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AWS パートナーの収益拡大に向けた新たな取り組み – プログラム、ベネフィット、ツールの強化
「AWS Transforms the Partner Experience」は、AWS Marketplace、AWS パートナーセントラル、およびプログラムの更新に関するブログシリーズです。
この記事は、AWS で Head of Partner Brand and Content Strategy を務める Priya Bains が 2024 年 7 月 9 日に投稿した「New Programs, Benefits, and Tools: Empowering AWS Partners for Greater Profitability」の翻訳版です。
AWS re:Invent 2023 では、AWS パートナープログラムとサービスに関して、生産性と収益性を新たな高みへと導くための 10 の取り組みが発表されました。
AWS は、AWS Partner Profitability Framework に基づき、パートナーが革新的なソリューションの共同開発や、顧客への付加価値提供、ソリューションの深化・多様化、さらにビジネス成果をもたらすソリューション、テクノロジーソリューション、マネージドサービス、サービス、再販といった様々なビジネスモデルにおいて収益成長を促進できるよう、継続的に投資を行っています。
本記事では、AWS パートナーがより多くの成果を上げ、より大きなビジネスチャンスを獲得し、更なる成功を加速するためにリリースされた新しいプログラム、ベネフィット、ツール、パートナーエクスペリエンスの強化についてまとめています。マイグレーションを加速するための施策、マネージドサービスの強化、ビジネス主導型ソリューションの推進、リセラーへの支援拡大に加え、AWS パートナーセントラルと AWS Marketplace の活用で、自社の製品やサービスに対する需要を創出し、ビジネスの生産性を向上させる新しい取り組みなどをご紹介します。
以下では、AWS パートナーエクスペリエンスの強化に向けた主な取り組みを確認していきます。
新しい MAP インセンティブによるマイグレーションの促進
AWS Migration Acceleration Program (MAP) は、発表以来、お客様の Amazon Web Services (AWS) への移行を促進する上で重要な役割を果たしています。私たちは、7 月 1 日に導入された新しい MAP インセンティブと合理化されたプロセスをお知らせできることを嬉しく思います。これにより、AWS パートナーはお客様のクラウド移行をより迅速に大規模に支援できるようになります。
主な機能強化は以下の通りです:
- プロセスの合理化: ファンド構造と承認プロセスを簡素化し、販売サイクルを短縮します。
- ファンドの拡大: より多くのマイグレーション案件に対するファンド支援を拡大し、規模に応じてファンド額が増える仕組みを導入します。大型案件にはより多くのインセンティブを提供します。
- Strategic Partner Incentive (SPI): グリーンフィールドへの移行、VMware オンプレミスから AWS ネイティブまたはハイブリッドクラウドへの移行、モダナイゼーション案件に対し、追加のファンドを提供します。
また、AWS Partner Funding Portal (APFP) に新しい MAP テンプレートを導入することで、ファンド申請とキャッシュ請求のプロセスを効率化します。このテンプレートでは、マイルストーンの自動作成と収益実績の紐付けが可能となり、全体的な業務効率につながります。
次のステップ: AWS Migration Competency パートナーまたは Validated ステージのパートナーは、MAP のファンドを活用できます。詳細については、AWS パートナーセントラルの 「AWS MAP Partner Funding Benefits Guide」(ログイン必須) をご確認ください。
OpsGuru 社の CTO である Robin Percy 氏は次のように述べています。「MAP の最新の機能強化により、マイグレーションのマイルストーンとファンドを直接関連付けることで、移行の早期段階からお客様に対してより多くの価値を提供できるようになります。多くのお客様が懸念されている「一時的な二重コスト」が軽減され、クラウドへの最適化やモダナイゼーションを実現できます。MAP の提供を通じて、これまでに何百もの顧客が技術力の向上と戦略目標の達成を果たしてきました。次世代サービスの提供に向け、これ以上ないほどワクワクしています。」
BOX プログラムによるビジネス成果の促進
AWS は、2023 年 6 月 26 日、新しい Business Outcomes Xcelerator (BOX) プログラムを発表しました。これは、Line of Business (LOB) 購買層のニーズに対応するソリューションの開発と提供を支援し、収益成長を加速させることを目的としています。
BOX プログラムは、商用および公共部門のテクノロジーおよびサービスパートナーに対し、AWS Marketplace でビジネス成果をもたらすソリューションを構築、マーケティング、販売するための、ツールとリソースおよび金銭的インセンティブを提供します。
主な利点は次の通りです。
