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クラウドにおける色:AWS での Baselight を使用した映画とテレビのカラーグレーディングとフィニッシング
※このブログは ”Color in the Cloud: Motion picture and television color grading and finishing on AWS with Baselight” を翻訳したものです。
カラーグレーディング、VFX 合成、デジタル・インターミディエイト、フィニッシング、マスター品質制御などの忠実度の高いカラーモニタリングを必要とする映画やテレビのワークロードは、Teradici’s CAS や AWS NICE DCV などのピクセルストリーミングクライアントの従来の 8 ビット 4:2:0 sRGB 色空間の制限によってクラウドでの実行が妨げられてきました。( NICE DCV は最近、4:4:4 10bit YCbCr をサポートする特定のユースケース向けに拡張されました)これらのポストプロダクションアクティビティには、通常、10 ビットまたは 12 ビットの色深度、 4:4:4 または 4:2:2 のクロマサブサンプリングが要求され、作業中の成果物に正しい色空間(通常、Rec.709、Rec.2020、または DCI-P3 )が要求されます。これらのビデオ信号はビットレートが高く、これまで、これらのユースケースでは損失の多く信頼できない HEVC などのコーデックを使用せずにクラウドから効率的に出力することは困難でした。クラウドベースのカラーおよびフィニッシングソリューションを実行するための要件は 3 つあります。1)視覚的にロスレスなコーデックの使用、2)低レイテンシのエンコーディング、3)アーティストの体験のためのリソースを全てのワークステーションの演算から解放する。
AWSElementalMediaConnect (ライブビデオ用の高品質の伝送サービス)、 AWS Cloud Digital Interface(CDI)(AWS クラウド内で高品質の非圧縮ビデオを転送できるネットワークテクノロジー)をブロードキャストプレイアウトとしての使用目的から転用すると、上記の課題に対するソリューションを提供します。JPEG-XS (圧縮率 2:1 から 12:1 (またはそれ以上)の軽量画像コーディングシステム(www.intopix.com)- ロスレス品質を維持)を活用することで、これらのシグナルを圧縮して、AWS Direct Connect、AWS VPN またはオープンインターネットを介して、ロスレスまたは「妥協のない」画質を維持しながら適切に送信することができます。トランスコーディングは AWS マネージドメディアサービスにオフロードされるため、アーティストのエクスペリエンスを損なう演算やグラフィックのオーバーヘッドはありません。結果として、クラウドプロバイダーからの忠実度の高い視覚的ロスレスカラーの実行可能でスケーラブルなソリューションになります。
MediaConnect は現在、Rec.709 および Rec.2020 で 4:2:2 10 ビットの JPEG-XS をサポートしています。4:4:4 および 12 ビットは相互運用性テストでサポートされており、リリース日は未定です。
Baselight のカラーグレーディング
AWS が FilmLight とのパートナーシップを発表できたことを嬉しく思います。Baselight は AWS Cloud Digital Interface をサポートしました。 CDI のサポートにより、クラウド内の Baselight ユーザーは、Amazon Elastic Cloud Compute(Amazon EC2) インスタンスをオンプレミスのプロフェッショナルグレーディングモニターに接続できます。
Baselight は、映画、テレビ、コマーシャルのポストプロダクション全体でプロジェクトをクリエイティブに仕上げるための包括的なツールセットを提供するカラーグレーディングおよびフィニッシングです。 FilmLight は研究、設計、製造業務を中心に行う本社をロンドン置いています。Filmlight と Baselight の詳細については、www.filmlight.ltd.ukをご参照下さい。
RiedelとEvertzによるデコード
JPEG-XS 信号をデコードするには、ハードウェアデコーダーデバイスが必要です。 いくつかの AWS パートナーネットワーク( APN )企業は、このワークフローと互換性のあるデコーダーを開発しました。 Riedel Fusion 6 デバイスはデスクトップに設置できるほど小さく、筐体の形状や寸法が気になる方に最適です。Evertz のいくつかの試験済みデバイスもクラウドのカラーワークフローで利用できます。これらのデバイスの詳細については、www.riedel.net または www.evertz.com をご参照下さい。これらのデバイスは現在、4:2:2 10 ビットワークフローをサポートするために利用可能であり、AWS Elemental MediaConnect で進行中の 4:4:4 12 ビットの拡張をサポートするためのテストが進行しています。
アーキテクチャ
AWS クラウドにおける色処理のワークフローは、いくつかの AWS Elemental 製品に依存しています。AWS Cloud Digital Interface(CDI)、AWS Elemental MediaConnect、ビデオエンコーディング用の AWS Elemental MediaLive、コンテンツのパッケージ化と配信用の AWS Elemental MediaPackageです。オープンソースの SDK である CDI は、非圧縮ビデオをアプリケーションから AWS Elemental 製品群に転送するために、グレーディング、デジタル・インターミディエイト、VFX、または品質管理アプリケーションに統合できます。その後 MediaConnect は非圧縮のビデオ信号を受信し、次のいずれかまたは両方を実行します。
1)プライマリグレーディングモニタリング– JPEG-XS エンコーディングおよび SMPTE ST2110-22 を介した伝送:
MediaConnect は、IntoPix JPEG-XS エンコーディングライブラリで拡張されています。 これにより、非常に低遅延のエンコードと、AWS Direct Connect またはオープンインターネットを介した送信のために制御しやすい信号の圧縮が可能になります。 その後、IP ベースの JPEG-XS デコーダーが信号を非圧縮ビデオに変換し、SDI または HDMI 経由でグレーディングモニターにフィードバックします。
2) セカンダリ監視ビュー – HEVC エンコーディングと HTTP ライブストリーミングを介した伝送:
このオプションを有効にすると、MediaConnect はCDI を介して補助信号を MediaLive に生成します。 MediaLive は、HLS 可変ビットレートストリーミングバリアントを HEVC(h.265) または AVC(h.264) のいずれかでエンコードします。これらのバリアントは MediaPackage に渡され、そこで HLS パッケージの形成に使用されます。MediaPackage ノードの出力は HLS m3u8 マニフェストであり、直接ストリーミングに使用したり、コンパニオンアプリケーションに組み込んだりすることができます。 このフェーズでは、オプションでデジタル著作権管理( DRM )を追加できます。
各カラーワークステーションには、クラウドワークフローの中に AWS 独自の目立たない色処理が必要です。プライマリユーザーインターフェースモニターは、NICEDCV または Teradici CAS を介し、Amazon EC2 インスタンスに接続されます。USB 周辺機器は、Microsoft Windows クライアントおよび Windows ベースのインスタンスを使用して補助データチャネルを通して渡すことができます。認証は、NICEDCV でサポートされている Active Directory やサポートされている SSO プロバイダーなどの任意のプロトコルを介して実行できます。
開始方法
クラウドワークフローで AWS を利用した色処理の使用を開始するには、 AWS Media&Entertainment アカウントチームにお問い合わせください 。 互換性のあるデコーダーと、Filmlight – Baselightなどのサポートされているアプリケーションが必要になります。 AWS CloudFormation テンプレートは AWS の Github( https://github.com/aws-samples )にまもなく公開され、デプロイの自動化に役立ちます。
参考リンク
AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)
AWS のメディアチームの問い合わせ先: awsmedia@amazon.co.jp
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翻訳は SA 長澤、 SA 斎藤が担当しました。原文はこちらをご覧ください。