Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2020/6/8週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
AWS Summit Onlineの開催が発表されました! 期間は9月8日(火) ~ 9月30日(水)で、日本では初のフル・オンライン開催のAWS Summitになります。期間中はセッションをオンデマンドでいつでもどこでも見られる形になる予定です。また9月8日(火) 、9月15日(火) はライブセッションをチャット形式で行う予定で、これまで会場の”ASK the Expert”コーナー等でお受けしていたエンジニアへのご相談をオンラインチャットで受け付ける試みも行う予定です。
– AWS Summit Online Japan 2020
オンライン開催ということで日本のどこからでも参加できますので、ぜひこちらのURLから事前登録をしておいていただければと思います。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2020年6月8日週の主要なアップデート
- 6/8(月)
- Amazon Personalize の推奨フィルター
Amazon PersonalizeにRecommendation Filter(推奨フィルター)が追加されました。例えばユーザーが既に購入した製品をレコメンデーションから除外することが可能になり、よりパーソナライズされたレコメンデーションを実現できます。 - Amazon Redshift が Amazon S3 の外部テーブルへの書き込みのサポートを開始
Amazon Redshiftのクエリ結果を、、CREATE EXTERNAL TABLE AS SELECTを使ってAmazon S3(外部テーブル)に書き込むことができるようになりました。メタデータも自動的に更新されるため、他のAmazon Redshiftクラスターや、Amazon Athena、Amazon EMR等からもすぐにアクセスできるようになります。これによりS3(データレイク)を中心としたサービス間でのデータのやりとりがより容易になりました。SELECTで加工した結果をS3に書き出せるのでデータ連携だけでなく、ETL用途にも応用が効きます。
- Amazon Personalize の推奨フィルター
- 6/9(火)
- AWS Shield Advanced がイベントへのプロアクティブな対応のサポートを開始
AWS Shield AdvancedでDDoSレスポンスチーム(DRT)からのプロアクティブな連携が設定可能になりました。この機能をオンにすると、Shield Advanceの保護対象のリソースに関連付けられたRoute 53ヘルスチェックが異常になった場合、DRTからお客様に直接連絡があります。これにより攻撃が疑われる場合により迅速にDRTと連携することが可能になりました。 - Amazon Elasticsearch Service のインタラクティブ SQL ツールで生産性を向上
Amazon Elasticsearch ServiceでSQL WorkbenchとSQL CLIがサポートされました。OSSのGUI SQLツールであるSQL WorkbenchがKibanaに統合され、SQLクエリを実行し、その結果を表示できるようになりました。SQL CLIは、さまざまクライアントアプリケーションからクエリを実行することを容易にします。
- AWS Shield Advanced がイベントへのプロアクティブな対応のサポートを開始
- 6/10(水)
- Amazon Aurora スナップショットが AWS Backup 経由で管理可能に
AWS BackupでAmazon Auroraのスナップショットを管理できるようになりました。AWS BackupはAWSの各種サービスのバックアップポリシーを一元的に管理するためのサービスです。この他にRDSやEBSのスナップショットやEFSのバックアップ等に対応しています。 - AWS CodeArtifact の紹介: フルマネージド型のソフトウェアアーティファクトリポジトリサービス
新しくAWS CodeArtifactというサービスが発表され、同時に一般利用開始になりました。東京リージョンでもご利用いただけます。 CodeArtifactは、フルマネージド型のソフトウェア アーティファクト リポジトリ サービスです。各種言語では「パッケージ」管理機能をもっており、そのパッケージをホストするためのリポジトリ用サーバを立てることが可能ですが、これの運用管理には手間がかかります。CodeArtifactを使用するとそういった導入、運用等をする必要がなくなります。CodeArtifactはMaven&Gradle (Java)、npm &yarn (JavaScript)、pip&twine (Python) 等と連携可能です。詳細はこちらのBlogをご覧ください。 - Amazon ElastiCache for Redis 用の新しい CloudWatch メトリクスを発表
Amazon ElastiCache for Redis用の新しいCloudWatchメトリクスが追加されました。これはRedis INFO コマンドベースの値を取得可能にするもので、例えば利用メモリ量、キャッシュヒット率、メモリの断片化率、Redis コマンドのレイテンシー等を得ることが出来ます。
- Amazon Aurora スナップショットが AWS Backup 経由で管理可能に
- 6/11(木)
- AWS Graviton2 プロセッサを搭載した Amazon EC2 C6g および R6g インスタンスの一般提供が開始
ArmベースのAWS Graviton2 プロセッサを搭載したEC2 C6g インスタンスとEC2 R6gインスタンスが一般提供開始になりました。先行して利用可能になっていたM6gと合わせてGraviton2採用のファミリーが3種類利用可能になりました。東京リージョンでもご利用いただけます。M6gは一般的なワークロードに最適な標準的なインスタンスです。これと比較してC6gはハイパフォーマンスコンピューティング (HPC)や分析処理等、高いCPU性能を必要とするワークロード向け、一方でR6gはデータベースやインメモリキャッシュ等、メモリをふんだんに仕様するワークロード向けのインスタンスです。M6g/C6g/R6gともに高いコストパフォーマンスを特徴にしています。例えばこちらのBlogではC5/C5nと比較したC6gのベンチマークで 37% 良いプライス/パフォーマンスを得られたという事が解説されています。最近はArmベース用のLinuxディストリビューションが揃ってきており、aptやyumコマンドでいつも利用しているアプリケーションを簡単に導入できる環境が整えられていますので、ぜひお試しください。
- AWS Graviton2 プロセッサを搭載した Amazon EC2 C6g および R6g インスタンスの一般提供が開始
- 6/12(金)
- AWS Service Catalog now supports sharing portfolios across an organization from a delegated member account
AWS Service Catalogで “アドミニストレータのポートフォリオ共有を委譲する”機能が利用可能になりました。これまでもService CatalogでアドミニストレータがAWS Organizationを経由して特定AWSアカウントにポートフォリオを共有することはできましたが、その場合はOrganizationのルートアカウントにポートフォリオを配置する必要がありました。今回の改善でそれを(ルートではない)AWSアカウントに権限を委譲することが出来るようになりました。
- AWS Service Catalog now supports sharing portfolios across an organization from a delegated member account
今回も多数の発表がありましたが、個人的なイチオシはAWS Graviton2搭載のEC2ファミリーが一般公開可能になったことです。R6g, C6g, M6gのどれも1 vCPUの小さいインスタンスから64 vCPUまで用意されているのが良いところで、特に1 vCPUにメモリ8GBの組み合わせで使えるr6g.mediumは魅力的に思えます。どのインスタンスがベストかはワークロードによる所が大きいので一概には言えませんが、メモリが多めにあると色々なアプリケーションを動かすことができますし、メモリ量で性能を出しやすいRDBMS等にもピッタリですね。アプリケーションがメモリを使い切らない場合でもキャッシュとしてディスクIOも減らせますので、安価なのに使いやすいスペックなのではと思っています。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)