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AWS ITトランスフォーメーションパッケージ2.0(ITX2.0)– お客様の脱炭素の取り組みやクラウドのコア人材育成を支援する、新たなクラウド移行支援プログラム

みなさん、こんにちは。マイグレーションスペシャリストの富松です。

2021年にリリースした、AWSへの大規模なシステムの移行を実現し、お客様のデジタルトランスフォーメーションをサポートする 「AWS ITトランスフォーメーションパッケージ(ITX)」を強化・拡大した、「AWS ITトランスフォーメーションパッケージ2.0(ITX2.0)」をご紹介します。

ITXパッケージ(2021年版)のおさらい

AWSジャパンでは、2021年にITXパッケージをリリース以来、多くのお客様にご活用頂き、企業のITトランスフォーメーションを支援してきました。ITXパッケージでは、マイグレーションプロジェクトを評価(Assess)フェーズ、準備(Mobilize)フェーズ、マイグレーション&モダナイゼーション(Migrate & Modernize)フェーズに分け、各フェーズで次のサービスを提供していました。

(1) 評価フェーズ

  1. クラウド利用の経済的合理性評価
  2. 利用における準備状況のアセスメント

(2) 準備フェーズ

  1. お客様社内のAWSコア人材育成のためのトレーニング(Solution Architect Associateレベルを目指すトレーニング)
  2. AWSジャパンがお客様と伴走してパイロットプロジェクトを進めながら、移行手法、組織変革、カルチャーチェンジを進める体験型ワークショップ(Experience-Based Acceleration=EBA)
  3. プロフェッショナルサービスによるCCoE立ち上げ、移行計画作成、ガイドライン作成支援など
  4. ソリューションアーキテクトによる移行アーキテクチャ、移行方式のレビュー支援
  5. お客様へマイグレーションのベストプラクティスを提供するCustomer Solutions Manager(=CSM)をお客様担当としてアサインし、プロジェクトの円滑な進行をサポート

(3) マイグレーション&モダナイゼーションフェーズ

  1. MAP2.0による利用料の一定割合をクレジットで還元します。これによって、お客様はデジタルトランスフォーメーションに向けた大規模なマイグレーションにおいて、長期に渡るプロジェクトを速やかに立ち上げ、軌道に乗せることが可能です。
  2. アプリケーションモダナイゼーションにおいて、実際の小さなアプリケーションの移行体験をAWSがご支援し、遠回りすることなくビジネス上の成果にたどり着くことができます。

ITXパッケージへのお客様からのご要望

上記のような各フェーズでのご支援策は好評を頂いていましたが、2021年にご提供したいくつかのお客様から、改善すべき課題やニーズをお客様の声として頂く事がありました。

1つ目はクラウド移行による副次的効果として、地球環境への貢献意識の高まりです。クラウド移行後のカーボンフットプリントの予測値を知りたいという声や、移行後に使わなくなったIT機器の環境に配慮した方法での処分を考慮したいとの声を頂きました。

2つ目は企業ごとに現実的なクラウド推進組織(CCoE)のあるべき姿を求める声です。クラウド導入においてはCCoE(Cloud Center of Excellence)と呼ばれるクラウド導入の専門チームを社内に作り、プロジェクトの主導的役割を担っていくことがベストプラクティスです。ITXパッケージで提供する人材育成トレーニングは、このCCoEのコア人材育成を目的としていました。しかし、自社の状況を踏まえてどういったCCoEを組織すべきか分からない、という声を頂きました。

3つ目は大型プロジェクトへの対応です。従来のITXパッケージでは、人材育成における人数を3名としていましたが、大型プロジェクトは、より多くのコアメンバーを必要とする声が大きいことが分かりました。また、同様にCustomer Solutions Manager(CSM)と呼ばれるメンバーがプロジェクトのサポートを行っていましたが、大型でかつお客様が主導するプロジェクトでは、CSMがより深くプロジェクトに入って欲しいという声を頂いていました。

そこでAWSジャパンでは、これら3つの課題やニーズに応えるため、従来のITXパッケージを拡張して、AWS ITトランスフォーメーションパッケージ2.0(ITX2.0)をリリースいたしました。

AWS ITトランスフォーメーションパッケージ2.0(ITX2.0)とは?

