Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2024/11/25週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。

いよいよ今週はAWS re:Inventです。
様々なセッションが予定されています。オンラインで視聴できるものもあるので、皆さんぜひチェックしてください。
週刊AWSも次回はre:Invent 特別号を予定しています!

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2024年11月25日週の主要なアップデート

  • 11/25(月)
    • Request future dated Amazon EC2 Capacity Reservations
      Amazon EC2 キャパシティ予約が将来日付のリクエストをサポートしました。これにより将来の利用予定に対して特定アベイラビリティゾーンのキャパシティを予約し安心して利用することが可能になります。この機能はすべてのAWS 商用リージョン、AWS 中国リージョン、および AWS GovCloud (米国) リージョンで追加費用なしで利用できます。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon EC2 Capacity Blocks now supports instant start times and extension
      Amazon EC2 Capacity Blocks for MLに3つの機能が追加され、より柔軟なGPUやMLチップの確保が可能になりました。今回の機能追加により、Capacity Blocksを即座に開始し数分でGPUやMLチップをプロビジョニングできるようになった他、Capacity Blocksの拡張することで想定以上の消費に備えることも可能になりました。そしてもう一つはCapacity Blocksの有効期間を延長し最大6ヶ月間プロビジョニングすることが可能になります。Amazon EC2 Capacity Blocksは米国東部 (バージニア北部、オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、アジアパシフィック (東京とメルボルン) の P5e、P5、P4d、Trn1 インスタンスで利用できます。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon S3 adds new functionality for conditional writes
      Amazon S3で、更新前にオブジェクトが変更されていないかどうかを評価する条件付き書き込みを実行がサポートされました。これにより同じオブジェクトに対する同時書き込みを調整し、書き込み競合による誤った上書きを防ぐことができます。この機能はHTTP if-match条件ヘッダーを介してオブジェクトのEtagに対して一致評価を行うことで実現します。この機能はすべてのAWS リージョンで追加料金なしで、AWS SDK、APIまたはCLIを介して利用可能です。詳細についてはドキュメントをご確認ください。このリリースと同時にバケットポリシーで条件付き書き込みを義務付ける機能もリリースされていますので、そちらもチェックしてみてください。
    • AWS Cloud WAN simplifies on-premises connectivity via AWS Direct Connect
      AWS Cloud WANがAWS Direct Connectとの直接接続をサポートしました。これまではDirect Connectでオンプレミスネットワークと接続するにはAWS Transit Gatewayが必要でした。今回の統合により接続がより簡単になります。今回の統合によるCloud WAN Direct Connect アタッチメントでは、BGPを使用したAWSとオンプレミスネットワーク間の自動ルート伝達のサポートが追加されています。この機能は当初は11の商用リージョンで利用可能です。東京と大阪は現時点では未対応な点ご注意ください。また、Direct Connect アタッチメントの料金は他のCloud WAN アタッチメントと同じです。詳細についてはドキュメントの他、こちらのブログもご確認ください。
    • Amazon Q Developer now transforms embedded SQL from Oracle to PostgreSQL
      Amazon Q Developer in the IDEでAWS Database Migration Service (DMS)のスキーマ変換のメタデータを利用したOracle SQLからPostgreSQLへの変換に対応しました。従来はDMSとDMSのスキーマ変換を利用して移行する場合はアプリケーションのSQLを変更先のRDBMSに合わせて手作業で変更する必要がありました。このアップデートによりSQLの変換および検証を効率的に行うことができます。この機能は Visual Studio Code と IntelliJ IDE で利用可能です。
  • 11/26(火)
    • AWS PrivateLink now supports cross-region connectivity
      AWS PrivateLinkがネイティブなクロスリージョン接続をサポートしました。これまでInterface VPC Endpointは同じリージョンのVPCへの接続のみをサポートしていました。今回のサポートによりクロスリージョンピアリングを設定することなくInterface Endpointを介して他のAWSリージョンでホストされているサービスに接続できるようになります。この機能は東京を含む7つのリージョンで利用可能です。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon EBS announces Time-based Copy for EBS Snapshots
      Amazon EBSがTime-based Copy スナップショットを発表しました。この機能は個々のコピーリクエストに対して15分から48時間の範囲で希望時間を指定することで、指定した期間内にEBSスナップショットがリージョン内およびリージョン間で確実にコピーされるものです。これによりリージョン間コピーの時間予測が容易になり、RPO要件の確認が確実になります。また、EventBridgeとCloudWatchの新しいメトリクスSnapshotCopyBytesTransferredを使ってコピーオペレーションのモニタリングも可能になりました。この機能は、AWS コンソール、AWS CLI、AWS SDKを介してすべてのAWS 商用リージョンとAWS GovCloud (米国) リージョンで利用可能です。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Redshift multi-data warehouse writes through data sharing is now generally available
