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SAPアプリケーションの信頼性と可用性の確保

この記事は、Syntax社でVice President Solutions Architectureを務めるChris Pomeroy氏によるゲスト投稿です。

最近の調査では、回答者の47%が、クラウド上でSAPアプリケーションを稼働することが自社のIT戦略の重要な部分である、と述べています。お客様のビジネスにおいてSAPワークロードのクラウド移行を検討しているのであれば、次のトピックに関する質問を持っているでしょう。

  • セキュリティ—クラウドでのセキュリティの選択肢は何ですか?
  • 信頼性と可用性—クラウドでの可用性はどのように最適に設計しますか?
  • コンプライアンスとガバナンス—クラウドでどのように実現しますか?
  • コスト—クラウドの価値はどのように比較しますか?
  • 戦略—クラウド戦略はありますか?

最大可用性アーキテクチャでクラウド基盤を構築

多くの企業にとって、システムの可用性と信頼性の確保は優先事項です。とにかく、これらのシステムはビジネスにとって重要であり、これがマネージドクラウドソリューションの人気につながっています。マネージド型のクラウドは、ITインフラストラクチャの単一障害点を排除するために、高可用性を中心に設計されています。

クラウドに移行すると、ソフトウェアの管理、ハードウェアの保守、データのバックアップに必要なリソースのコストを削減できます。代わりに、クラウドベンダーとクラウドサービスプロバイダーは、サービスレベル契約 (SLA)の一部として一貫した監視とサポートを提供することにより、稼働時間と可用性の責任を負います。

SAPワークロードをAWSクラウドに移行して稼働すると、リスクを軽減することもできます。例えば、複数のAWSリージョンを使用することで、単一障害点を排除するために世界中の複数の場所にデータを保存できます。SAP HANAシステムレプリケーションは自動テイクオーバーを提供します。つまり、サービスが中断した場合に、プライマリシステムからセカンダリシステムに自動的に切り替えることができます。

このプロセスでは、仮想ホスト名が使用されるため、HAフェイルオーバーが発生したときにユーザーと技術コンポーネントは何も変更する必要がありません。HAフェイルオーバーイベント中に、SUSE Linux OSのクラスターソフトウェアは、HanaSRエージェントと関連するOSコマンドを使用してテイクオーバーを開始します。フェンシングは、ネットワーク障害が発生した場合のクラスターのスプリットブレインの問題を回避するように構成されています。

信頼性の観点から、ABAP SAP Central Services (ASCS)はエンキューの複製と自動フェイルオーバーを可能にします。ボリュームのスナップショットとイメージは別のリージョンに複製され、動的な共有ストレージとしてAmazon Elastic File Systemを使用します。これは、最大可用性アーキテクチャ (MAA)とも呼ばれます。

This is an image of an architecture diagram showing a production region in North Virginia with two availability zones and a secondary region running S3 in Oregon.

図1: Syntaxの最大可用性アーキテクチャを表示

クラウド環境の効率性向上

もう1つの一般的なお客様の関心は、コストとリソースの観点から可能な限り効率的に利用することです。

Syntaxでは、これを「適切なサイジング」環境と呼んでいます。私たちは、コンサンプション、ストレージ、コンピューティングを評価し、AWSサービスとインフラストラクチャを考察するお手伝いをします。それから、ビジネスニーズを満たす最適な使用法に関する推奨事項を作成します。SAP on AWSのクラウド準備対応またはアーキテクチャ設計のセッションを提供しています。

クラウドリソース使用量の管理

さらに、企業にとって社内のセルフサービスクラウドポータルを提供することも重要です。これにより、従業員は複数のクラウドサービスにアクセスでき、各プロジェクトや部門にチャージバックするリソース使用量を自動的に計算できます。これは、予算編成やコンプライアンス目的の監査証跡の構築に非常に価値があります。

Syntax: 固有のビジネスニーズに合わせてクラウド移行を最適化

Syntaxは40年以上の経験を持ち、AWSとSAPにまたがった専門知識と認定を受けた大規模な独立系ERPサービスプロバイダーです。Syntaxは、クラウド移行、ホスティング、管理サービスを含む、フルスイートのSAPと隣接するワークロードをサポートします。Syntaxは、AWSアドバンスドコンサルティングパートナーかつSAPゴールドパートナーであり、200以上の認定と認証を受けています。

Syntaxのサービスとツールは、SAP移行プロジェクトを正常に開始、および実行するのに役立ちます。

  • Syntax Enterprise Care® は、AWS環境の可視性を提供する高度な監視とアラートツールです。これを使用して、インフラストラクチャ、災害復旧 (DR)とバックアップ、レイテンシー、データベース、ログを監視したり、技術的な切り離しや堅牢なアラート機能を利用したりできます。
  • Syntax Cloud Portalを使用すると、すべてのSAPインフラストラクチャとリソースを1か所で追跡して、効率を最大限に高めることができます。

詳細については、ホワイトペーパー「Migrating Mission-Critical SAP Applications to AWS (英語)」をご覧ください。

翻訳はPartner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。