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Generative BI ダッシュボード作成機能が Amazon QuickSight Q のお客様向けにプレビュー版でご利用可能になりました
2023 年 10 月 6 日現在、今回ご紹介する機能は、英語が標準言語となっております。
Amazon QuickSight のお客様は、Amazon QuickSight Q の自然言語インターフェイスを使用して、ビジュアルの作成、計算の構築、およびビジュアルの改良を行う Generative Business Intelligence (BI) 機能をプレビューでお試し頂けるようになりました。たとえば、Q に “show me count of orders in 2023 by city as a map” (2023 年の都市別注文数を地図上に表示して) と尋ねると、すぐに 2023 年でフィルタリングされたフィールドの注文数が地図上で地理的に視覚化されます。QuickSight 計算エディタで “sales year over year” (前年比売上) と入力すると、すぐに正しい計算関数と売上のデータフィールドを含む QuickSight 表現が作成されます。また、 “change to table, add discount, and highlight discount > 10% blue” (テーブルを変更、割引を追加、割引が 10% 以上の場合青色で強調表示)というコマンドを使用して可視化を調整すると、可視化結果はテーブルに変換され、割引のためのフィールドが追加され、割引が 10% を超える値に条件付き書式が適用されます。これらの Generative BI 機能はダッシュボードの構築を加速し、QuickSight 作成者の時間を節約します。
これらの新機能は、2023 AWS New York Summit で発表 された Generative BI 機能の第一弾です。これらは Q の自然言語クエリに関する AI イノベーションを基盤としており、2020 年以来ビジネスユーザーが SQL クエリを作成したり BI ツールを学んだりすることなくデータに対して質問することを可能にしてきました。QuickSight の Generative BI は、Amazon Bedrock の大規模言語モデル (LLM) を利用しており、AWS 環境内でデータを安全に保持できます。
QuickSight Q でビジュアルを数秒で構築
ビジネスアナリストがより迅速にデータを分析してダッシュボードを構築できるよう、我々は Q の自然言語機能を調整しました。望まれる結果をほんの数単語で表現し、ビジュアルを作成することに注力しました。これによりビジネスアナリストは、どのフィールドを選択するか、どのフィルターを追加するか、どのビジュアルタイプを選択するかについて考える必要なく、目の前のタスク(例えば、2023年の売上を月単位で視覚化する)に集中することができます。BI での手動のポイントアンドクリックの手順は自然言語クエリに置き換えられ、不要となりました。
ダッシュボード作成インターフェース上での新しい Ask Q to build a visual では、アナリストはデータフィールド、データ値、使用するフィルター、実行する操作、使用するビジュアルタイプを質問することができます。
たとえば、“show me count of orders in 2023 by city as a map” (2023年の注文数を都市別に地図で表示して) という質問に対して、Q はフィルタされたマップをすぐに作成します。”sales of contactmatcher vs alchemy by month“ (コンタクトマッチャーとアルケミーの月別の売上を比較して) と質問された際はコンタクトマッチャー
とアルケミー
という製品を比較する折れ線グラフを作成し、“forecast sales of contactmatcher by month.” (コンタクトマッチャーの売上を月ごとに予測して) と質問された場合は予測を作成します。
また新しいビジュアル作成インターフェイスでは、ビジネスアナリストが他にどのような質問ができるかを確認できるように、質問のサンプルを提案する機能や、特定のデータ値を見つけるために役立つ先行入力の機能も用意されています。ビジネスアナリストを支援するため、Q は “top products” (トップ製品) などの漠然とした質問に対して最も適切と考えられる視覚化で回答し、質問をどのように解釈したかを説明します。例えば、Q は “top products” (トップ製品) を “total sales by product” (製品別の総売上高) と解釈し、作成者の質問に対して複数のデータが一致する可能性がある場合は、Did you mean … セクションに代替の質問を表示します。Q は、QuickSight で設定された行レベルのセキュリティルールを尊重しながら、作成者がデータ中の特定の値やフィールド名を発見、選択できるようにするため、オートコンプリート機能も活用します。
ビジネスアナリストは Add to Analysis オプションを使用して、作成中のダッシュボードにビジュアルを追加する前にビジュアルタイプの変更やビジュアルへの予測の追加を容易に行えます。
複雑な計算を簡単に構築
ほとんどのビジネスアナリストにとって、計算は BI トレーニングの中で最も複雑で困難な作業であり、数か月から数年の経験を必要とします。ビジネスアナリストは QuickSight の新しい Generative BI 計算エディタを使用し、簡単な英語で求める結果を記述することで QuickSight 表現を構築し、複雑な計算を数秒で実行することができます。
