Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2020/6/1週
こんにちは、AWSソリューションアーキテクトの小林です。今週も週刊AWSをお届けいたします。
ご存じの方も多いかもしれませんが、AWS Summit Onlineを日本初開催させていただく事が決定いたしました。2020年9月8日から9月30日にかけて開催し、9月8日と15日は双方向にコミュニケーションが可能な個別ライブチャットも設定予定です。お申し込み受付は近日開始いたしますが、Eメールアドレスをご登録いただければ受付開始時にご連絡をいたします。ぜひAWSについて学びを深める機会としてご活用ください!
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2020年6月1日週の主要なアップデート
- 6/1(月)
- Amazon FSx for Windows File Server now enables you to grow storage and to scale performance on your file systems
多くのお客様からご要望頂いていた機能がローンチされました。Amazon FSx for Windows File Serverがストレージ容量のオンライン拡張とスループットキャパシティのオンライン変更に対応しました。なお、容量拡張はスループットキャパシティが16MB/s以上の場合のみに実行可能という制約がありますので、ご注意ください。
- Amazon FSx for Windows File Server now enables you to grow storage and to scale performance on your file systems
- 6/2(火)
- Amazon SageMaker Components for Kubeflow Pipelines
Kubeflow Pipelines用のAmazon SageMaker Componentsのパブリックプレビューを開始しました。これを利用するとKubeflow PipelinesからSageMakerのジョブを呼び出すことができるようになります。言い換えるとMLパイプラインの一部にSageMakerを組み込むことができるようになり、運用やリソース確保がこれまでよりも容易になります。詳細についてはブログ記事もご覧ください。 - Amazon Redshift now delivers better cold query performance by significantly improving compilation times
Amazon Redshiftではクエリを受け付けたときにコンパイルが必要になる場合があります。今回のアップデートで、このコンパイル処理が2倍の速さで実行されるようになりました。新しく作成したクラスタにクエリを投げるときや、新しいクエリを実行するとき、ソフトウェア更新後に初めてクエリを実行するときなどのパフォーマンス向上が期待できます。この機能はバージョン1.0.13751以降のバージョンで自動的に有効になります。 - Announcing storage controls for schemas in Amazon Redshift
Amazon Redshiftでスキーマ毎に利用できるストレージの最大量を指定し、ストレージ消費量を制限できるようになりました。この機能はバージョン1.0.14677以降のクラスタでご利用いただけます。 - Use Apache Hive Metastore as a metadata catalog with Amazon Athena
Amazon AthenaがEC2またはEMRでホストされるApache Hive Metastoreに接続できるようになりました。これによってHive Metastoreをメタデータカタログとして利用している環境に容易にAthenaによる分析処理を追加できるようになりました。
- Amazon SageMaker Components for Kubeflow Pipelines
- 6/3(水)
- AWS Direct Connect enables Failover Testing
AWS Direct Connectでフェイルオーバーのテストを実行するためのResiliency Toolkitが公開されました。Direct Connectを利用する際は冗長化構成を取ることが一般的ですが、Resiliency Toolkitを利用するとBGPセッションが中断された際に自動的に通信が回復することをテストできるようになります。 - Database Activity Streams now available for Aurora with MySQL compatibility
MySQL互換のAmazon AuroraでDatabase Activity Streamsが利用できるようになりました。これを利用するとデータベースのアクティビティをほぼリアルタイムにAmazon Kinesis Data Streamsに送信し、内部・外部の脅威からDBを保護するために役立てることができます。また、3rd partyのアプリケーションからの利用も予定されていますので続報をお待ちください。 - Amazon RDS for MySQL supports minor version 8.0.19
Amazon RDS for MySQLでMySQLのバージョン8.0.19を利用できるようになりました。 - Announcing Cross-Cluster Search support for Amazon Elasticsearch Service