この度3/1に発表した新しいAWS ITトランスフォーメーションパッケージ2.0には、従来から提供していたITXパッケージのサービスに加え、環境負荷を抑える取り組みとして、IT Divestという、IT機器の買取サービスパートナーを仲介(IT機器の買取、撤去とリサイクル、環境に配慮した廃棄)と、AWS移行後のカーボンフットプリント削減予測を提供致します。

次に、IT変革(トランスフォーメーション)とDXを進めるCCoEの、企業ごとの最適解を導き出すワークショップとして、EBA People Party(標準2日間のWorkShop)の提供を致します。

また、大型プロジェクトへの対応として、CSMがそのプロジェクトにおいて必要なクラウドスキルをアセスメントし、最適なトレーニングプランを提供致します。マイグレーションのプロジェクト規模に応じては、これまであった3名の枠を超えた提供も可能です。そして、大型プロジェクトのクラウドに関する案内役として、CSMが特にCCoE立ち上げの領域を強化するためにお客様をサポート致します。

ITXパッケージ2.0

ITX2.0のバージョンアップ内容

ITX2.0によってお客様は、DXに向けたマイグレーションをきっかけに、自社に最適化されたクラウド推進組織の最適解を得ながら、トレーニングと実プロジェクトを通して人材育成を進めることが可能です。

クラウド移行によるカーボンフットプリント削減

また、調査会社451 Researchがアジア太平洋(APAC)地域の5か国(オーストラリア、インド、日本、シンガポール、韓国)の多様な業種にわたる民間企業・公共機関 500 社・団体を対象に、クラウドコンピューティングについて調査した結果によると、企業のワークロード(IT関連業務)をオンプレミス(自社所有)のデータセンターからクラウドに移行すると、エネルギー消費量とそれに付随する二酸化炭素(CO2)排出量を78%も削減できる可能性があるということがわかりました。(2021年8月19日の発表資料

AWSのIT Divestとカーボンフットプリント試算サービスを利用することで、お客様はクラウド移行後の具体的なカーボンフットプリント削減量を確認した上でプロジェクトを進めることが可能で、IT Divestの活用によって不要になったIT機器を売却し、売却後のIT機器はリサイクルされるか、環境に配慮した形で廃棄されます。

クラウド移行は脱酸素社会に向けても大きな効果

DXを進める上で必要となってくるITシステムの活用に伴い、昨今では環境に対する影響や、人材育成より上位の組織をどのようにするかといったお悩みを伺うことが多くありますが、このITXパッケージ2.0による取り組みが、お客様のお悩みを解決できると考えています。

また、マイグレーションを軌道に乗せるためには適切なパートナーの存在が欠かせませんが、AWSにはマイグレーションスキルに特化したことを認定したマイグレーションコンピテンシーパートナーがおり、ITXパッケージ2.0の取り組みと併せてお客様をサポート致します。

ITXパッケージ2.0の始め方

ITXパッケージ2.0は、従来のITXパッケージ同様に、AWSによるアセスメントを受けて頂くことから始まります。ご利用に向けての入り口は3つあり、どこからでも結構です。

1)Webから簡易アセスメントをお受け頂きAWSからの連絡をお待ち頂く、2)Webフォームからのお問い合わせ、3)担当営業までご連絡ください。

クラウドへのマイグレーションをお考えの際はAWSへの移行のページもご確認ください。AWSへの移行に必要な情報が網羅されています。また、ITXパッケージ2.0にご興味をお持ちのお客様は、是非上記3つのいずれかよりAWSへのコンタクトをお待ちしております。

事業開発統括本部 マイグレーション&モダナイゼーション事業開発本部
マイグレーションスペシャリスト 富松卓郎