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AWS Partner Network(APN) テクノロジーパートナー ATADATA: SAP on AWS移行時の強力な手助け
AWSパートナープログラム部門にてマイグレーション領域のグローバルプログラムリードを務めるKalpan Ravalによる記事です。
多くのエンタープライズのお客様は、AWSサービスの活用によりビジネスのイノベーションを促進し、以前よりもっと安全に環境を構築し、技術的負債を捨て、コストを削減しています。その結果、さらにお客様がAWSに移行しようとし、高度に自動化された移行作業の数が増えています。実績に基づく経験と高品質なツールを使用してリスクを軽減し、主要なワークロードの移行の実現を支援するために、お客様はますますAWS移行コンピテンシーパートナーを頼みにしていることが分かっています。
SAP環境は多くの場合に複雑であり、多くのビジネスワークフローにおいて中心的な役割を果たします。SAPワークロードのある様々なインフラストラクチャタイプによっては、さらに複雑さが増します。x86の観点からは、仮想マシンと物理マシンの両方でWindowsとLinuxのワークロードがあり、大量のCPUコアとRAMが実行されます。加えて、Oracle、SQL Server、またはSAP HANAなどのトランザクション性の高いデータベース用に数十台のディスクドライブもあります。ミッションクリティカルなSAPワークロードを移行する場合、その方法とベンダーを慎重に選択する必要があるという結論が導かれます。私たちは、SAP on AWSを評価いただくために参考となる多くのリソースを提供しています。また、AWS移行コンピテンシーパートナーのページとSAPコンピテンシーパートナーのページから、支援依頼が可能なAPNパートナーのリストをご覧ください。今日は、私たちのAPNアドバンスドテクノロジーパートナーで移行コンピテンシーを取得しているATADATA(アタデータ)について少しお話しし、同社のプラットフォームを使用してSAPワークロードをAWSに移行する方法を説明します。
大規模なSAPワークロードの移行
ATADATAには、SAPを含む大規模なエンタープライズワークロードの移行を可能にする総合的なプラットフォームとして機能する複数のエージェントレスな自動化モジュールがあります。これらのモジュールは、自動的なライブマイグレーションだけでなく、ディスカバリー、アプリケーションのマッピング、コスト予測、移動グループの作成と有効化、移行するワークロードの同期化のために、個別に、または統合製品として使用できます。総合的な移行プラットフォームであることに加えて、ソリューションセットは迅速に導入でき、完全に自己完結しており、エンタープライズ環境向けに設計されています。
自動化された移行の有効化と実行に必要な典型的なワークフロー:
- ATAvisionディスカバリーモジュールによるアプリケーションの検出とマッピング
ディスカバリーと計画策定は、あらゆる移行において不可欠なフェーズです。アプリケーション全体を移行、あるいは変換することを目的とするかどうかに関わらず、対象領域の地図なしではプロジェクトの効率性とタイムラインが失われるでしょう。これは、SAPの移行において非常に重要です。SAPは非常に複雑で、多くのモジュールでは、接続先はオンプレミス環境の外に広がる複雑なサプライチェーンにまたがる多数のエンドポイントにまで及び、ビジネスラインに影響を及ぼす可能性があります。これらの依存関係を把握することは、どのサーバーを一緒に移動する必要があるのか、そのインフラストラクチャの依存関係を理解し、最も影響の少なく都合のよい移行時期を知る上で非常に重要です。
ATADATAプラットフォームが持つエージェントレスのATAvisionモジュールを使用することで、移行を最適にできるようSAPの依存関係が検出されます。移行アーキテクトは、相互に依存し合うアプリケーションとサーバーが密接に結びついているかどうかを知る必要があります。ATAvisionは、この目的のために設計されており、組み込まれたインテリジェンス機能を使用してアプリケーション通信によって関連するインフラストラクチャをグループ化します。
- ATAvisionディスカバリーモジュールによる移行の移動グループの作成とコスト予測
ATAvisionは、移行の移動グループとそれを組み込んだ段階計画を策定するために必要な情報を提供するよう開発されました。ATAvisionは、スプレッドシートを手動で作業し、ピボットテーブルを使用してサーバーを移動グループに結びつける移行アーキテクトもまだありますが、SAPなどのシステムで特に役立つ移動グループの自動作成ができるようになりました。
ルールを定義するだけで、ロジックが引き継がれます。自動的な移動グループテクノロジーがもたらすインテリジェンスとスピードにより、膨大な作業時間を節約し、スプレッドシートに頼っていたときの人為的ミスのリスクを軽減できます。