Amazon Elasticsearch Serviceでクラスタをまたいだ検索クエリやKibanaインタフェースからのデータ利用が可能になります。これまでは単一のクラスタにしかクエリができませんでしたので、異なる用途や性質のデータを横断分析する際は全てを単一クラスタに集約する必要がありましたが、今回のアップデートにより必要に応じてクラスタを分割して細やかなリソース確保や管理運用を行うことができるようになりました。
- AWS Direct Connect enables Failover Testing
- 6/4(木)
- Amazon Aurora Supports PostgreSQL Versions 11.7, 10.12, and 9.6.17, and Adds Global Database for PostgreSQL 11.7
PostgreSQL互換のAmazon AuroraでPostgreSQLのバージョン11.7と10.12と9.6.17がサポートされました。 - Amazon Aurora PostgreSQL Global Database Supports Managed Recovery Point Objective (RPO)
PostgreSQL互換Amazon AuroraのGlobal Databaseにおいて、マネージドな目標復旧時点(Managed RPO)を設定できるようになりました。Managed RPOはレプリケーション誤差をモニタし、少なくともひとつのセカンダリクラスタがターゲットとするRPO時間枠内に収まっていることを監視します。全てのセカンダリクラスタが目標を逸脱した場合はプライマリクラスタのトランザクションを一時停止することで全体としてのRPOを維持するように動作します。この機能はAurora PostgreSQL 11.7と10.12でご利用いただけます。詳細についてはドキュメントを確認してください。 - AWS Elastic Beanstalk announces General Availability of Amazon Linux 2 Based Tomcat platforms
AWS Elastic BeanstalkにおいてAmazon Linux 2を利用して構築されたTomcatプラットフォームが一般利用開始になりました。これにはAmazon Correttoが組み込まれており、Corretto 11 or Corrett 8とTomcat 8.5 or Tomcat 7の選択肢からなる全部で4つの組合せの中から利用したい環境を選択できます。 - Now Available, Amazon EC2 C5a instances featuring 2nd Generation AMD EPYC Processors
Amazon EC2で第2世代のAMD EPYCプロセッサを搭載したC5aインスタンスが利用できるようになりました。これはC5の同等インスタンスと比較して10%安価にご利用いただけます。近日中にNVMeベースのインスタンスストアを備えたC5adや、100Gbpsネットワークを持ちベアメタルで利用できるC5an.metalとC5adn.metalも登場予定です。現時点では東京リージョンではご利用いただけませんので、続報をお待ちください。
- Amazon Aurora Supports PostgreSQL Versions 11.7, 10.12, and 9.6.17, and Adds Global Database for PostgreSQL 11.7
- 6/5(金)
- Announcing the General Availability of Amazon EC2 G4dn Bare Metal Instances – GPU instances with up to 8 NVIDIA T4 GPUs
様々な要因で非仮想環境を必要とするワークロード向けに8つのNVIDIA T4 Tensor Core GPUを搭載したG4dnベアメタルインスタンスを発表いたしました。初のGPU搭載ベアメタルインスタンスです。詳細についてはWebページをご確認ください。
- Announcing the General Availability of Amazon EC2 G4dn Bare Metal Instances – GPU instances with up to 8 NVIDIA T4 GPUs
私の好みでに左右されている部分も多いのですが、個人的な注目アップデートはC5aインスタンスです。元々いろいろなCPU自体が好きだというのはあるのですが、それを差し引いてもC5と比較して10%安価に利用できるのは嬉しい方が多いのではないかと思います。多くの方はパフォーマンスが気になるところだと思いますが、ワークロードによって傾向が違うところですので一概には言えないはずです。すぐに試せる、変えやすい、というクラウドの特性を活かしてご自身のワークロードで性能を測定してみてはいかがでしょうか?
また、先日とある方から週刊AWSについてフィードバックを頂きました。おそらく社内の定例会などでご利用頂いているのだと思いますが、なるべく火曜日中に出してもらえると助かるとのご意見でした。当初週刊AWSは火曜か水曜までに出す事を目標としていましたが、今後は可能な限り火曜日中にはお届けできるように頑張っていきたいと思います。(状況によっては遅れることもあり得ますが、その際はご容赦くださいね)
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)