- パートナーマッチングイベント: AWS の専門家や他の AWS パートナーと連携し、独自の顧客ユースケースに関する知見を共有することで、ソリューション構築と市場進出の準備を加速します。
- 金銭的インセンティブ: キャッシュと AWS クレジットを活用して、製品デモの構築、顧客ニーズの探索、proof-of-concept (POC) ソリューションの開発を行います。
- ソリューション構築リソース: AWS パートナーセントラルからアクセス可能な Solution Building Enablement を活用して、AWS Marketplace 出品と市場進出のためのアセット作成ガイダンスを得て、自社のソリューションを構築および検証できます。
Pega 社のグローバルパートナーエコシステム担当シニアバイスプレジデントの Judy Buchholz 氏は次のように述べています。「AWS は、Pega 社、AWS、そして重要な GSI パートナーを結集させ、顧客にシームレスなソリューションを提供するプロセスを簡素化しました。これにより、顧客はベンダー連携の複雑さを経験することなく、目標達成に集中できるようになりました。」
次のステップ: BOX プログラムは、APN で Validated または Differentiated ステージにあるパートナーを対象としています。最初のステップとして、今後開催される AWS パートナーマッチングイベントへ参加できます (現在英語のみで提供)。パートナーセントラルからアクセス可能な BOX プログラムガイドを参照の上、ご登録ください。
ISV ワークロード移行プログラムの拡大 – オンプレミスのワークロードを SaaS に移行
パートナーのビジネス拡大と SaaS (Software as a Service) 収益の成長を支援するため、AWS は 2023 年 6 月 1日より ISV ワークロード移行プログラムの対象範囲を拡大しました。AWS パートナーは、これまでの既存顧客のマイグレーションに加え、あらゆるオンプレミスのワークロードを SaaS に移行することが可能となります。
主な利点は以下の通りです。
- 顧客のクラウド移行と収益の加速を目的とした、より大きな潜在的市場へのアクセスが可能です。
- 既存顧客以外の新規顧客に向けて、クラウド移行に特化した販売戦略を企画・立案できます。
- ファンド、技術的支援、市場開拓支援を活用して、移行アプローチを最適化します。
パートナーは、AWS プロモーショナルクレジットを活用することで、お客様のクラウド移行にかかる一時的な二重コストを軽減し、パートナーの継続的な収益拡大につなげることができます。
Alvaria 社のグローバルアライアンス シニアディレクター Jonathan Lisak 氏は次のように述べています。「AWS ISV ワークロード移行プログラム (ISV WMP) は、顧客をオンプレミスからクラウドへと移行することで、Alvaria に経済的メリットをもたらしてくれます。WMP は、ISV パートナーの op-ex (運用支出) への移行を AWS が真摯に支援する姿勢を体現しており、当社の AWS における市場進出の取り組みにおいて不可欠な役割を果たしています。」
次のステップ: ISV WMP へ参加するには、ソフトウェアの AWS ファンデーショナルテクニカルレビューを完了し、Validated ステージに到達していること、そして AWS 上で SaaS ソリューションを提供し、適格な移行ユースケースを有することが必要です。パートナーセントラルから、ISV ワークロード移行プログラムに申請してください。
マネージドサービスプロバイダー (MSP) のエクスペリエンス向上のための新しいベネフィット
マネージドサービスは、パートナーの収益性と顧客の成功にとって重要です。7 月 1 日、商用および公共分野においてマネージドサービス事業の確立、推進、拡大を目指すパートナー向けに、新たなベネフィットを導入しました。
主なベネフィットは以下の通りです。
- Managed Services Build Essentials: MSP 活動をスムーズに始動させるためのセルフサービス支援リソースです。
- Managed Services Build Workshop: AWS の専門家と協力し、ビジネスプランの加速化を図るためのカスタマイズされたワークショップです。
- ツールおよびトレーニング費用のディスカウント: AWS MSP Specialization パートナーは、特定のサードパーティツールの利用におけるディスカウントが受けられ、無料体験期間の延長が可能です。
- AWS Partner Equip Virtual Series: AWS MSP Specialization パートナーは、新機能リリースおよび技術専門家によるインダストリー別のセッションを優先的に受講できます。
- ファンドの増額: マーケティング開発ファンド (MDF) を 2 倍以上に拡大し、AWS Rapid Ramp Credits (ARRC) を提供することで、中小企業向けの取り組みを支援します。
- AWS Marketplace での販売: AWS MSP Specialization パートナーは、AWS Marketplace 取引要件を満たすことで、AWS Marketplace の Professional Services ページに掲載され、顧客からの認知度の向上と販売が促進されます。
