Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2023/7/24週

みなさん、はじめまして。ソリューションアーキテクトの根本です。
前々回を担当した杉山 同様、今月から新たな週刊AWSの執筆者として参加しました。
新機能、新サービスについてわかりやすくお伝えできるように頑張ります。どうぞよろしくお願いします。

今回はAWS Summit in New York, 2023 で多くのサービスでアップデートや一般提供開始(GA)の発表があったため少し数が多めです。Summitでの 主要な発表に関してはこちらのblogにもまとまっています。特にアナリティクス、ヘルスケア、生成系AIに関連したものが多いので、是非チェックしてみてください。

早速ですが、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2023年7月24日週の主要なアップデート

  • 7/24(月)
    • AWS Control Tower launches additional proactive controls
      AWS Control Towerに28の新たなプロアクティブコントロールが追加されました。 新たに Amazon CloudWatch, Amazon Neptune, Amazon ElastiCache, AWS Step Functions, Amazon DocumentDBなどでプロビジョニングされる前にコンプライアンスに違反しているリソースを未然に特定してブロックすることができます。
    • Amazon EMR launches new capabilities to enhance EMR on EC2 cluster scaling experience
      Amazon EMRのスケーリングを強化する2つの機能が追加されました。まず、PrestoまたはTrinoを実行しているクラスター上のスケーリングに新しい再試行メカニズムが追加されました。もう一つはクラスターに設定されたHDFSレプリケーション係数を下回ってコアノードをスケールダウンしないようになりました。これらによりスケールアップ/ダウンが迅速化され効率的なクラスター使用が可能になります。この機能追加はAmazon EMR 6.12以降のリリースを使用しているクラスターで自動的に有効になります。
  • 7/25(火)
    • Amazon Redshift now supports querying Apache Iceberg tables
      Amazon RedshiftからApache Icebergテーブルへのクエリ実行サポートのプレビューが発表されました。ドキュメントに記載の通り、 Redshift Spectrum, Redshift Serverless双方に対応しています。この機能は中国 (北京)、中国 (寧夏)、および AWS GovCloud (米国) リージョンを除くすべての AWS リージョンで使用できます。
    • AWS Glue Studio now supports Amazon Redshift Serverless
      AWS Glue StudioがAmazon Redshift Serverlessをサポートしました。AWS Glue StudioのビジュアルインターフェースからAmazon Redshift Serverlessに対して効率的にETL機能を実行できるようになりました。
    • Announcing the general availability of AWS HealthImaging
      AWS HealthImagingが一般提供開始(GA)になりました。医療画像をペタバイト規模で保存、分析、共有できるようにするHIPAAに適合したサービスです。HealthImagingを介してデータを取り扱うことでインフラストラクチャの管理負荷を下げつつストレージの総所有コストを最大 40%削減することが可能になります。
  • 7/26(水)
    • Announcing AWS HealthScribe (Preview)
      新しいサービスであるAWS HealthScribeが発表されました。AWS HealthScribeは会話型AIと生成系AIの技術により患者と臨床医の会話を分析して暫定的な臨床メモを自動的に生成する、臨床アプリケーションの構築を支援するHIPAA適合サービスです。現時点はバージニア北部リージョンでプレビュー版をご利用いただけます。詳細が気になる方はブログもご確認ください。
    • Accelerate your CloudFormation authoring experience with looping function
      AWS CloudFormationがFn::ForEach関数によるループ機能に対応しました。この機能により同じコード行を複製する簡単かつ迅速になり、見落としや更新漏れ等を防ぐのを可能にします。Fn::ForEachを利用するにはAWS::LanguageExtensionsが必要な点ご注意ください。
    • Vector engine for Amazon OpenSearch Serverless now in preview
      Amazon OpenSearch Serverless向けに高性能なベクターエンジンの提供が開始されました。これによりベクトルデータベースのインフラストラクチャを管理しなくとも機械学習(ML)で拡張された検索体験や生成系AIアプリケーションの構築をすることが可能になります。東京リージョンを含む8つのリージョンでプレビュー利用が可能です。
    • Amazon EC2 P5 instances, optimized for generative AI and HPC, are generally available
