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Zocdoc は AWS で TensorFlow を使用し患者の信頼を築きます
ヘルスケア産業は複雑です。近年の調査では、半数以上のアメリカ人は、保険の取扱い範囲を理解するのが困難だと感じており、4 分の 3 のアメリカ人は医者が保険ネットワーク内にいるかどうかをもっと容易に確認する方法を望んでいます。
Zocdoc は、患者がこの迷路の中で行く方向を明らかにしていき、医療を受ける必要のある人に、より多くの情報に基づいた選択肢を与え、ニーズに合わせたケアを見つけることができるようにする上で役立ちます。AWS の深層学習は、Zocdoc の使命の核心部分にあり、患者を支援するために医療データを最適化するものです。TensorFlow の深層学習フレームワークを使用して構築されたアルゴリズムにより、Zocdoc は患者と医師をより効率的に照合します。全国平均では、新しい患者の待ち時間が平均 24 日であるのに対し、患者は 24 時間以内に予約を取ることができます。
「当社は、ヘルスケア分野で消費者に対応する企業として、患者のエクスペリエンスを改善するために、データ指向のイノベーションをもたらそうという熱意をもっています。当社の検索プロセスでは、複数のアルゴリズムを使用して患者の意図を解析し、患者のニーズを適切な専門家と照合させています」と Zocdoc の CTO Serkan Kutan は述べています。
深層学習による検索エクスペリエンス
Zocdoc の Insurance Checker では、患者は健康保険カードの写真を撮ることのみが必要です。このシステムは、深層学習をベースにしたコンピュータービジョンを使用して ID カードをスキャンし、正しいポリシー ID 情報を抽出します。Zocdoc のエンジニアリングチームとデータサイエンスチームは、さまざまな種類の ID カードを解読するのが困難であるという課題に直面しましたが、AWS のクラウドベースの GPU サーバーを使用して、わずか 1 日でニューラルネットワークの PoC(実証支援)を作成することができました。
Insurance Checker は、会員 ID 情報を抽出した後、患者の健康保険付保範囲をリアルタイムで確認し、ネットワーク内の保険給付と、予測される自己負担金を確認します。
患者が自分の健康保険付保範囲を理解している場合でも、何週間も予約待ちをしている患者と、より速く予約が取れる意思の間でのミスマッチが起こることがよくあります。Zocdoc は、患者を適切でネットワーク内の予約可能な医師と照合する、機械学習をベースにしたデジタルのヘルスマーケットプレイスを提供します。
Zocdoc のデータサイエンスダイレクター、Brian D’Alessandro は次のように述べています。「当社では、深層学習を利用して、保険カードの画像を保険会社とプランに分類し、主要テキストフィールドを抽出して読み込み、患者が付保範囲を把握し、最も適切な医者を見つける支援をしています。」
詳しい背景情報
Zocdoc は、その識別と照合システムのために TensorFlow を使用しています。このシステムは、画像分類、画像切り抜き、および光学式文字認識 (OCR) を同時に行うために、コンピュータビジョンおよびディープニューラルネットワークを使用します。OCR は既に十分に確立された領域なので、Zocdoc チームは既存のサービスの使用を模索しました。しかし、顧客が送信した写真の画質のばらつき (ぼやけ、サイズ、背景、向きなどの要素) に対応できる柔軟性を持つものはないということがわかりました
Zocdoc システムでは、ベース畳み込みニューラルネットワーク (CNN) 分類モデル、アラインメントモデル、および OCR モデルを含む 3 つの深層学習モデルを使用しています。各モデルは、Insurance Checker 製品を支援する特定のパラメータを使用してアルゴリズムをトレーニングします。たとえば、ニューラルネットワークのベースモデルは、ユーザー画像を入力として取り込み、保険会社 ID およびプラン ID、会員 ID の境界ボックスの座標の位置、およびテキストの向きで構成される出力を作成します。
何百万ものラベル付き患者の保険カードでトレーニングしたこれらのモデルの組み合わせを使用して、Zocdoc はほぼ 90% の精度を達成することができました。これは患者自身の入力よりも正確でした。この時点で、Zocdoc は Insurance Checker ソリューションを本番に投入しました。継続的なトレーニングとより多くの顧客データの可用性を通じて、精度のレベルは向上し続けています。
まとめ
現在、Zocdoc は 100%、AWS上で実行されています。同社は AWS 深層学習 AMI を使用して、深層学習フレームワークを実行しています。このトレーニングは、Python で Keras ライブラリを使用し、各モデルについて TensorFlow バックエンドを複数日間使用して、8 個の GPU サーバー(Amazon EC2 p2.8xlarge インスタンス) で実行されました。チームは、深層学習を使用している顧客のプロトタイプ機能は、顧客が本番対応のソリューションを得る上で役立つ高速の反復的なプロセスとなる場合があることを発見しました。
今回のブログの投稿者について
Cynthya Peranandam は、AWS 人工知能ソリューションのプリンシパルマーケティングマネージャーです。ユーザーがビジネス価値の提供を実現できるように、ディープラーニングの使用をサポートしています。余暇にはジョギングをしたり音楽鑑賞を楽しんでいます。