計算エディタのインターフェイスの新しい Build for me オプションでは、計算に追加するデータフィールドが自動的に選択され、すぐに使用可能な表現が生成されます。例えば、“rolling 7 day average order count” (注文数の 7 日間移動平均) というプロンプトでは、windowAvg(count({Order ID}),[{Order Date} DESC],7,0,[]) という 計算フィールド を作成できます。自然言語から計算を生成することで、ビジネスアナリストは参考資料を調べたり、同僚に尋ねたり、あるいは単に試行錯誤に費やしたりする時間と労力を節約できます。
即座にビジュアルを改良し整える
説得力のあるダッシュボードの作成のためには、多くの場合、ビジネスアナリストチームが何時間もかけてビジュアルの調整と改良を行い、多くのポイントアンドクリックの手順でビジュアルのプロパティを変更し、組織に適する表示形式を実現する必要があります。QuickSight の Generative BI 機能により、ビジネスアナリストは自然言語のプロンプトを使用してビジュアルをカスタマイズし、特定の表示形式を実現できるようになりました。ビジュアルのカスタマイズは Build for me のプロンプトで指定することができ、さらに多くのビジュアルの編集作業を迅速に完了するために、1 つのプロンプトに複数のカスタマイズを含めることも可能です。
今回のプレビュー中は以下のカスタマイズがサポートされ、一般公開時にはさらに多くのカスタマイズがサポートされます。
- ビジュアルタイプの変更 (例) “change to bar chart” (棒グラフに変更)
- 軸名やテーブル列名の変更 (例) “rename Y axis to Account Manager” (Y 軸の名前をアカウントマネージャーに変更)
- データズームの表示または非表示 (例) “show data zoom”(データズームを表示)
- ビジュアルまたは特定のフィールドウェルへのフィールドの追加 (例) “add profit” (利益の追加)
- ビジュアルのソート方法を変更 (例) “sort by sales descending” (売上の降順でソート)
- 条件付きフォーマットを適用 (例) “make profits < 0 red” (利益が 0 未満である場合に赤にする)
使用可能なカスタマイズオプションの一覧については、ドキュメントを参照してください。サポートされる機能が増えた場合にはこちらの一覧が更新されます。
あなたのデータは、あなたの手元で、あなたの管理下に
Generative BI 機能は特別なタグ付けやトレーニングなしに自動的に言語を理解し、あらゆるデータを処理します。また、ビジネスや組織のコンテキストを追加することで、Q のデフォルトの振る舞いを変更し、Q が特定の単語をどのように解釈するかを制御することができます。たとえば、同義語として他の名前をフィールドにマッピングしたり、“who” (誰が) 、“where” (どこに)、“how many” (何人で) などといった漠然とした質問に答える際の最適なフィールドを選択したりすることが可能です。QuickSight と Amazon Bedrock で使用されるお客様のデータは、サービスの向上には使用されず、サードパーティのモデルプロバイダーと共有されることもなく、転送中および保存中は暗号化されます。
QuickSight の Generative BI 機能を体験する
今回のプレビューは、US East (N. Virginia) および US West (Oregon) リージョンの Q アドオンを使用するすべての QuickSight アカウントでご利用可能です。
もし現在 Q をご利用でない場合は、無料トライアルから開始することができます。このプレビューを有効にするための手順は、QuickSight の作成者が QuickSight のプレビューマネージャーから Generative BI for QuickSight Authors オプションを選択することのみです。
AWS では現在、Amazon Bedrock の基本的な使用を含む、これらのプレビュー機能の使用に対しての課金は行われておりませんが、お客様が使用するその他の AWS サービスで発生する料金はお客様の負担となります。これらの AWS サービスの使用には標準の料金が適用されます。
翻訳はソリューションアーキテクトの守田が担当しました。原文はこちらです。
著者について
Zac Woodall は、Amazon QuickSight の AIML 担当プリンシパルプロダクトマネージャーです。彼は Amazon QuickSight の AIML 機能のプロダクトリーダーとして、AI を改善して製品の簡素化を容易にし、データによりアクセスしやすくしています。彼は、AWS に入社する前は、スタートアップ、Tableau、Microsoft に勤務し、世界で最も使用されているエンタープライズソフトウェアやコンシューマー向けソフトウェアを 24 年間開発してきました。
Jose Kunnackal は、AWS のクラウドネイティブなフルマネージド BI サービスである Amazon QuickSight の製品管理担当ディレクターです。彼は Motorolaでキャリアをスタートし、通信システムやファーストレスポンダーシステム向けのソフトウェアを開発しました。その後、Trilibis Mobile でエンジニアリングディレクターを務め、AWS サービスを使用して SaaS モバイルウェブプラットフォームを構築しました。彼は、クラウドテクノロジーの潜在力により顧客がデータを最大限に活用できる可能性に興奮しています。