      Amazon EC2 P5インスタンスが一般提供開始(GA)になりました。P5インスタンスは最新のNVIDIA H100 Tensor GPUを搭載しており前世代のGPUベースのインスタンスと比べて最大6倍高速化し、MLモデルのトレーニングコストを最大40%削減することが可能です。ディープラーニングやハイパフォーマンスコンピューティング (HPC)、大規模言語モデル (LLM) や拡散モデルのトレーニングやデプロイにご活用いただけます。詳細はこちらもブログを是非。
    • AWS Glue Studio now supports Amazon CodeWhisperer
      AWS Glue StudioでAmazon CodeWhispererが利用可能になりました。CodeWhispererはソースコードや英語での入力に対してリアルタイムに候補を生成してくれるので、分析や機械学習のためのデータ準備を迅速に開発することが可能になります。この新機能は、バージニア北部リージョンで追加料金なしで使用できます。
    • AWS Entity Resolution is now generally available
      AWS Entity Resolutionの一般提供開始(GA)になりました。AWS Entity Resolutionは機械学習(ML)を活用して複数のアプリケーション、チャネル、データストアに保存されている関連レコードに対して、簡単にマッチング、リンクする事を可能にするサービスです。レコードの重複排除や、顧客プロファイルの作成、製品コードの紐付け等様々なユースケースでご活用いただけます。東京リージョンを含む10のリージョンで利用可能です。
  • 7/27(木)
    • AWS Lambda adds support for Python 3.11
      AWS LambdaでPython 3.11がサポートされました。マネージドランタイムと、コンテナベースイメージの双方でご利用いただけます。Python 3.11 では、Python 3.10 よりもパフォーマンスが大幅に強化されており、Lambda関数のパフォーマンス向上とコスト削減が期待できます。
    • Access and Query are now generally available for Amazon Managed Blockchain
      Amazon Managed Blockchain (AMB) Accessと AMB Queryの2つのサービスが発表されました。AMB Accessは新しいサーバレスの選択肢で、イーサリアムとビットコインのパブリックブロックチェーンノードが提供されJSON RPCを介してアクセスが可能です。AMB Queryはビットコインやイーサリアムをはじめとする複数ブロックチェーンのリアルタイムデータや履歴データに専用のインフラなしにアクセスすることができます。詳細はドキュメントをご覧ください。AMB Accessは東京リージョンを含む6つのリージョン、AMB Queryはバージニア北部リージョンで利用可能です。
  • 7/28(金)
    • Announcing preview of JSON protocol support for Amazon SQS
      Amazon SQSがJSONプロトコルをプレビューサポートしました。従来のXMLプロトコルに比べEnd to Endの処理レイテンシーの削減と、アプリケーションのクライアントサイドのリソース使用量の削減が見込まれます。この変更はAWS SDKのバージョンに紐づくためSQSをSDK経由でご利用の方、JSONプロトコルを試したい方はこちらのドキュメントでバージョンに関してご確認ください。JSONを試した上で戻したい場合もAWS SDKのバージョンを変更いただければ従来のプロトコルに戻ります。
    • Introducing Amazon EC2 C7gd, M7gd, and R7gd Instances
      AWS Graviton3プロセッサを搭載した新しいAmazon EC2インスタンスタイプのC7gd、M7gd、R7gd が一般提供開始(GA)になりました。Graviton3ベースのインスタンスはGraviton2ベースのインスタンスよりもパフォーマンスが最大25%向上しています。加えてDDR5メモリが搭載されており、メモリ帯域幅がDDR4よりも50%多くなっています。これらのインスタンスはオハイオ、バージニア北部、オレゴン、アイルランドの4リージョンで利用可能です。
    • AWS announces Public IP Insights, a new feature of VPC IP Address Manager
      IPv4アドレスを監視、分析、監査できるAmazon VPC IP Address Manager (IPAM)という機能が一般提供開始(GA)になりました。IPv4アドレスの使用状況や非効率な使用方法を特定し、不要なリソースをリリースするのに役立ちます。この機能は無料で、すべてのAWS商用リージョンとAWS GovCloud(米国)リージョンで利用できます。

こちらのブログで上記のAmazon VPC IPAMの発表と同時に パブリックIPv4アドレスの利用に対する新しい料金体系が発表されています。2024年2月1日に変更が予定されていますので、ブログのご確認をお願いします。

最後にイベントのご紹介です。8月4日に 夏のAmazon EC2 祭り2023最新インスタンス活用 – 機械学習編 がオンラインで開催されます。機械学習用途に合わせたさまざまなインスタンスの選択肢、AWS 上で利用可能な最新GPU アーキテクチャや、実際の活用事例を中心にご紹介いたします。ご興味ある方はぜひお申し込みください。

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 根本 裕規 (twitter – @rr250r_smr)