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ハードウェアにダイレクトアクセスを提供するAmazon EC2 Bare Metal (ベアメタル)インスタンス

お客様からAWSへの優れたリクエストをいただく際、私達は詳細に要望をお聞きし、多くの質問をし、理解をしてニーズに応えられるようベストを尽くしています。これらの活動の結果として私達はサービスや新機能をリリースしています。 一方で私達は決して特定のお客様専用の一度きりの仕組みを作りこんだりはしません。その方法は混乱を生み、スケールさせる事を困難にしますし、私達のやり方ではありません。

そうではなく、全てのAWSのお客様は私達が作ったもの全てにアクセスでき、全員が利益を得ることが出来ます。VMware Cloud on AWSがこの戦略での良い実例でしょう。VMware社は私達に、VMwareの仮想化スタックをAWSクラウドのハードウェア上で直接稼働させたい、それによってお客様がAWSがオファーする拡張性、セキュリティ、信頼性を手に入れることが出来るとリクエストしました。

私達は仮想化層をネストする事によるパフォーマンス低下を望んでいない他のお客様からもベアメタルハードウェアに興味があると聞いていました。お客様は物理リソースにアクセスし、パフォーマンスカウンターIntel® VTといった、仮想化環境では通常サポートされないローレベルのハードウェア機能を利用したいと考えていました。また、非仮想化環境でしか稼働できないライセンスのソフトウェアを稼働させるために必要としている方もいました。

ネットワーク、ストレージ、その他EC2関連機能を仮想化プラットフォームの外に出して、専用ハードウェアに移動させる努力を数年間に渡って続けてきており、より良い環境を提供できるための下地が出来ています。この活動は以前のこのブログ(今すぐご利用可能 – Amazon EC2 コンピューティング最適化インスタンス C5)で紹介しており、ハードウエアアクセラレーターでの性能向上を提供できています。

そして現在ではVMware社からのリクエストにあったように、ベアメタルのハードウェアをVMwareハイパーバイザーとともに用意し、これまで通り全てのAWSのお客様に提供しています。では次は何が出来るようになるのか、ぜひ見てみましょう!

新しいベアメタルインスタンス(Bare Metal Instance)
本日、私達はi3.metalインスタンスのパブリックプレビューを開始します。これは新しいEC2インスタンスのシリーズであり、クラウドで得られるメリットを失わずにOSが直接下層のハードウェアにアクセスできます。このインスタンスでは、プロセッサーや他のハードウェアに直接アクセスができ、以下のスペックを有しています:

  • プロセッサ – 2つのIntel Xeon E5-2686 v4 (2.3GHz), ハイパースレッディングされた36コア(72論理プロセッサ)
  • メモリ – 512GiB
  • ストレージ – ローカルストレージとして15.2TB、SSDベースのNVMeストレージ
  • ネットワーク – 25 Gbps (ENAベースの拡張ネットワーキング)

Bare MetalインスタンスはEC2ファミリーの正式な一員であり、Elastic Load BalancingAuto ScalingAmazon CloudWatchオートリカバリー等といった機能を利用できます。このインスタンスからはAWSの各種データベースIoTモバイル分析(アナリティクス)AIセキュリティサービスにアクセスできます。

プレビューが始まっています
本日よりBare Metalインスタンスのパブリックプレビューを開始します; お試しになりたい場合はぜひサインアップをしてください。

これにより、特殊なアプリケーションや、仮想化コンポーネント込みの独自のスタックをAWS上に移行し、Bare Metalインスタンス上で稼働される事が可能になります。コンテナを利用する事を検討されているなら、CoreOSをホストする環境として非常に魅力的でしょう。

新しいC5インスタンス上で動くAMIは、I3 Bare Metalインスタンスでも稼働できるはずです。これらのイメージはENAとNVMeのドライバーが含まれており、ENAとしてタグ付けされているはずです。

— Jeff;

原文:https://thinkwithwp.com/jp/blogs/aws/new-amazon-ec2-bare-metal-instances-with-direct-access-to-hardware/

翻訳:下佐粉 昭(@simosako