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より低コストで高い性能を実現:SQL ServerのコストパフォーマンスでAWSがAzureを上回る
元の記事:https://thinkwithwp.com/blogs/compute/sql-server-runs-better-on-aws/
本投稿は Fred Wurdenによる記事を翻訳したものです。
AWSのR5b.8xlargeインスタンスが、SQL Serverワークロードを稼働させる上でAzure E64_32s_v4より低いコストで高いパフォーマンスを発揮
このブログでは、2021年2月25日にPrincipled Technologies社により発行されたベンチマーク資料をレビューしていきたいと思います。このベンチマークによると、同じSQL Serverワークロードを稼働させる上で、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)のR5b.8xlargeインスタンスがAzure E64_32s_v4 VMよりも低いコストで高い性能を発揮しています。
検証の背景:なぜAWS EC2 R5bインスタンス上のSQL Serverは、より低いコストで高い性能を発揮できたか
Principled Technologies社は、SQL Server 2019上のオンライントランザクション処理(OLTP)ワークロードを、Amazon Elastic Block Store(EBS)をストレージに採用したAmazon EC2 R5bインスタンスとAzure E64_32s_v4の両方でテストしました。この特定のAzure VMがR5bインスタンスと同等のものとして選ばれた理由は、IOPSが同等の仕様である点、同じ世代のIntel Xeonプロセッサー(Cascade Lake)を採用している点、そしてコア数が同じ(32コア)である点があげられます。ストレージに関しても、Principled Technologies社はAzure VMとEC2インスタンス(Amazon EBSを利用)において同様の設定を適用し、それぞれIOPSを仕様上最大値まで引き出すようテストすることによって両者間の直接的な比較を試みました。
テスト設定
ベンチマーク実施の際、Principled Technologies社はHammerDB v3.3ツールを利用しTPC-CのようなOLTPワークロードを両者に対して実行し、分毎の新規注文数(New Orders Per Minute, NOPM)でパフォーマンスを測りました。NOPM値は架空のシリアル化されたビジネスワークロードにおいて、1分間に処理した新規注文のトランザクション数を表します。HammerDBによると、NOPMは「データベースの特定の実装方式に依存しないため、最も推奨されるメトリクスである」とのことです。
結果:AWS EC2 R5bで稼働するSQL Serverは、Azure VMに比べ62%安価ながら2倍高い性能を記録
Principled Technologies社のテストレポートは、コストパフォーマンス及び性能の比較結果を見せてくれています。左のグラフは性能のメトリクスである分毎の新規注文数(NOPM)を表しており、数が多いことが望ましいです。右のグラフはオンデマンドのライセンス込みSQL Serverインスタンスで1,000 NOPMのパフォーマンスを達成できるストレージの構成を稼働させるためのコストを表しており、金額が小さいことが望ましいです。
Intel Xeon Scalableプロセッサ搭載のEC2 r5b.8xlargeインスタンスは、類似したIntel Xeon Scalableプロセッサを搭載したAzure E64_32s_v4 VMと比較したHammerDBベンチマークにおいて、より優れたSQL Server NOPM性能と、より少ない1,000 NOPMあたりのコストを記録しました。
さらに、AWSのストレージのコストパフォーマンスもAzureを上回りました。同価格でAzureのマネージドディスクの方がEBSより53%容量が大きいですが、EC2インスタンスとEBSストレージの組み合わせは、Azure VMとマネージドディスクの組み合わせより24%安価です。もしAzureのストレージサイズを縮小し、差分を減らしたと仮定しても(実際には縮小できません)、EBSの方が1 GB毎の利用料金においてAzureマネージドディスクより13%安い計算になります。
AWSがWindowsとSQL Serverワークロード向けに最適なクラウドである理由
私たちにとってはこの結果に驚きはありません。実は、多くのお客様が12年間AWS上でWindowsを稼働させてきた中で経験した成功の裏付けになっていると感じます。PearsonやExpedia等多くのお客様が、Windows・SQL Server・.NETワークロードをAWSに移行することにより優れた性能とコスト削減の恩恵を受けました。RepricerExpressは、WindowsとSQL Serverの環境をAzureからAWSに移行することにより、アウトバウンドネットワーク通信のコストを削減しつつ、性能と俊敏性を向上させることができました。
AWSはWindowsワークロード向けに優れたコストパフォーマンスを提供するだけでなく、クラウド上でWindowsを稼働させるより良い方法をご用意しています。既存のデータベースをEC2にリホストするにも、Amazon Relational Database for SQL Server(RDS)を利用しマネージドサービスに移行するにも、はたまたクラウドネイティブなデータベースにモダン化するにも、AWSはお客様がクラウドを最大限ご活用いただけるよう必要なサービスを揃えてお待ちしています。
翻訳はソリューションアーキテクトRyan Choが担当しました。原文はこちらです。
Windows ServerやSQL Serverの移行に関してさらに詳しく知りたい場合は、「AWSでのWindows」ページをご参照ください。