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Earth on AWS: AWS の地理空間データ

AWS のオープンデータチームのメンバーで私の同僚、Joe Flasher が新たな Earth on AWS プロジェクトについて説明するため、ゲスト投稿者としてブログを公開しました。

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AWS は地球観測衛星のランドサット 8 号が撮影した画像を集めた公開データセット、Landsat on AWS を 2015 年 3 月にリリースしました。Landsat on AWS をリリースしてから 1 年以内に記録された Landsat データのリクエスト数は 10 億件を超え、AWS はユーザーによる革新的なデータの使用方法から様々なインスピレーションを得ています。Landsat on AWS はクラウド内でのデータ共有により、従来の IT インフラストラクチャによる帯域幅やストレージ、メモリや処理能力の制限なしに地球的規模のアプリケーションを構築することが可能になりました。

そして本日、AWS がリリースした Earth on AWS により、今後はクラウド内で大容量の地理空間データセットの利用が可能になったため、アルゴリズムをローカルマシンにダウンロードせずにアルゴリズムをデータに持ち込めるようになりました。Earth on AWS では誰でも自由にデータを使えるだけでなく、リソースを提供することでデータをどのように使用できるか説明する情報も提供しています。また、Earth on AWS データセットを利用した調査方法の 公開プロポーザル も受け付けています。

使用可能なデータを追加
現在、Earth on AWS には次のデータセットがあります。

NAIP 1m の画像
The National Agriculture Imagery Program (NAIP) は、米国本土を対象に作物成長時期の航空画像を撮影しています。約 1 メートルの航空画像 (赤、緑、青、NIR) を Amazon S3 で入手できるようになりました。詳しくは NAIP on AWS をご覧ください。

地形タイル
地形ベクトルタイルで世界中の標高データを使用できるようになりました。また、米国では 10 メートルの NED データが以前の NED 3 メートルと 30 メートル SRTM データを拡大するようになり、より鮮明に山脈の詳細情報を表示できるようになりました。Amazon S3 でタイルを使用できます。詳しくは地形タイルをご覧ください。

GDELT – A Global Database of Society
The GDELT Project は、世界中のほぼすべての国々から 100 か国以上の言語によるブロードキャスト、印刷物、ウェブニュースなどをモニタリングし、毎日秒刻みにグローバル社会に影響を与えている人物、場所、企業や団体、数値、テーマ、ソース、感情、件数、引用文、画像、イベントなどを特定しています。詳しくは GDELT をご覧ください。

ランドスタット 8 号の衛星画像
ランドスタット 8 号のデータは Amazon Simple Storage Service (S3) で誰でも使用することができます。2015 年にランドスタッド 8 号が撮影した画像はすべて 2013 年と 2014 年のクラウドフリーシーンのセレクションと同様に使用可能になっています。ランドスタット 8 号の新しい画像はすべて毎日数時間内に作成されています。衛星画像は 16 日間ごとに 30 メートルの解像度で地球全体を撮影しています。詳しくは Landsat on AWS をご覧ください。

NEXRAD 気象レーダー
The Next Generation Weather Radar (NEXRAD) は、ドップラー式 160 度の高解像度気象レーダー網で、降水の傾向と大気移動を検知し各地点から約 5 分間隔で情報を発信しています。NEXRAD は暴風雨を予測し、研究者や営利企業は複数の地域に渡る気象上の影響を調査する場合にこれを使用しています。詳しくは NEXRAD on AWS をご覧ください。

SpaceNet 機械学習コーパス
SpaceNet は高解像度が非常に高い DigitalGlobe 衛星画像のコーパスで、研究者が機械学習アルゴリズムを開発するために利用するトレーニングデータです。このデータセットはおよそ 1,990 平方キロに渡る画像を 50 cm の解像度と基礎伏図に一致する 220,594 から成り立ちます。詳しくは SpaceNet コーパスをご覧ください。

NASA Earth Exchange
The NASA Earth Exchange (NEX) は研究者が地球科学データに簡単かつ効率的にアクセスできるようにします。NEX データセットは Amazon S3 で使用可能です。ダウンスケール気候予測 (リリースされたばかりの Localized Constructed Analogs を含む)、グローバル MODIS 植生指数、Landsat Global Land Survey データも含みます。詳しくは NASA Earth Exchange をご覧ください。

オープンデータの活用
オープンデータは自分の目的に合わせた使用法を理解することで初めて便利になります。そのため、Earth on AWS は他のユーザーがどのように地理空間データを独自のワークフローに取り入れているのかを説明したビデオや記事を提供しています。Lambda を使用して地理空間サーバーを置換する方法からレーダー情報を使用した鳥の大群移動の調査まで、様々な活用方法があります。

他にも Earth on AWS データを活用できるアイデアがあれば、ぜひお聞かせください。Earth on AWS データセットに関する調査用の公開プロポーザルを受け付けています。これは従来のバリアを崩すことで学生、教育者、研究者が技術革新において主要な促進力となり、ご自分の分野で新たに進歩することを目的としたものです。お客様に感謝の気持ちを込めて
こうしたデータセットを AWS で使用可能にするためにご協力いただいた DigitalGlobeMapzenPlanetUnidata のお客様に、この場を借りて感謝申し上げます。

AWS では常に大規模なデータセットを使用する新たな方法を模索しています。追加すべき新しいデータやデータ提供の新たな方法についてアイデアがあればこちらにお問い合わせください。

Joe Flasher、Open Geospatial Data リード担当、アマゾン ウェブ サービス