Ollion 社のエンジニアリングサービス部門マネージングディレクターである Brandon Pierce 氏は、「マネージドサービス分野で活躍するパートナーに対する AWS のコミットメントの強化は喜ばしい」と述べています。「MSP プログラムの拡張のタイミングは絶妙で、2024 年以降の当社のイニシアチブ、特にツールの増強、プロジェクトの加速、認定資格バウチャーを活用した従業員育成による顧客サポートの強化を直接的に促進するものと期待しています。」
次のステップ: パートナーセントラル の AWS MSP プログラムガイド (ログイン必須) で新しいベネフィットの詳細をご確認ください。
サービスパートナー向けのティア要件を簡素化し、市場投入期間を短縮
市場投入までの総時間を短縮するための支援が必要というパートナーからのフィードバックを受けて、2023 年 7 月 10 日より、サービスパートナー向けのティア要件を更新しました。運用の効率化と、ティア進行のプロセス円滑化を図ることで、パートナーが AWS 専門性を顧客に対して迅速にアピールできるよう支援します。
今後は、アドバンストおよびプレミアへのティア昇格およびティア維持の際は、公開事例や顧客満足度調査 (CSAT) は不要となります。代わりに、顧客と AWS セールス双方への価値提供能力を実証するケーススタディに注力します。
Acuity 社のストラテジックパートナーマネージャーリード、Laura MacDonald 氏は次のように述べています。「CSAT と公開事例の要件がなくなったことは、私たちにとって本当に良いニュースです。公共部門に特化しているため、連邦政府のお客様は、私たちが行ったプロジェクトの詳細を公開することに消極的でした。CSAT を得るために正しい窓口を見つけることが難しい場合もありました。ケーススタディのアプローチに移行することで、私たちのサービスをお客様に効果的にアピールできるようになります。」
次のステップ: サービスビジネスモデルを持つ AWS パートナーは、AWS パートナーセントラルのサービスパスに登録できます。パートナーセントラルのタスク機能を活用し、セレクト、アドバンスト、プレミアのティアを達成し、それぞれのパートナーバッジを取得できます。詳細は、AWS サービスパス ティアガイドをご確認ください。
AWS ディストリビューターを通じたリセラー支援の拡大
AWS は、パートナーがディストリビューターの支援を最大限活用し、自社の再販力を高められるよう、重要な変更を導入しました。2023 年 4 月 1 日より、AWS ディストリビューターを通じた再販業者向けの支援を拡大しました。
更新内容は以下の通りです。
- AWS ディストリビューターとのエンゲージおよび再販業務を効率的に行えるよう、プロセスを見直しました。
- 運用、技術、ビジネス開発で、一貫したスケーラブルな支援を提供します。
- デリバリーと実装、24/7 サポート、課金と運用の卓越性、移行とマネージドサービスなど、ディストリビューターが提供するサービスにアクセスしやすくなります。
この変更は、既存ソリューションプロバイダーの AWS 直接再販関係には影響しません。引き続き、AWS ディストリビューターの支援を得て再販を行うオプションもあります。
nClouds 社の FinOps ディレクター、Callin Lindsay 氏は「TD SYNNEX は StreamOne プラットフォームへのアカウント移行で素晴らしい働きをしています。スムーズでシームレスな移行のために、AWS と弊社顧客間の作業を調整してくれています。彼らのクラウド知識と AWS 専門性のおかげでプロセスが数ヵ月短縮され、貴重なリソースを再販とサービスビジネスの成長に集中できました。」とコメントしています。
次のステップ: AWS サービスの再販を希望する AWS パートナーは、APN への登録時にサービスパスに参加します。AWS ディストリビューターの紹介と再販活動を始めるための次のステップをご案内します。
AWS Marketplace を活用した需要創出を促進する新しい施策の導入
AWS パートナーエクスペリエンスの変革を続ける中で、私たちは、顧客の需要を一層推進するため AWS Marketplace の規模拡大に注力しています。
1月には、AWS Marketplace でのセルフサービスの収益源の構築と収益性向上を支援するため、AWS Marketplace の出品手数料を値下げしました。また、ISV とチャネルパートナーの両方がプロフェッショナルサービスを再販売できるよう、Channel Partner Private Offers (CPPO) を使った AWS Marketplace でのプロフェッショナルサービス再販機能を導入しました。
この機能により、以下が可能になります。
- チャネルパートナーが他の ISV やチャネルパートナーのプロフェッショナルサービスを再販できます。
- ISV が他のチャネルパートナーや ISV のプロフェッショナルサービスを再販できます。
さらに、パートナーの顧客に対する共同価値提案の実施を支援するため、プロフェッショナルサービス向けの campaign-in-box のリソースを提供します。
Palo Alto Networks 社の WW Channel Sales VP である Tom Evans 氏は「この連携により、パートナーが急速に進化するセキュリティ分野へ参入する機会が生まれます。Palo Alto Networks がプロフェッショナルサービスを他のパートナー経由で再販できるようになったことで、パートナーは最新の脅威からお客様を守る最先端のセキュリティ・ソリューションをお客様に提供することができます。これは双方にとって有益な連携です。パートナーは事業を拡大できますし、お客様は先進的な保護を受けられます。」と述べています。
