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AWS Database Migration Service は、生成 AI を使用して時間のかかるスキーマ変換タスクを自動化するようになりました
12 月 1 日より、AWS Database Migration Service Schema Conversion (AWS DMS SC) に、最大 90% のスキーマオブジェクトを商用データベースから PostgreSQL 移行に自動的に変換することで、データベーススキーマ変換エクスペリエンスを改善する新しい機能が導入されます。
AWS DMS は、リレーショナルデータベース、データウェアハウス、NoSQL データベース、および他の種類のデータストアの移行を可能にするクラウドサービスです。AWS DMS を使用して、Amazon Web Services (AWS) クラウドにデータを移行したり、クラウドおよびオンプレミスの設定の組み合わせの間でデータを移行したりできます。
現在、100 万を超えるデータベースが AWS Database Migration Service を使用して移行されています。AWS DMS は、あるデータベースシステムから別のデータベースシステムへのデータの移行に役立ちます。また、異なるデータベースエンジン間で移行する場合、AWS DMS SC はソースデータベースのスキーマとプロシージャをターゲットデータベースシステムに変換するのに役立ちます。
ただし、AWS DMS SC はこれらの移行の多くのステップを自動化しますが、特定の複雑なデータベースコード要素には依然として手動介入が必要です。これにより、移行のタイムラインが延び、コストが増える可能性があります。これは特に、PostgreSQL に直接対応するものが必ずしも存在しない独自のシステム関数またはプロシージャ、およびデータ型変換の場合に当てはまります。
AWS DMS SC の新しい生成 AI 機能は、時間がかかるスキーマ変換タスクの一部を自動化することで、これらの課題に対処するように設計されています。この新しい機能は、Amazon Bedrock でホストされている 大規模言語モデル (LLM) を使用して、既存の変換機能を拡張します。複雑な手順や関数など、従来のルールベースの手法ではサポートされていなかったソースデータベース内のコードスニペットを変換します。
生成 AI を利用したコード変換は、移行コストを削減し、プロジェクトのタイムラインを短縮するのに役立ちます。AWS DMS SC はスキーマ変換プロセスの多くを自動化するため、手動での変換ギャップの解決ではなく、移行後のアプリケーションの改良や最適化など、より価値の高いタスクに注力できます。ベータ版のお客様は、AWS DMS SC で AI を活用したこれらの機能を使用して既に成功を収めており、コスト削減と移行の高速化を実現しています。
仕組みを見てみましょう
この新しい生成 AI 機能の使いやすさを示すために、AWS DMS SC のスキーマ変換プロセスについて説明します。 AWS DMS SC は、テーブル、ビュー、ストアドプロシージャ、関数など、ソースデータベースの構造をターゲットデータベースと互換性のある形式に自動的に変換することで、データベースの移行を簡素化します。自動的に変換できないオブジェクトには、手動で対処するようにフラグが付けられます。
まず、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) で実行されているセルフマネージド型の商用データベースから始めます。AWS マネジメントコンソールを使用して、インスタンスプロファイルとデータプロバイダーを定義します。ここで、レプリケーションインスタンスのネットワークの詳細、データベースエンジンとそのエンドポイント、データベースパスワードが安全に保存されるシークレットなどを設定します。移行プロジェクトも作成します。これらのステップは新しいものではありません。詳細については、AWS データベースブログの「Accelerate your database migration journey using AWS DMS Schema Conversion」をご覧ください。
プロジェクトを作成したら、それを選択し、[スキーマ変換] タブで [スキーマ変換を起動] を選択します。変換ツールを初めて起動するには、数分かかります。
生成 AI を使用した AWS DMS SC はオプトイン機能です。まず、このオプションをアクティブ化します。[設定] タブで、[変換用の生成 AI 機能を有効にする] をオンにします。
変換の詳細に進む前に、移行の複雑さの全体的な評価を取得したいと思います。移行するスキーマを選択します。その後、メニューで [評価] を選択します。
数分後、高レベルの [概要] が使用可能になります。[アクション項目] タブに詳細が表示されます。[結果をエクスポート] を選択し、[PDF] を選択して、同僚と共有するレポートを受け取ります。レポートは S3 バケットから生成され、使用可能になります。
概要の画面には、ルールベースの方法によって変換できる [データベースストレージオブジェクト] と [データベースコードオブジェクト] の割合が表示されます。この例では、[100%] と [57%] です。生成 AI ベースの変換によって、この割合がどのように変化するかを見てみましょう。
PDF には、エグゼクティブサマリー、移行するオブジェクトの数に関するさまざまな統計、生成 AI を使用した変換の実現可能性、移行の複雑さが含まれています。
レポートを読むと、ストアドプロシージャの移行を妨げる要因は検出されていないことがわかります。移行するストアドプロシージャ (PRC_AIML_DEMO6
) を選択します。その後、ソースデータベース (左側) の [アクション] メニューを選択し、[変換] を選択します。
1~2 分後に、左側のペインには元のプロシージャコードが表示され、右側のパネルには提案された移行バージョンが表示されます。
概要の画面が更新されました。これで、コードの 100% が自動的に変換できることが示されるようになりました。
必要に応じてコードを編集して変更を加えることができます。提案された新しいバージョンに問題がなければ、ターゲットデータベース側 (右側) の [アクション] メニューを選択し、[変更を適用] を選択します。
この新しい生成 AI 機能により、AWS DMS SC は、商用データベースのスキーマオブジェクトの最大 90% を PostgreSQL に自動的に変換できます。
コンプライアンス要件をサポートするために、この機能は最初はオフになっていますが、必要に応じて有効にすることができます。AWS DMS SC で生成 AI 機能を使用する場合は、変換するオブジェクトの複雑さに基づいて、従来のルールベースの方法と生成 AI のいずれを使用するのかが柔軟に決定されます。生成 AI に対して厳格なポリシーを持つお客様は、ルールベースのアプローチのみに引き続き依拠できます。変換されていないオブジェクトや部分的に変換されたオブジェクトは手動で調整する必要があります。
利用可能なリージョンと料金
この新しい機能は現在、次の AWS リージョンでご利用いただけます: 米国東部 (オハイオ、バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、および欧州 (フランクフルト)。
生成 AI を使用した AWS DMS スキーマ変換は、より高速な移行パスをお客様に提供するほか、AWS への移行を加速するのに役立ちます。
使用を開始するには、AWS DMS スキーマ変換のドキュメントにアクセスし、この生成 AI 機能が次のデータベース移行をどのように簡素化できるのかをご覧ください。
原文はこちらです。