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新機能 – Amazon Elastic File System (EFS) の低頻度アクセスストレージクラス
Amazon Elastic File System で作成できるペタバイト規模のファイルシステムは、数百数千規模の EC2 インスタンスおよびオンプレミスサーバーからの大量の並列アクセスを処理可能なうえに、アプリケーションを中断させることなくオンデマンドでスケーリングできます。EFS では 2016 年半ばのサービス開始以来、保管および転送時のデータの暗号化、大量のスペースを占有することのないファイルセットに高スループットアクセスが求められる場合に使用できるプロビジョニングされたスループットオプション、AWS Direct Connect 経由のオンプレミスアクセス、EFS File Sync、AWS VPN およびインターリージョン VPC ピアリングのサポートなど、多数の新機能を追加提供してまいりました。
低頻度アクセスストレージクラス
今回は、AWS re:Invent でも予告しましたが、新しい Amazon EFS の低頻度アクセスストレージクラスについてお知らせいたします。EFS ファイルシステムのための新しいライフサイクル管理オプションの一環として、過去 30 日間アクセスされなかったファイルを、料金が 85% 低いストレージクラスに移動させたいと皆さんが意思表示できるようになりました。新しい EFS ファイルシステムを作成すると、ライフサイクル管理を使用できるようになっています。また、本日のローンチの時点とそれ以降に作成されたファイルシステムについてはあとで有効化できます。
新しいストレージクラスは完全に透過的です。ファイルには移動後も必要に応じて通常の方法でアクセスでき、コードまたは運用上の変更は必要ありません。
低頻度アクセスストレージクラスは、監査要件および記録保存要件への準拠、通常のファイル操作で復元可能なニアラインバックアップの作成、不定期ベースでデータでも手もとに置いておきたいようなケースに使用できます。
ここで、留意するべきことがいくつかあります。
対象ファイル – 128 KiB 以上で、少なくとも過去 30 日間にわたってアクセスも変更もないファイルは、新ストレージクラスに移行可能です。ファイルのメタデータの修正はファイル自体の変更ではないため、移行対象となります。
優先度 – 低頻度アクセスへファイルを移行するオペレーションは、ファイルシステム上のほかのオペレーションよりも低い優先度で実行されます。
スループット – ユーザーのファイルシステムがバースティングモードに設定されている場合は、標準クラスのストレージ量でスループットが決まります。設定されていない場合は、プロビジョニングされたスループットが適用されます。
ライフサイクル管理が実現
ライフサイクル管理を有効にして、低頻度アクセスストレージクラスのメリットを享受するにはワンクリックするだけです。
前述の通り、このファイルシステムを作成時にチェックを入れるか、今後作成するファイルシステムについてはあとで有効にできます。
30 日間一度も読み書きされなかったファイルは低頻度アクセスストレージクラスに移行されますが、皆さんのほうでやっていただくことは何もありません。標準アクセスクラスのファイルは 1 桁ミリ秒台のレイテンシーでアクセスできますが、低頻度アクセスクラスは 2 桁ミリ秒台前半のレイテンシーです。皆さんに次回送付される AWS の請求書では両方のストレージクラスの使用量をお知らせしますので、どれくらいコストが削減されたかご覧になってください。
今すぐ利用可能です!
新機能は、EFS が使用可能なすべての AWS リージョンで本日より、今すぐにご利用になれます。低頻度アクセスストレージの料金は、米国東部 (バージニア北部) リージョンで GB あたり月額 0.045 USD で、ほかのリージョンでも同様に低料金となっております。低頻度アクセスストレージへの読み書きについては、データ転送料金として GB あたり 0.01 USD を別途申し受けます。
AWS のすべてのサービスや機能と同様に、機能の初期セットと本当に強力なロードマップをご用意しております。 その一例としては、ライフサイクル管理にもう少し柔軟性を持たせる方向で取り組んでいます。そのため、ユーザーの皆さんがどんな時間やルールを望まれているか、もっと学習していきたいと考えています。
— Jeff;
追伸 – AWS DataSync は、皆さんがすでにお持ちのオンプレミスストレージと EFS 間のデータの自動転送を高速、簡便にするお手伝いをします。