AWS Marketplace のセラーが顧客や収益を最大限維持し、更新戦略を加速できるよう 2 つの新機能を導入しました(関連英文ブログ記事)。1 つ目は、契約と更新のダッシュボードです。これにより、終了間近の契約をひと目で確認でき、更新の機会がある全ての契約リストを把握できます。2 つ目は、future dated agreements (FDA) です。この機能により、パートナーは AWS Marketplace 管理ポータルのプライベートオファー作成ページで、将来の開始日を指定して契約を作成できます。SaaS 契約および Contracts with Consumption Pricing (CCP) 更新のプライベートオファー作成プロセスで、将来の開始日を指定できます。
さらに、パートナーと顧客のつながりを深めるため、AWS Marketplace では顧客が製品リスト内から直接デモやプライベートオファーをリクエストできるようになりました。この効率化されたエクスペリエンスで、顧客は適切なパートナー担当者に素早くつながることができ、製品評価が加速し、ソフトウェア購入の価値実現時間が最適化されます。
次のステップ: プロフェッショナルサービスの AWS Marketplace 販売を開始するには、AWS Marketplace Professional Services をご覧ください。カスタマイズ可能な campaign-in-box リソースを活用し、効果的にセールス&マーケティングキャンペーンを実施できます。出品で製品のデモ機能を有効化したい AWS パートナーは、AWS Marketplace セラーガイド (デモとプライベートオファー) をご覧ください。
AWS パートナーセントラルと AWS Marketplace の統合でビジネスの生産性を向上
AWS Marketplace と AWS パートナーセントラルのアカウントを連携させているパートナーは、業務の効率化と、AWS Marketplace 上での製品掲載プロセスの合理化を実現しています。
6 月に、Accelerate your AWS Marketplace and AWS Partner Central Integration Journey を共有し、アカウント、ソリューション、オポチュニティをリンクする手順をご案内しました。AWS パートナーセントラルの「アナリティクス」タブに AWS Marketplace Insights dashboard が統合されたことで、パートナーはデータの可視性と深いインサイトを得て、ビジネス成長を加速できるようになりました。
Analytics and Insights Dashboard は、ビジネス成長を評価し最大化するために必要なデータの透明性を提供し、運用の手間と収益認識までの時間を短縮します。ビジネスインサイトには、オポチュニティの win/loss の傾向、地理的な強み/弱みなど、AWS からの案件紹介につながる主な属性が含まれます。
最新のアップデートは以下の通りです。
- AWS Marketplace のインサイトと APN データを 1 か所に統合しました。AWS Marketplace Collections や支払い、AWS Marketplace 請求額などが追加されました。
- 新しい Marketing Campaign と Training and Certification タブを追加しました。
- ファンドに関するインサイトを拡張し、オポチュニティおよびリードタブを改善しました。
CGI 社のコンサルティングサービス担当副社長兼グローバル AWS アライアンスリード、Rob Nash 氏は「こうしたダッシュボードがあれば、時間をかけてデータの可視化や集計をする必要がなくなり、大変助かります。」と述べています。
次のステップ: これらのデータインサイトを最大限活用するために、AWS パートナーセントラルアカウントと AWS Marketplace のセラーアカウントを連携させましょう。AWS パートナーセントラルユーザーは、自社のソリューショを AWS Marketplace の製品リストに連携することもできます。Validated および Differentiated ステージのパートナーは、パートナーセントラルの「アナリティクス」タブから Analytics and Insights にアクセスできます。詳細は、Analytics and Insights ユーザーガイド (ログイン必須) をご覧ください。
最新情報をご確認ください
私たちは、AWS パートナーエクスペリエンスの継続的な向上に取り組んでいます。革新的なツール、リソース、サポートを提供することで、急速に変化するクラウド環境の中でお客様が成功を収められるよう全力で支援します。
また、プログラム、インセンティブ、導入支援を AWS サービスやパートナーのビジネスモデルに合わせて提供することで、パートナーの AWS ジャーニーの各段階における機会を広げます。AWS Partner Profitability Framework に沿って、成長を後押しし、お客様への卓越した価値提供を促進します。
これらの新しいベネフィットやプログラムをご活用いただき、ご不明点がございましたら AWS パートナーチームにご相談ください。
AWS Partner Experience Transformation ブログシリーズを通じて、最新情報を引き続きご提供します。さらに、AWS Marketplace、プログラム、AWS パートナーセントラルの最新強化について What’s New でもご確認ください。