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Amazon QuickSight – セッション単位の新料金、新リージョン(東京)、多数の新機能

Amazon QuickSightは、高速かつ容易に利用できるビッグデータ用のビジネス・アナリティクスサービスです。QuickSightはデータウェアハウスであるAmazon Redshiftや、Amazon Relational Database Service (RDS)に蓄積されたデータやAmazon S3に保存されたフラットファイル、もしくはコネクター経由でオンプレミス環境にあるMySQL、PostgreSQL、SQL Server等にアクセスし、企業が保持する多様なサイズや形式のデータを分析する事を可能にします。QuickSightは数十、数百もしくは数千人規模の組織に対して、必要な性能をスケールして提供可能です。

本日、QuickSightの新しいセッション単位の新しいプライシングに加えて、サポートリージョンの追加、および重要な新機能をローンチします。ではそれぞれを見ていきましょう。

セッション単位のプライシング (Pay-Per-Session)

お客様はQuickSightが提供する、各種データソースへの接続機能、レポートの作成、可視化をフルにご活用いただいています。

しかし、組織内のすべての方が作成者(Ahthors )としてのQuickSightの機能を必要とはしていません。事前に組織で準備されたダッシュボードにアクセスでき、データをドリルダウンしながら閲覧したり、フィルタリングやデータの一部の切り出し機能があれば十分ニーズに足りるというユーザも多いことでしょう。このようなユーザの方は利用頻度が少ない場合もあり月払いや年払いサブスクリプションのような固定的な支払いの選択が難しく、結果としてこういったカジュアルユーザーはデータ/BIへのインタラクティブなアクセスをあきらめてしまっていました。

組織内の全てのユーザに、インタラクティブなダッシュボードやレポートへのアクセスを可能にするため、Amazon QuickSightのEnterprise Editionに”Readers”という新しいプライシングを追加します。Readersは使った分だけの料金でダッシュボードにアクセスできます。これにより、QuickSightのユーザはAdmins(管理者)、Authors(作成者)、Readers(閲覧者)の3種類になり、それぞれで利用可能な機能や料金が異なります:

Authorsは、QuickSightをフルに活用できます。データベース接続を作成し、新しいデータをアップロードし、アドホックにビジュアルを作成し、それをダッシュボードとして他ユーザと共有することができます。Standard Editionでは1ヶ月あたり1ユーザ$9、Enterprise Editionでは1ヶ月1ユーザあたり$18です(どちらも1年契約の場合)。

Readersは、QuickSightのセキュアな環境の中でダッシュボードを閲覧し、データをドリルダウンし、画面上に表示されたフィルター設定を変更し、CSV形式でデータのダウンロードが可能です。費用は30分の利用あたり$0.30です。ただし最大でも1ヶ月1ユーザあたり$5までの上限が設定されています。つまり全く使わなければゼロで、とても多く使った場合でも$5の費用です。ReadersはEnterprise Editionでのみ選択可能です。

AdminsはAuthorsが持つ全ての機能に加えて、ユーザ管理とSPICEキャパシティの追加購入の機能を持ちます。今回の追加によりAdminsは組織内の新しいユーザを追加する際に、AuthorかReaderかを設定できるようになりました。Readerの場合は利用しなければ費用が発生しないため、月額の固定費用無しに組織全てにQuickSightへのアクセスを提供し、実際に利用した分のみの支払いを実現できます。

より詳細にはQuickSightの料金ページをご確認ください。(訳注:執筆時点では新料金のページが英語のみです)

新リージョン(東京)

QuickSightが東京リージョン(Asia Pacific (Tokyo))でご利用可能になりました:

現在GUIは英語ですが、これのローカライズも現在進行中です。

1時間単位のSPICEデータリフレッシュ

Enterprise Editionでは、SPICEデータセットのリフレッシュタイミングを最小1時間に設定可能になりました。これまではデータセットのリフレッシュは1日あたり最大5回に制限されていました。より詳細にはRefreshing Imported Dataをご確認ください。(訳注:本稿執筆時点では日本語マニュアルがまだ最新版に翻訳されていないため、英語版をご確認ください)

プライベートVPC内のデータへのアクセス

去年プレビューという形で公開していた機能です。これが一般公開になり、Enterprise Editionにて御利用いただけるようになりました。以前にもお伝えしましたように、この機能はパブリックへの接続を持たないデータソースへのアクセスをセキュアかつプライベートな接続で実現します。この機能とAWS Direct Connectを組み合わせることでオンプレミス環境のTeradataやSQL Serverにもプライベート接続を実現可能です。より詳細にはWorking with Amazon VPCをご確認ください。

パラメータとオンスクリーンコントロール

QuickSightのダッシュボードに、パラメータ(引数)を設定し、それを画面上のドロップダウンメニューから設定できるようになりました。パラメータのデフォルト値はユーザ名ベースで変更することが可能です(QuickSightではこれをダイナミックデフォルトと呼びます)。例えば、デフォルト値をユーザのオフィス所在地や、部署、販売担当領域ベースでセットする事が可能です。スクリーンショットを以下に掲載します:

より詳細には、Parameters in QuickSightをご確認ください。

URLアクションとリンクダッシュボード(Linked Dashboards)

ビジュアルに対してURLアクションを設定することで、QuickSightのダッシュと外部アプリケーションを接続することが可能になりました。アクションには引数(パラメータ)をDetailsメニューの中で設定することが可能です。以下のように設定できます:

この機能により、例えばSalesforceのアカウントページや詳細情報へのリンクを作成することが可能になります。詳細はCustom URL Actionsご確認ください。

ダッシュボード共有の拡張

アカウント内の全ユーザにダッシュボードを共有できるようになりました。

より大きなSPICEキャパシティ

SPICEでは1データセットあたり10GBという制限がありましたが、これが25GBに拡張されました。

Enterprise Editionへのアップグレードパス

QuickSightの管理者は数クリックでStandard EditionをEnterprise Editionにアップグレードできるようになりました。Enterprise Editionにアップグレードすることにより、セッション単位の支払いであるReadersの選択、VPC内へのプライベートアクセス、ダッシュボードやデータセットでの行レベルセキュリティ、1時間単位のSPICEのリフレッシュが利用可能になります。アップグレード後に、Enterprise Editionの料金が適用されます。

本日より御利用いただけます!

説明したすべての機能は、本日(2018/5/31)より御利用いただけます!

QuickSightには60日間の無料トライアルがあります。また2018/6/20にはQuickSightのオンラインセミナー(英語)も予定しています。

Jeff;

翻訳:下佐粉 昭 (@simosako)

原文:https://thinkwithwp.com/jp/blogs/aws/new-pay-per-session-pricing-for-amazon-quicksight-another-region-and-lots-more/