Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2020/7/6週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
3月から始まった在宅勤務も4ヶ月ほど経過しました。移動時間がほとんど無いために効率的な一方で、私の場合は運動不足が深刻です。以前は1日1万歩ぐらいは歩いていたのですが、今やその1/10といったところで、そろそろなんとかしないといけません。次回週刊AWSを書くタイミングでは何か運動を始められていると良いのですが。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2020年7月6日週の主要なアップデート
- 7/6(月)
- Amazon Relational Database Service (RDS) が AWS Outposts により MySQL および PostgreSQL データベースへのサポートを開始したとアマゾン ウェブ サービスが発表
AWSのサービスをオンプレミスデータセンター内に配置するサービス AWS Outpostsで利用できるサービスにAmazon Relational Database Service (RDS) が加わりました。 MySQL、PostgreSQLが利用可能です。詳細はこちらのBlogをご覧ください。Outpostsはオンプレミス上から動かせないデータをAWSサービスからアクセスする場合に、専用線を引いても通信の遅延が課題になるようなケースに有効なサービスです。オンプレミス上に配置されたOutpostsはAWSマネジメントコンソールから他のAZと同様に透過的に管理することが可能です。
- Amazon Relational Database Service (RDS) が AWS Outposts により MySQL および PostgreSQL データベースへのサポートを開始したとアマゾン ウェブ サービスが発表
- 7/7(火)
- Amazon Forecast が 10 倍以上のアイテムの予測の生成をサポートするように
機械学習で時系列の予測を提供するAmazon Forecastで、予測対象のアイテムが10倍になりました。これまでCreatePredictor APIでは10万アイテムの予測生成が最大だったのですが、これが100万まで上限が緩和されています。 - AWS Storage Gateway が File Gateway のローカルキャッシュストレージを 4 倍に増加
AWS Storage GatewayのFile Gatewayは、オンプレミス上に置かれるゲートウェイサービスで、オンプレミス環境からはファイルサーバに見えますが、そのデータはS3に保管されます。今回の改善で最大64TBのローカルキャッシュをサポートするようになり、より大きな作業データセットでのパフォーマンスを向上させます。
- Amazon Forecast が 10 倍以上のアイテムの予測の生成をサポートするように
- 7/8(水)
- Amazon EMR が Managed Scaling のサポートを開始 – クラスターのサイズを自動的に変更してコストを削減
Amazon EMRでManaged Scalingが利用可能になりました。これはEMRクラスターのサイズを自動的に調整する機能す。既存のEMR Auto Scalingは、ユーザが事前にスケーリングのルールを設計する形でしたが、このManaged Scalingはユーザ側の設計が必要無いのが特徴です。EMRでジョブを実行する際、複数のノードを利用すれば時間単位の利用コストは上昇しますが、ジョブが早く終われば、そこで費用の発生を終えることができます。このManaged Scalingは、高いパフォーマンスと低いコストを両立できるようにサイズを自動調整するものです。EMR 5.30.1以降の環境で動作するApache Spark、Apache Hive、及びYARNベースのワークロードがサポートされます。詳細はこちらのBlogを参照してください。
- Amazon EMR が Managed Scaling のサポートを開始 – クラスターのサイズを自動的に変更してコストを削減
- 7/9(木)
- Introducing Video Support using Amazon SageMaker Ground Truth
Amazon SageMaker Ground Truthは、機械学習用の大規模なトレーニングデータに対してラベル付けを支援するマネージドサービスです。今回の改善でラベル付けのワークフローの中で動画へのラベル付けがサポートされました。実際にどのようなラベリング作業になるかは、こちらのBlogで解説されています。 - Docker と AWS が共同で AWS Fargate 上の Amazon ECS へのアプリケーションのデプロイをサポート
Docker社とAWSの協力により、Docker DesktopとDocker Composeを使用してコンテナをローカルで構築した後、そのままAmazon Elastic Container Service (ECS)にコンテナをデプロイできるようになりました。docker ecs compose upといったシンプルなコマンドでECSへのデプロイが準備される様子が、こちらのBlogで解説されています。インストール方法等はこちらも参照してください。 - Amazon EBS ダイレクト API により、任意のブロックストレージから直接スナップショットの作成が可能に
Amazon Elastic Block Store (EBS)のダイレクトAPIで、ブロックストレージスナップショットを作成可能になりました。例えばオンプレミス上のストレージ(ディスク)からEBSのスナップショットイメージを作ることが可能になります。これまでオンプレミス上のブロックストレージをAWS上に保管したい場合は、一旦EC2を起動してEBSをマウントし、そこにファイルをコピーしてからEBSスナップショットを取得するという手順が必要でしたが、今回の改善で直接EBSスナップショットを作成可能になります。この機能はコマンドを1つ実行すればスナップショットを取得できるといった機能では無い点には注意が必要です。機能はSDKで提供されており、ある程度プログラミング作業が必要になります。こちらのBlogにサンプルが記載されています。 - AWS IoT SiteWise is now generally available
AWS IoT SiteWiseが一般提供開始(GA)になりました。SiteWiseは、色々な機器からのデータを集めて、モデル化して蓄積し、モニタリングを実現するためのマネージドサービスです。改めてSiteWiseの特徴を説明するBlog記事が出ていますので、こちらも合わせてご覧ください。
- Introducing Video Support using Amazon SageMaker Ground Truth
- 7/10(金)
- Amazon QuickSight’s SPICE data engine now supports data sets up to 250M rows
BIサービスのAmazon QuickSightで内蔵インメモリデータベースのSPICEで機能向上が発表されました。SPICEに保存できる1データセットのサイズがEnterprise Editionの場合最大2.5億行、もしくは500GBまで増加しています(以前は1億行、200GBでした)。これにより、より大きなデータセットに対してインメモリの高速アクセスを提供できます。なおこの制限は1つのデータセットの最大サイズであって、SPICEの総量では無い点にご注意ください。 - Amazon ECS announces AWS Copilot, a new CLI to deploy and operate containers in AWS
Amazon Elastic Container Service (ECS) 用のコマンドラインツール ECS CLI v2が、AWS Copilotという正式名称と共に一般提供開始(GA)されました。Copilotはプロダクションレベルのサービスを、少ないコマンドでデプロイ可能にする事を目標に設計されています。インストール方法や使い方がBlog記事で説明されているので、ぜひ使ってみてください。
- Amazon QuickSight’s SPICE data engine now supports data sets up to 250M rows
今回も大くの新発表があったため、絞り込むのが大変でした。上記以外にもたくさん新発表されていますので、ご興味がある方はこちらをご確認ください。
上記の中だと、QuickSightのSPICEデータセット容量拡張が個人的なイチオシです。SPICEはQuickSightから利用されるインメモリDBですが、サーバレスなので運用管理がほとんど存在しません。それでいて、2.5億行/500GBもの大きいデータセットを作成できるようになったので、一般的なデータマートの多くはインメモリに入れられるようになったのではと思います。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)