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小売業界パートナー対談:株式会社日立ソリューションズ「マーケティングにおけるDX」
パンデミックがまだまだ続く中、一番その打撃を受けている産業の一つは小売業界だと言っても過言ではありません。私たちは、AWS の小売業界パートナー企業の経営陣と対談し、この混乱を乗り越えるためのリーダーシップとイノベーションに関する考えをお聞きしました。このブログ連載をお楽しみください。
今回は AWSの リテールコンピテンシーパートナーを日本で初めて取得している株式会社日立ソリューションズ ビジネスイノベーション事業部 デジタルソリューション本部 本部長の内藤英樹氏に現在の小売業界における取組についてお話を伺いました。
AWS: 小売業界における日立ソリューションズ様の事業とフォーカスされている分野について教えてください。
内藤英樹氏: 日立ソリューションズ(旧社名は日立ソフトウェアエンジニアリング)は、2000年頃から非現金決済分野のSI事業に携わっており、現在ほど汎用的ではなかった電子マネーの開発に取り組んでおりました。そのような中、Retail分野では“ポイントサービス”が顧客ロイヤリティプログラムとして広まってきた時代で、マネー同様に電子的価値をともなうポイント管理システムのソリューションを立ち上げました。共通ポイント事業者様をはじめ、多くのお客様にCRMシステム、ポイント管理システムを提供してきました。現在は、マーケティング分野を強化し、小売業界をはじめ、会員サービスを提供する企業のデジタルマーケティングを支援するため、お客様のニーズに応じたソリューション提供やインテグレーションサービスを展開しています。
AWS:新型コロナは今まで経験したことのない不確実性をもたらし、その影響を一番大きく受けた業界の一つが小売業界だと思います。日立ソリューションズ様の顧客にとって最大の課題は何があると考えますか?
内藤英樹氏: 様々な分野でDXが進行していますが、小売業界はまさにコロナ影響で一気に加速したと考えています。生活スタイルが変わった事で、消費傾向に影響がでており、お客様動向やニーズをしっかり捉えた商材やサービスを展開しなくてはいけません。またコスト削減のための人員削減により、接客やITを活用した販促施策に資源を投入できていません。結果として、戦略的な集客や顧客コミュニケーションの不足を招いてしまっている事が課題だと考えます。
AWS:消費者の行動の変化はコロナ前からすでに認知されてきましたが、コロナがそれを急スピードで加速させたと思います。ただ、企業の立場から見ると、データをインサイト化して日立ソリューションズで活用できるものにする必要が非常に強くなったとも言えるでしょう。日立ソリューションズ様はどのようにデータの活用に取り組んでいますか。
内藤英樹氏:日立ソリューションズでは、早くからデータの重要性を認識しており、マーケティングのDXに取り組んできました。顧客インサイトを捉えるためのAIを提供しており、分析の結果をマーケティング施策に反映します。施策の効果検証を行い、さらに次の施策へ反映させる事で顧客体験を向上させています。データ活用、AI活用というと、大がかりなデータ基盤整備や運用人員が必要なイメージがありますが、PointInfinityソリューションでは、より簡単にマーケティングに活用できるように、会員基盤からデータ活用までをワンストップで提供しています。企業のマーケティングDXを加速するソリューションです。
AWS:なるほど。そのPointInfinityについてもう少しご説明をお願い致します。
内藤英樹氏:PointInfinityは、顧客データをマーケティングに活用するためのPDCAサイクルに必要なサービスを提供しています。ソリューションの中核となる会員基盤は、ポイント管理を中心としたロイヤリティプログラムを提供しています。会員基盤では、お客様のデータをIDに紐づけて一元的に管理し、ポイントサービスや会員サービスを通じて、購買履歴や行動履歴を蓄積し、お客様の属性以外にも趣味嗜好データを取得します。これらの顧客に紐づいたデータを、AIを活用し分析する事で、お客様にとって最適な情報、最適なタンタイミングでアプローチする仕組みを提供しています。ですので、我々はPointInfinityソリューションを、会員管理基盤にマーケティング機能を統合した「マーケティング統合型のCRM」と定義しています。
AWS:これからもテクノロジーは進化し続けて、データの活用ももっと活発に行われると思いますが、日立ソリューションズ様は変化に対応するためにどのような革新を行っていますか?
内藤英樹氏:これからもDXは進んでいくと思いますし、お客様の活動もバーチャルとリアルの活動を行き来するような世界になっていくと感じています。日立ソリューションズはマーケティングでのデータ活用を進めていくとともに、フィンテック技術との連携や、バーチャルでの顧客コミュニケーションを進化させるサービス等を提供していきたいと考えています。例えば、スポーツ、エンタメ業界向けのCRMソリューションFan-Life-Platformでは、ファンとのオンラインイベントを支援する1on1トークや、インタラクティブなライブ配信サービスの提供を始めました。
AWS:小売業界の将来について、テクノロジーを駆使してどのような可能性を期待していますか?
内藤英樹氏: 必要なモノはほとんどネットで買う事ができる今、小売業界は、消費者に対し単にモノを売るだけでなく、新たな顧客体験を生み出す場として期待されていると考えています。体験を豊にするための情報提供、付帯サービス、提供方法の工夫など様々な取り組みが始まっています。これらの顧客体験向上のためのサービスを提供するには、安心して利用できるクラウドサービス、多様化する顧客ニーズを捉える顧客理解がますます重要になってきます。日立ソリューションズは小売業界の変革を、PointInfinityをはじめとした各ソリューションを通じて支援していきます。
AWS:本日はお話を聞かせてくださいましてどうもありがとうございました。
株式会社日立ソリューションズ
ビジネスイノベーション事業部 デジタルソリューション本部 本部長
1995年入社後、電子マネー/ポイント/電子決済関連の開発・提供に携わるなかで、主力製品であるPointInfinityを創出しました。以降、Tポイントをはじめとした国内外の大手ユーザを中心に導入を推進し、現在はコンシューマー向けのマーケティングソリューションの企画、取り纏め責任者として、ソリューション強化、拡販活動に従事しています。
本ブログの著者について
Keanu Nahm
キアヌはAWSのシニア事業開発マネジャーとして主に流通小売業界を担当しています。米国ミシガン大学 、ウォートンMBA卒。米国・イギリス・韓国の 消費者、IT企業でB2C、B2Bマーケテイングの戦略立案、事業開発、ブランド管理。 2016年から小売・消費者企業向けの米国のIT企業で新しい企業文化、組織変更、デジタル広告製品開発を含めたDXをリード。2020年末から現職。