さらに、移行前に、クライアントおよびアプリケーションチームは、個々の移動グループごとのAWS使用量を予測したり、収集された属性の数をフィルタリングしたりすることができます。
- ATAmotion移行モジュールを使用したポイント・ツー・ポイントの移行とAWSへの同期
ATAmotionはATADATAのコア製品であり、独自のマルチスレッドクローンエンジンと高度なAWS APIとの統合ポイントによって可能になる、大規模なエンタープライズワークロードを移行するという使命を持って開発された堅牢なアーキテクチャを備えています。
ATAmotionのポイント・ツー・ポイントの定義とはどういうことでしょうか?データは中間ステージやイメージライブラリー、ストレージバケットを経由せずにソースマシンからVPC内で指定されたクライアントサブネットにあるAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)上のターゲットインスタンスに直接流れます。このアーキテクチャでは、基盤となるOSやデータベースの種類に関係なく、数多くの稼働中のSAPワークロードの移行を同時にサポートできるため、複雑なSAP環境の場合でも移行期間を数週間から数時間に短縮できる可能性があります。
ATAmotionは、Windows Serverのバージョン2003 32bitから2016まで、Red Hat Enterprise Linux、SuSE Enterprise Linux、Debian、OpenSuSE、CentOS、Oracle Linux、Amazon Linux、Fedora、Ubuntuといったすべての一般的なLinuxディストリビューションをサポートしています。あらゆるクラウド環境またはオンプレミス環境からAWS(米国) GovCloudリージョンを含むすべてのAWSリージョンへの移行、あるいはリージョン間の移行をサポートしています。移行が大陸をまたがったり低帯域幅の場合、ATAmotionはコピーの遅延または中断を監視し、データコピーを正常に完了させる最も効果的な方法を見つけます。
ATAmotionソフトウェアは、サポートされているWindows / Linuxのいずれかで実行中のデータ集約型のSAPアプリケーションを、実質的にダウンタイムなしで移行することができます。これは主に、ATAmotionはクライアントホストのCPU使用率が非常に低く、数MBのメモリしか消費しないため、このような低いリソース使用率のおかげでサービスを中断しないからです。そして、ATAmotionはすべてのファイルシステムを移行します。オペレーティングシステムとそのデータがいくつかのLVM論理ボリュームと物理ボリュームに分割されているかどうかは関係なく、固定パーティションを使用して100個のディスクに格納されている場合であっても、ツールがターゲットサーバ上に同じデバイス構造を再作成するため同じままの構成になります。
さらに、その構造に基づいてデータを移動するための適切な方法を選択するインテリジェンス機能があります。データがファイルシステムに格納されている場合、ファイルベースのコピーアルゴリズムを使用してデータがコピーされます。しかし、ファイルシステムが存在しないデータベースの一般的なシナリオであるRAWデバイスに格納されている場合は、ブロックコピーアルゴリズムを使用してデータがコピーされます。
最後に、ATAmotionには、複数の自動化された同期手法が組み込まれているため、カットオーバー前、カットオーバー中に様々なカットオーバー戦略が取れます。
SAP on AWS移行時におけるATADATAプラットフォームのメリット
- 単一のベンダー管理で、エンド・ツー・エンドのシームレスなAWS移行が可能になる
- 検証済みのAWS移行パートナーソリューションによりリスクを削減し、SAPワークロードをAWSに移行できる
- AWSへの移行を開始する前に既存のSAP環境を完全に把握できる
- 数十のSAPワークロードを同時に移行するような予定を早められる(数週間ではなく数時間で検討)
- レガシーなメソドロジーとテクノロジーに伴うコストの削減と人的ミスの軽減ができる
- AWSへの旅の一環として高度な自動化を活用できる
- リソース集中型のオンプレミスハードウェアを廃止できる
もしあなたが既存のSAPワークロードのAWS移行を検討しているエンタープライズのお客様またはサービスプロバイダーでしたら、今すぐATADATAの自動化と明確な専門技術を活用することができます。ATADATAの詳細については、www.atadata.com/awsをご覧ください。
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翻訳はPartner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。