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週刊AWS – 2020/9/14週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。今週は月曜・火曜が休日だったので、水曜日のお届けです。

最近はようやく少し涼しくなってきましたね。まだ残暑が厳しい9/8に始まったAWS Summit Onlineも残すところあと一週間になりました。この期間限定でしか公開できない動画等もありますので、ぜひ今の機会にオンラインでAWSの学習を進めていただければと思っています。筆者は「AAB-03:Architecting and Building〜ログデータ用のデータレイク&分析環境をクイックに構築するには?」と「HOL-02:Amazon QuickSight BASICハンズオン ~QuickSightの基本操作を 50 分で学ぶ~」を担当しました。ご興味あればぜひご覧ください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2020年9月14日週の主要なアップデート

  • 9/14(月)
    • AWS Graviton2 プロセッサを搭載した新しい Amazon EC2 T4g インスタンスを発表、無料トライアルで利用可能
      Amazon EC2で新しい汎用のEC2インスタンスファミリー、T4gが利用可能になりました。プロセッサにAWS Graviton2 (Arm)を搭載したプロセッサで、T3インスタンスと比較して最大40%高い価格性能比を実現しています。7つのサイズが用意されており、最も小さいt4g.nanoはEC2ファミリーの中で最も安価に利用できます。Tシリーズですので、CPU性能についてはT3等と同様、ベースライン(基本性能)+クレジットによるバースト(一時的な性能向上)という形で提供されます。デフォルトでは無制限(Unlimited)モードが有効になっています。詳細はこちらのblogをご覧ください。Unlimitedモードについてはこちらをご覧ください。評価用に年内はt4g.microの利用費用に750 時間分のCPUクレジットが提供されます。
    • Amazon CloudWatch ダッシュボードが共有をサポート開始
      Amazon CloudWatchダッシュボードはAWSの各種リソースの情報(メトリクス)を組み合わせて表示する機能ですが、これをAWS管理コンソールにログインする権限を持たない人にも共有できるようになりました。例えばイントラネットのページに埋め込んで、社内で共有するといった事が可能になります。。
    • AWS Glue データカタログが PartitionIndex のサポートを開始し、高度にパーティション化されたテーブルでのクエリパフォーマンスが向上
      AWS Glueのデータカタログの機能として、テーブルへPartition Indexを作成可能になりました。S3上に大規模データを保存する場合、例えば日時等でパーティションされる事が多いのですが、このパーティションの量が膨大になると(例えば10万パーティション等)、パーティションの情報を読みとる時間が長くなります。Partition Indexを作成しておくことで、それを短縮することが可能になります。どんな環境でも必要な機能というわけではありませんが、多くのパーティションを持つ表を利用されている場合は利用を検討してみてください。詳細はこちらに記載されています。
  • 9/15(火)
    • Amazon Transcribe が自動言語識別のサポートを追加
      Amazon Transcribeは、音声をテキストに書き起こしするサービスです。現在日本語を含む31の言語に対応しています。今回の発表で、Transcribeに自動言語識別機能が追加されました。これまではTranscribe API を使用する際に言語を指定してAPIを呼び出す必要がありましたが、この機能改善でTranscribeが音声から言語を自動的に検出できるようになりました。詳細はこちらのBlogを参照してください。
    • Amplify JavaScript が Next.js や Nuxt.js などのフレームワークのサーバー側レンダリング (SSR) サポートを追加
      Amplify JavaScriptは、フロントエンドデベロッパー向けのライブラリ、UI コンポーネント、ツール等のスイートであるAmplify Framework (OSS)の一部です。このAmplify JavaScriptでサーバーサイドレンダリング (SSR) が利用可能になりました。Next.jsとNuxt.jsをサポートしています。SSRのサポートにより、Authentication、GraphQL API、REST API、DataStore の各機能をサーバー側で使用できます。
    • AWS と Docker がコラボレーションを拡張して Docker Desktop の新機能をリリース
      Docker DesktopからAmazon ECS + Fargate環境へのデプロイが可能になりました(正確にはStable版で利用可能になりました)。追加の機能としてSecrets Managerのサポートやローカルシミュレーション等も追加されています。 ドキュメントはこちらにあります。
  • 9/16(水)
    • 3つのリージョンで Amazon EC2 C5 インスタンスをご利用いただけるサイズが増えました
      Amazon EC2 C5インスタンスファミリーについて利用可能なリージョンが追加されc5.12xlarge、c5.24xlarge、c5.metal のインスタンスサイズが大阪ローカルリージョンでも利用可能になりました。C5インスタンスはCascade LakeマイクロアーキテクチャのカスタムINTEL Xeonプロセッサを搭載したインスタンスで、高い最高周波数を実現しているインスタンスで、1つのvCPUあたりの性能を重視するワークロードに向くインスタンスです。
  • 9/17(木)
    • Amazon Elasticsearch Service で Elasticsearch Audit Logs が利用可能になりました
      Amazon Elasticsearch ServiceでElasticsearchリクエストの監査ログ(Audit log)を取得可能になりました。コンプライアンス規制への適合や、セキュリティ調査の証拠の提供等が可能になります。監査ログは CloudWatch Logs経由で出力されます。Audit logを利用するにはFGAC(Fine Grained Access Control)を有効にする必要があります。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。
    • Amazon API Gateway now supports mutual TLS authentication
      Amazon API GatewayがMutual TLS (mTLS)認証をサポートしました。mTLSは通常のサーバサイド側の証明書確認に加えてクライアント認証を行うもので、より高いセキュリティニーズに対応するためのものです。詳細はこちらのBlogをご覧ください
    • Amazon Connectに複数の機能が追加
      数クリックでクラウド上にコールセンターを構築できるAmazon Connectにルーティング周りの改善が複数追加されました。問い合わせフロー管理のAPIルーティングプロファイルを管理するAPIが追加されています。これらのAPIを使うことで例えばフローのバックアップ・リストアやインスタンス間での複製、動的なルーティングプロファイルの管理が実現しやすくなりました。
    • Announcing Aurora Parallel Query region expansion and MySQL 5.7 compatibility
      Amazon Aurora Parallel QueryにMySQL 5.7コンパチビリティが追加されました。Amazon Aurora Parallel Queryは1つのクエリを並列処理する仕組みです。1つのクエリで巨大なデータをスキャンしたりジョインしたりする必要がある分析用クエリの処理に適した性能を提供します。Parallel Queryの概要は、こちらのBlogをご覧ください。
  • 9/18(金)

今号も色々な新発表がありましたが、個人的な注目はEC2 T4gインスタンスです。今年いっぱい、一ヶ月あたりt4g.microを750時間無料で使えるようになっていて、これは1インスタンスを31日間利用し続ける分に相当しますが、インスタンスを1つに限定する必要はありません。複数台利用も可能なので、たとえば今月はもうあと一週間ほどしかありませんから4台のt4g.microを無料で使うことも可能です。AWS Graviton2 (Arm)プロセッサを安価に評価できる機会ですので、ぜひ検証等で使ってみてください。

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)