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【開催報告】コンテナラウンドテーブル #1: お客様同士でコンテナ運用における悩みや工夫を共有するイベントが開催されました

AWS ソリューションアーキテクトの落水です。先日、Amazon ECS や Amazon EKS をご利用中のお客様同士で情報交換をしていただくイベント「コンテナラウンドテーブル」が開催されました。「コンテナラウンドテーブル」とは、Amazon ECS 及び Amazon EKS の情報共有を目的として、参加されたお客様における具体的な課題とその解決方法の情報交流を行っていただくイベントです。当日は、8 社の企業様にご参加いただき、コンテナのユースケースや運用上の課題について情報交換やディスカッションが行われました。

当日のタイムテーブル

15:00 – 16:20: 情報交換

参加された各企業様より、コンテナのユースケース、コンテナを活用して得られたメリット、コンテナの運用における課題、運用において工夫している点などをお話しいただきました。各社様にとって他社様の活用事例や課題点は大変参考になったようで、『悩みや工夫を知る機会となり、勉強になりました』、『課題を共有した際、他社様も似たような悩みを抱えていると分かり、とても参考になりました』との声もいただいており、有意義な情報交換を行うことができました。

16:20 – 16:45: ラウンドテーブル

参加いただいた企業様に加え、ソリューションアーキテクトの加治・林、プロダクトデベロッパーアドボケイトの Tori Hara も加わり、Amazon ECS と Amazon EKS でテーブルを別れ 2 テーブルでラウンドテーブルを実施しました。ラウンドテーブルで出た議論について、いくつかをピックアップしてご紹介します。


  • 本番環境へのデプロイはどのようにしている?
    • Source repository の変更をトリガーに AWS CodePipeline で Amazon ECS にデプロイしている。
    • 開発と運用が完全に別れているため CI/CD を導入しづらく、手動でデプロイフローを回している。
  • ログの収集、解析はどのように行っている?
    • Amazon CloudWatch Logs を利用している。
    • 最近は Datadog Logs の検討も始めた。
  • マルチリージョンにアプリケーションを展開する場合、Amazon ECR のリポジトリの管理は?
    • 別リージョンからイメージを pull すると料金が発生する点を解消したい。
    • イメージを push する際にマルチリージョンに push を行う。
    • central リポジトリを自前で用意して、そこを経由してマルチリージョンに展開する方法もある。
    • 耐障害性を考慮するなら、イメージを利用する各リージョンにリポジトリを用意して事前にそれぞれに対して明示的にプッシュしておいた方が良い。
  • Amazon ECS タスクの定期実行はどのように行う?
    • Amazon EventBridge でスケジュールされたイベントを用意する。
    • 秒単位の遅延すら許容できない場合は、自前でトリガーする処理を実装するケースもある。
  • Amazon EKS クラスターのアップグレードの方法は?
    • インプレースアップグレードについて、Amazon EKS ではコマンドで簡単に実施できるため、作り込みは少なくて済む。
    • クラスタを Blue/Green 方式でアップグレードするのは事前にテストが実施可能など安心感はあるが、エンドポイントの切り替えなど作り込みが必要。
  • Amazon EKS クラスターはどのように管理している?
    • 監視について、外形監視やレベニュー・PV/UU のメトリクスなど、ユーザーに近いところから始める。
    • アラートを受けてのアクションは慣れていないと難しい場合も。
    • 良いアラートの設定方法、のような情報があればある程度は楽になりそう。
    • アラートの一時切り分けはインフラチームが行い、その後アプリチームに投げているが、一時切り分けからアプリチームが行うべきかが悩みどころ。
  • アドオンなどを含めた Kubernetes バージョンはどのように管理している?
    • それぞれバージョンを管理していく必要があるので運用負荷が高い。
    • 構築やアプリケーションテストの自動化を導入したことで大分楽になった。
    • バージョンアップに伴う全体のテストに難しさを感じている。API 単体のテストは可能だが、複数の API 呼び出しが発生する複雑な場合が難しい。

など、多くのディスカッションが行われました。ご参加いただいた皆様、改めてありがとうございました。今後の予定として、10 月末および 11 月上旬にも同様のコンテナラウンドテーブルの実施を予定しております。ご興味のあるお客様は、是非 AWS アカウントチームへご連絡ください!