投稿日: Dec 16, 2020

KDDI の 5G ネットワーク上に日本初の AWS Wavelength Zone が登場
超低遅延接続が求められるアプリケーションの構築が可能に

ブレインズテクノロジー、日置電機、TVT などのお客様・パートナーがいち早く活用

(シアトル・東京発、2020 年 12 月 16 日発表)Amazon.com, Inc.(NASDAQ:AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc.(AWS)は本日、KDDI株式会社(以下、KDDI)の 5G ネットワーク上で、モバイル端末やエンドユーザー向けに超低遅延アプリケーションの構築を可能にする、AWS Wavelength の東京での一般提供を開始しました。お客様は馴染みのある AWS の API、ツール、機能を利用して、超低遅延が求められるアプリケーションの一部を 5G ネットワークのエッジ部分に展開し、アジア太平洋リージョン(東京)で実行される残りのアプリケーション部分やその他のクラウドサービスとシームレスに接続させることが可能です。AWS のコンピューティングサービスとストレージサービスを 5G ネットワークのエッジに組み込むことで、機械学習、モノのインターネット(IoT)、動画やゲームのストリーミング配信など、超低遅延が求められるエッジコンピューティングの活用を支援します。詳細については、https://thinkwithwp.com/jp/wavelength/ をご覧ください。

AWS Wavelength は、AWS サービスを 5G ネットワークのエッジに置くことで、モバイル端末からアプリケーションへ接続する際に発生する遅延を最小限に抑えます。開発者は AWS Wavelength を使用することで、アプリケーションを AWS Wavelength Zone(5G ネットワークのエッジにある、通信事業者のデータセンター内に AWS のコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込んだAWS のインフラストラクチャ環境)に展開でき、アプリケーションは、端末から基地局、そしてメトロアグリゲーション拠点で実行される AWS Wavelength Zone まで通信すればよくなります。従来のモバイルネットワークアーキテクチャを利用したクラウドへのアクセスでは、アグリゲーション拠点間やインターネットを横断する間の複数のホップで遅延が発生していましたが、AWS Wavelength Zone は こうした状況を解消し、お客様は 5G ネットワークの利点をフル活用できます。さらに、AWS Wavelength では世界各国の 5G ネットワークで一貫した利用体験を実現しており、開発者は馴染みのある AWS サービス、API、ツールを使用し、次世代の超低遅延アプリケーションを構築することができます。AWS Wavelength が実現する共通の開発者エクスペリエンスによって、複数の通信事業者にまたがった展開を容易にします。

KDDI は、モバイルと固定通信、インターネットサービスを提供する日本を代表する通信事業者です。KDDI は日本国内で商用 5G サービスを提供しており、人口が密集する都市部だけでなく、地方もカバーするモバイルブロードバンド網を実現するため、5Gネットワークの構築を積極的に進めています。AWS は KDDI との協力により、日本全国のお客様のより近くで AWS のインフラストラクチャとサービスを提供します。本日より東京で日本初の AWS Wavelength Zone の提供を開始し、今後、その他の都市でも展開していきます。

5G ネットワークのエッジへアプリケーションをデプロイするには、Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)を拡大し、AWS Wavelength Zone を組み込むだけで、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)、Amazon Elastic Block Storage(Amazon EBS)、Amazon Elastic Container Service(Amazon ECS)、Amazon Elastic Kubernetes Services(Amazon EKS)など、馴染みのある幅広い AWS サービスを利用できます。これに加えて、アプリケーションの管理、セキュリティ保護、スケーリングに際し、AWS CloudFormation、AWS Identity and Access Management(AWS IAM)、AWS Auto Scaling など、強力なAWSサービスを引き続き利用することができ、分析、IoT、機械学習、ゲームのストリーミング配信、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)など、低遅延が重視される幅広いワークロードを 5G ネットワーク上で容易に実行できます。