      Amazon Redshiftのデータ共有によるマルチデータウェアハウスからの書き込みが一般提供(GA)されました。この機能は複数のRedshift データウェアハウスからRedshiftデータベースに書き込むことができるもので、書き込まれたデータはコミットされるとすぐにすべてのRedshift データウェアハウスで使用できるようになります。これによりワークロードを複数のRedshiftに分割することで、個々の目的に合わせた最適なサイズのウェアハウスを使いながら、データを共有して利用することが可能になります。この機能はAmazon Redshift データ共有がサポートされているすべてのAWSリージョンにおいて、RA3インスタンスタイプを使うプロビジョニングされたクラスターとRedshift Serverlessのワークグループで利用できます。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon EC2 C7g instances are now available in additional regions
      Amazon EC2 C7g インスタンスが大阪とパリの2つのリージョンで新たに利用可能になりました。C7gはAWS Graviton3 プロセッサを搭載しており、Graviton2 ベースのインスタンスよりも最大で25%パフォーマンスが向上します。EC2 C7gの詳細はWebサイトをご確認ください。
    • AWS Network Firewall expands the list of supported protocols and keywords in firewall rules
      AWS Network FirewallがHTTP2, QUIC, PostgreSQLなどのプロトコル検出を新たにサポートしました。AWS Network Firewallは Amazon VPC に必要なネットワーク保護を簡単にデプロイできるマネージド型ファイアウォールサービスです。今回の対応によりセキュリティ制御をより柔軟に適用することが可能となります。
  • 11/27(水)
    • Amazon Bedrock Agents now supports custom orchestration
      Amazon Bedrock Agentsがカスタムオーケストレーションをサポートしました。この機能では計画と解決、思考の木、標準運用手順(SOP)など、カスタマイズされたオーケストレーション戦略をエージェント向けに実装できます。AWS Lambda を使用してオーケストレーションロジックを定義できるため、特定のユースケースに合わせてエージェントの動作を柔軟に調整可能です。この機能はAmazon Bedrock Agentsがサポートされているすべての AWS リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • AWS Amplify introduces passwordless authentication with Amazon Cognito
      AWS AmplifyがAmazon Cognitoの新しいパスワードレス認証機能をサポートしました。JavaScript、Swift、Android 用の Amplify クライアントライブラリを使用してSMSワンタイムパスワード、EメールワンタイムパスワードおよびWebAuthn パスキーを使用してアプリケーションへの安全なサインインを実装できます。この機能により、複雑なパスワードを覚える手間が省けるため、顧客体験が向上する他、利用ユーザーと提供企業の両方のアカウント管理が簡素化されます。この機能はAmazon CognitoがサポートされているすべてのAWSリージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon FSx for Lustre now supports Elastic Fabric Adapter and NVIDIA GPUDirect Storage
      Amazon FSx for LustreがElastic Fabric Adapter (EFA) と NVIDIA GPUDirect Storage (GDS) をサポートしました。Amazon FSx for Lustreは機械学習 (ML) やハイパフォーマンスコンピューティング (HPC)などの高速な処理が求められる際に広く活用いただけるストレージです。今回、EFAをサポートしたことでAWS Scalable Reliable Datagram (SRD) プロトコルを使用してネットワークスループットの使用率を高め、データ転送中にオペレーティングシステムをバイパスすることで、ワークロードのパフォーマンスを向上することが可能になります。GDSはEFAを基盤として実現されており、ファイルシステムとGPUメモリ間で直接データ転送を実現することで最大12倍のスループット向上が可能です。EFAとGDSはPersistent-2 ファイルシステムが利用可能なすべての商用AWSリージョンで利用可能です。詳細についてはブログ”Amazon FSx for Lustre increases throughput to GPU instances by up to 12x“をご確認ください。
    • Amazon Q Java transformation launches Step-by-Step and Library Upgrades
      Amazon Q DeveloperにはJavaのアップグレード変換を行うCode Transformationの機能があります。今回この機能が段階的なアップグレードとライブラリのアップグレードに対応しました。一括変換ではなく、少量ずつコード変更を確認できるようになることで、手動でのエラー修正や確認、テストが容易になります。また、すでにJava 17で稼働しているアプリケーションを最新の信頼性の高いライブラリにアップグレードできるため、変換後のアプリケーションに関しても保守にかかる時間と労力を節約できます。これらの昨日はVisual Studio CodeとIntelliJ IDEで利用可能です。詳細はこちらをご確認ください。
    • Amazon Q Developer for the Eclipse IDE is now in public preview
      コーディングやテストなどのソフトウェア開発を支援するAmazon Q DeveloperのEclipse IDE用プラグインがパブリックプレビューに入りました。これまではVSCode, IntelliJなどで使うことができましたが、Eclipse IDEでも利用できることでより多くの方にご活用いただけます。このプラグインはAmazon Q Developerがサポートされているすべての AWS リージョンでご利用いただけます。詳細はBlogをご確認ください。
    • Introducing Amazon Q Apps with private sharing
      Amazon Q Businessの生成AI搭載アプリを作成する機能であるAmazon Q Appsで、作成したアプリのアクセス制御ができるようになりました。従来はすべてのユーザーに公開しかできませんでしたが、今回のアップデートにより選択したユーザーに限定して共有できることで部署やチーム、個人などアプリケーションの目的に応じて制限が可能です。Amazon Q Appsでのプライベート共有についての詳細はドキュメントをご確認ください。
  • 11/28(木)
    • アップデートはありませんでした
  • 11/29(金)
    • アップデートはありませんでした

