Amazon Web Services ブログ
ファーストトレード様の AWS 生成 AI 事例「Amazon Bedrock と海洋情報 API で海況自動文書化を実現」のご紹介
本ブログはファーストトレード株式会社様と Amazon Web Services Japan が共同で執筆いたしました。
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの山澤です。
最近お客様から、生成系 AI 活用のご相談を頂くなど、生成系 AI の活用が進んでいることを身を持って感じています。
その一方で、「生成系 AI どのように活用すればいいのかよくわからない」という方も多いのではないでしょうか?
生成系 AI のユースケースとして、チャット、文章生成/要約、翻訳、画像生成などがありますが、その中で今回、文章生成/要約に関する事例をご紹介します。是非、皆さまの生成系 AI 活用のご参考にしていただければ幸いです。
今回ご紹介する事例は、ファーストトレード株式会社様で取り組んでいただいた Amazon Bedrock をはじめとしたマネージドサービスを活用し、人手作業を生成系 AI を用いて自動化することで、文書化にかかるコストを 80 %削減した事例です。
お客様の状況と検証に至る経緯
ファーストトレード株式会社は、波情報アプリ「なみある?」を提供しており、利用者は LINE 公式アカウントに友達追加していただくと、サーフィンに必要な詳しい波情報をすぐに手に入れることができます。
(出展: ファーストトレード株式会社)
「なみある?」ではこれまで、サーフィンを行う方に必要な海況観測は、サーフポイントにいらっしゃる現地の方のレポートを元に手作業で文書化をされていましたが、以下のような課題感がありました。
- 手作業による非効率性
- 海況を人が目視しするタイミングや頻度が統一されていなかったため、ユーザーへ提供している情報の品質のばらつき
- 人件費高騰もあり、サーフポイントごとの情報入手コストの高止まり
(出展: ファーストトレード株式会社)
そこで、基盤モデルの変更が容易な Amazon Bedrock を利用し、 生成系 AI による文書の自動作成を行うことで、上記の課題解決に向けて、検証することになりました。
ソリューション/構成内容
「なみある?」は、インフラストラクチャの管理、運用が少ないサーバーレスサービスで構成されています。海洋情報 API から波情報に必要なデータを収集し、その情報をもとに Amazon Bedrock でフォーマット化されたレポートの出力を行っています。基盤モデルは、 Claude 3 を採用し、 人気ポイントには高性能な Claude3 Sonnet 、小規模ポイントには安価でコストパフォーマンスの良い Claude3 Haiku を使用することで、ユーザーの利用状況に応じたモデル選択を行なっています。
(出展: ファーストトレード株式会社)
導入効果
システムをリリースした結果、以下 3 つの効果を得ることができました。
- 人手作業を無人化。以前は最大 1 日 3 回の更新だったが、任意のタイミングと頻度で生成可能になり、リアルタイムな波情報をユーザに届けることが可能になった。
- AI 判断による常に高品質な波情報を提供
- サーフポイントの規模やユーザーの利用状況に応じたコスト最適化を実現。文書化にかかるコストを80%削減
このお客様の導入効果は、「何らかの情報を基に、手作業で特定のフォーマットに沿って文書化する作業があり手間である」といった課題をお持ちのお客様にも横展開いただけると思います。
ご感心のあるお客様は、ぜひ AWS までお問い合わせいただければと思います。
まとめ
今回は、 API として公開されている海洋情報データと Amazon Bedrock を組み合わせことで、手作業で行っていた業務を自動化したお客様の挑戦についてご紹介いたしました。
特に、Claude 3 が登場したことで、最近お客様から「Claude 3はとても自然な日本語の文章を生成してくれるため、精度に満足している。」という声をよく伺うことがあり、今回のような文章生成/要約に関するユースケースが増えてくるのではないかと期待しています!
また、AWS では、6 月 20 日(木)、 21 日(金)に開催される AWS Summit や、 7 月 18 日(木)に開催される AWS Builders Online など様々なイベントを定期的に開催しております。セッションを通じて技術を把握したり、ハンズオンを通じて技術に触れることができますので、是非お越しください。
https://thinkwithwp.com/jp/events/
つい先日、ファーストトレード株式会社福原様が AWS の生成系 AI イベントにお越しいただき、一緒に写真を撮らせていただきました↓↓
ファーストトレード株式会社 : CTO 福原 玄様(中央)
Amazon Web Services Japan : アカウントマネージャー 古府 克章(左)、ソリューションアーキテクト 山澤 良介(右)
ソリューションアーキテクト 山澤 良介 (X – @ymzw230 )