「選挙管理者、政治運動、市民団体が AWS を使用して投票者エクスペリエンスを向上させる方法 」をご覧ください。併せて、Fix This ポッドキャスト/ Spotify のエピソード #23 をチェックしてください(リンクはこちら)。
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このブログは、 AWS Public Sector Blog Teamによる英語原文のBlog投稿をもとに、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 パブリックセクター 統括本部長補佐(公共調達渉外担当)の小木郁夫が翻訳・監修を担当しました。
今後ともAWS 公共部門ブログ(英語版)で AWS の最新ニュース・公共事例をフォローいただき、併せまして、日本の公共部門のメンバーが執筆した過去の投稿(日本語)に関しても、ぜひご覧いただければ幸いです。