今日は最後に一つ紹介させてください。
最近、開発の場面で生成AIを利用したいという相談をいただくことが増えてきたように感じます。皆さんの周りではいかがでしょうか?同僚のソリューションアーキテクトの淡路(X @gee0awa)が開発につかえる Bedrock のユースケースのサンプルとしてBedrock Engineerというアプリを開発しています。あくまでも個人でのサンプルとして扱っていただければと思いますが、今後正式に公開予定もあるのでもしよかったらチェックしてください。

SA淡路からのコメント

Amazon Bedrock を開発にも使用できるユースケースとして、Bedrock Engineer を開発しました。このアプリケーションは自律的な開発エージェントやウェブサイト生成の機能を搭載しています。開発エージェントは、1ファイルだけではなくプロジェクト構造を読み理解した上で一連のコードの生成や仕様書の生成を自動化します。ウェブサイト生成では、React、Vue、Svelte コードを生成してリアルタイムにプレビューするほか、RAG の仕組みを応用することで、デザインシステムに従ったコード生成を実現します。ソフトウェア開発においても生成AIの活用の幅が広がってきたように感じます。ぜひチェックしてみてください。

US時間の日曜日(日本時間の12/2 月曜日 未明)にも多くのアップデートが出ていますが、こちらは次週号で扱う予定です。
それでは、また来週、週刊AWS re:Invent特別号でお会いしましょう!

ソリューションアーキテクト 根本 裕規

著者について

Yuki Nemoto

根本 裕規(Yuki Nemoto)

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、金融機関のお客様の AWS 活用や個別案件の技術支援を担当しています。過去には公共部門やモダナイゼーションのスペシャリストもしていました。好きなサービスは AWS CodeBuild です。週末はオフロードバイクのレースをしています!