Amazon Web Services ブログ
Amazon Connectのモジュールを活用して問い合わせフロー管理を簡素化する
コンタクトセンター体験においてカスタマージャーニー全体を通して必要な、繰り返し可能なロジックがあることがよくあります。Amazon Connect のモジュールを活用して、問い合わせフロー管理を簡素化する方法を見ていきます。問い合わせフローロジックを一度作成し、それを他の問い合わせフローから参照できるということは、休日チェック、認証、カスタムの繰り返し可能なビジネスロジックなどの実装を容易にするというお客様の要望でした。このお客様の要望に応えるため、問い合わせフローのモジュールエディターという新しいセキュリティロールを導入しました。これにより、ユーザーは、既存および新規の問い合わせフローの両方から呼び出すことができる問い合わせフローモジュールを作成、更新、公開できます。これにより、ユーザーはロジックの一部を問い合わせフローモジュールとして一度作成して公開したら、実装するたびにロジックを管理しなくても、多くの問い合わせフローで再利用できます。問い合わせフローモジュールへの変更は、それを呼び出すすべてのフローに影響します。チェックが必要なすべてのフローでこのロジックを複数回管理する代わりに、会社の休日チェックをすべて処理するモジュールがあるとします。一度ビルドして、プログラミングのサブルーチンと同様に呼び出します。さっそく見ていきましょう。
ソリューションの概要
このソリューションでは、ロジックをモジュールにカプセル化し、別の問い合わせフローから呼び出す方法を示します。Amazon Connect 管理コンソールで、新しいブロック「Invoke module」を使用する問い合わせフローを作成します。これにより、モジュールに通話を転送し、このモジュールから呼び出しが戻ったときにも問い合わせフローのロジックを継続できます。最初の問い合わせフローでは、発信者が「営業」または「サポート」のどちらをコールしているかが判断され、コールが転送される前に発信者の認証を処理するモジュールを呼び出します。これはデモンストレーションのためだけなので、モードで口座番号と郵便番号を収集し、郵便番号が「12345」に設定されている場合は「AuthStatus = true」を返します。「AccountNumber」と「AuthStatus」は連絡先属性として保存され、通話が通話中の問い合わせフローに戻った後に参照できます。
Amazon CloudWatch Logsで確認することで、モジュールがどのように呼び出され、コントロールが呼び出しフローに送り返されるかの詳細を確認できます。
前提
このブログ投稿では、次の前提条件を満たす必要があります。
- AWS アカウント
- 既存の Amazon Connect インスタンス
- AWS サービスへのアクセス
- Amazon CloudWatch のロググループを参照するためのアクセス権
ソリューションのセットアップ
以下の手順では、Amazon Connect と Amazon CloudWatch に関する実用的な知識があることを前提としています。これらのサービスを使用して基本的な管理タスクを実行する方法については、以下を参照してください。
手順1 : Amazon Connect のセキュリティプロファイルにアクセス権限を追加して、問い合わせフローモジュールを管理する
- Amazon Connect インスタンスにサインインする
- Amazon Connect インスタンスの「User」タブに遷移する
- 「Security profiles」を選択する
- 一覧から問い合わせフローモジュールを管理するセキュリティプロファイルを選択する
- 「Numbers and flows」を選択する
- 「Contact flow modules」で「All」のチェックボックスを選択する
- 画面左下の「Save」を選択する
手順2 : Amazon Connect インスタンスに問い合わせフローモジュールをインポート、および構成する
- 事前定義の問い合わせフローモジュールをダウンロードする
- Amazon Connect インスタンスにサインインする
- Amazon Connect インスタンスの「Routing」タブに遷移する
- 「Contact flows」を選択する
- 「Modules」を選択する
- 画面右上の「Create flow module」ボタンを選択する
- Save の横にあるドロップダウンを選択し、「import flow」を選択する
- 「Select」を選択し、ダウンロードした mod-Authentication ファイルを選択する
- 「Import」ボタンを選択する
- 問い合わせフローモジュールを保存、および公開すると、モジュールフローの詳細が見られます
手順3 : Amazon Connect インスタンスに問い合わせフローをインポート、および構成する
- 事前定義の問い合わせフローをダウンロードする
- Amazon Connect インスタンスにサインインする
- Amazon Connect インスタンスの「Routing」タブに遷移する
- 「Contact flows」を選択する
- 「Contact flows」タブを選択する
- 画面右上の「Create contact flow」ボタンを選択する
- Save の横にあるドロップダウンを選択し、「import flow」を選択する
- 「Select」を選択し、ダウンロードした A-Main-Flow ファイルを選択する
- 「Import」ボタンを選択する
- 問い合わせフローモジュールを保存、および公開すると、モジュールフローの詳細が見られます
手順4 : 問い合わせフローをDID/トールフリー番号に関連付け、モジュールをテストする
- 電話番号を取得し、手順3でインポートした「A-Main-Flow」問い合わせフローをロードする。手順5に進む
- 取得済みの電話番号を使う場合は、Amazon Connect インスタンスの「Routing」タブに遷移する
- 「Phone numbers」を選択する
- 問い合わせフローを割り当てたい電話番号を選択する
- 「Contact flow / IVR」一覧から「A-Main-Flow」を選択する
- 「Save」ボタンを選択する