AWS Amazon EC2 担当ジェネラルマネージャー ジョージ・エリサイオス(George Elissaios)は、次のように述べています。「KDDI との協力を通じて、KDDI の 5G ネットワーク内で AWS のコンピューティングサービスとストレージサービスを直接ご利用いただける環境を提供し、日本全国のイノベーションに貢献できることを非常に嬉しく思います。AWS Wavelength と KDDI の 5G によって、開発者はスマートファクトリー、自動運転、医療のデジタル化、AR/VR など、さまざまな分野で求められている超低遅延のアプリケーションを構築できます。」

KDDI株式会社 執行役員 ソリューション事業本部 サービス企画開発本部 副本部長 丸田 徹氏は、次のように述べています。「AWS のクラウドサービスとストレージサービスを KDDI の 5G ネットワークのエッジでご活用いただくことで、高解像度VR動画のストリーミング、画像測位技術(VPS)、スマート工場、自動運転などのアプリケーションで、IoT のイノベーションを加速できます。AWS Wavelength によって、国内の企業と一般消費者の皆様は、KDDI の 5Gネットワークを通じて、こうしたサービスをご利用いただけるようになります。また、過疎地域経済の復興、インフラストラクチャの再構築、自然災害への迅速な対応など、日本の差し迫った社会問題への取り組みも推進することができるでしょう。」

ブレインズテクノロジー株式会社は、異常検知ソリューション「Impulse」や企業内検索エンジン「Neuron」など、機械学習を活用したエンタープライズ AI ソリューションの提供を通じ、企業活動の継続性と生産性向上に貢献しています。ブレインズテクノロジー 代表取締役 濱中 佐和子氏は、次のように述べています。「ブレインズテクノロジーの異常検知技術は、設備故障や製品不良を予測することで、製造業のお客様のダウンタイムの削減や製品品質の向上を支援しています。工場内のさまざまな種類のセンサーデータや静止画・動画を使用し、AI 推論サーバーで推論処理を実行、異常を検知すると信号灯などの手段で工場の従業員に異常を通知します。こうしたシステムの実現には、クラウド上の大規模なコンピューティングおよびストレージリソースに加えて、5G ネットワークによる低遅延が必要です。AWS Wavelength と KDDI の 5G の組み合わせは、ものづくりのデジタル化を加速させるものと確信しています。」

1935 年に設立された日置電機株式会社は、商用電源の安全性と品質向上に使用される試験・測定機器のリーダーです。日置電機 取締役執行役員 イノベーションセンター長 久保田 訓久氏は、次のように述べています。「電力網では、さまざまな高性能電子装置(IED)に正確な時刻同期が求められます。IED は地理的に非常に離れた場所に配置されることも多く、電力システムのオペレーションを支えるさまざまな機器の統合を調整しています。KDDI の 5G ネットワーク上で AWS Wavelength  のテストをした際の時間誤差はわずか 2 ミリ秒であり、商用電源供給で利用される電力測定アプリケーションでさらなる発展が期待されます。また、装置の設置場所を問わず、広大なエリアにわたり同時測定が可能となるため、電力測定の幅を広げることができます。」

東京に本社を置く株式会社 TVT は、ゲームデザインとエンジニアのプロフェッショナル集団です。オリジナルゲームの開発に加えて、TVT では、V チューバーのライブ配信をサポートするソフトウェアの設計や、他のゲーム会社へのコンサルティングサービスも提供しています。TVT 代表取締役 保井 俊之氏は、次のように述べています。「インタラクティブなライブストリーミング体験に対する需要は急速に高まっており、この体験を作り出す上で、当社のオンラインゲーム開発のスキルと経験は極めて重要と考えています。5G を利用してより鮮明なプレイヤーの体験を創造するため、当社はゲームモードのあるライブストリーミングアプリケーションを開発しました。その後、対決モードで、ユーザーの 1 人は AWS Wavelength の 5G、もう 1 人は 4G を使ったテストを行い、反応時間を確認しました。その結果、5G のプレイヤーは、4G のプレイヤーに比べてより高品質のビジュアル体験と高い勝率を得ることができました。」