- 「A-Main-Flow」問い合わせフローに割り当てた電話番号に電話をかける
- プロンプトに従ってアカウント番号と郵便番号を入力する。認証を成功させるために、郵便番号として「12345」を入力する。認証を失敗させるためには、ランダムな5桁の数字を入力する。この体験は作成した新しいモジュールでキャプチャーされ、問い合わせ属性が認証結果で更新される
- モジュールを呼び出した問い合わせフローから認証結果が聞こえ、問い合わせフローとモジュール間でデータを共有/受け渡す方法を示します。
手順5 : Amazon CloudWatch Logs でAmazon Connect モジュールを追跡する
- AWS マネジメントコンソールにサインインし、CloudWatch に移動する
- 左のナビゲーションバーにてロググループを選択する
- 一覧から「/aws/connect/{your-instance-alias}」を選択する
- 一覧から最新のロググループを選択する
- 以下はフローモジュールを実行したことを示す CloudWatch Logs からの抜粋です
{
"ContactId": "4f4ef161-00bd-4398-a89b-c727dff71259",
"ContactFlowId": "arn:aws:connect:us-west-2:5930xxxxxxxx:instance/193f1b67-3fea-46ff-abf7-8a25ca45866f/contact-flow/2604bf25-3ac3-4a19-b224-bcc258e117f9",
"ContactFlowName": "A-Welcome-Flow",
"ContactFlowModuleType": "InvokeFlowModule",
"Timestamp": "2021-11-14T21:09:48.279Z",
"Parameters": {
"FlowModuleId": "752ce8ff-8e0c-4cd9-85b0-5f8a7a2b2b67"
}
}
- 以下は呼び出し元の問い合わせフローとモジュールを指すフローモジュールのエントリーを示す CloudWatch Logs からの抜粋です
{
"ContactId": "4f4ef161-00bd-4398-a89b-c727dff71259",
"ContactFlowId": "arn:aws:connect:us-west-2:5930xxxxxxxx:instance/193f1b67-3fea-46ff-abf7-8a25ca45866f/flow-module/752ce8ff-8e0c-4cd9-85b0-5f8a7a2b2b67",
"ContactFlowName": "mod-Authentication",
"ContactFlowModuleType": "SetLoggingBehavior",
"Timestamp": "2021-11-14T21:09:48.527Z",
"Parameters": {
"LoggingBehavior": "Enable"
},
"ModuleExecutionStack": [
"arn:aws:connect:us-west-2:5930xxxxxxxx:instance/193f1b67-3fea-46ff-abf7-8a25ca45866f/flow-module/752ce8ff-8e0c-4cd9-85b0-5f8a7a2b2b67",
"arn:aws:connect:us-west-2:5930xxxxxxxx:instance/193f1b67-3fea-46ff-abf7-8a25ca45866f/contact-flow/2604bf25-3ac3-4a19-b224-bcc258e117f9"
]
}
- 以下はフローモジュールが終わり、呼び出し元の問い合わせフローに戻ったことを示す CloudWatch Logs からの抜粋です
{
"ContactId": "4f4ef161-00bd-4398-a89b-c727dff71259",
"ContactFlowId": "arn:aws:connect:us-west-2:5930xxxxxxxx:instance/193f1b67-3fea-46ff-abf7-8a25ca45866f/flow-module/752ce8ff-8e0c-4cd9-85b0-5f8a7a2b2b67",
"ContactFlowName": "mod-Authentication",
"ContactFlowModuleType": "ReturnFromFlowModule",
"Timestamp": "2021-11-14T21:10:17.660Z",
"Parameters": {},
"ModuleExecutionStack": [
"arn:aws:connect:us-west-2:5930xxxxxxxx:instance/193f1b67-3fea-46ff-abf7-8a25ca45866f/flow-module/752ce8ff-8e0c-4cd9-85b0-5f8a7a2b2b67",
"arn:aws:connect:us-west-2:5930xxxxxxxx:instance/193f1b67-3fea-46ff-abf7-8a25ca45866f/contact-flow/2604bf25-3ac3-4a19-b224-bcc258e117f9"
]
}
後片付け
今後の課金が発生しないように、手順4 でテスト目的で取得した電話番号をリリースします。
まとめ
このブログ投稿では、Amazon Connect 問い合わせフローモジュールを活用して問い合わせフローをモジュール化し、顧客の識別と認証に再利用する方法を紹介しました。SMSの送信、銀行残高の確認、パスワードのリセットなど、さまざまなユースケースに同じフレームワークを使用できます。
関連リンク
このソリューションの作成に使用されたテクノロジまたは機能の詳細については、以下を参照してください。
原文: https://thinkwithwp.com/jp/blogs/contact-center/simplify-contact-flow-management-by-leveraging-modules-in-amazon-connect/
翻訳: ソリューションアーキテクト 松本 和久