Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2022/2/21週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。

今年も AWS Summit の季節が近づいてきました。2022 年は 5 月 25 日 (水) と 26 日 (木)の 2 日間にわたり、オンラインイベントの形でお届けいたします。各日の基調講演とともに、事例・パートナーセッションを含む 150 以上のセッションをご用意するとともに、ライブコーディングや参加型のハンズオンなど工夫を凝らしたコンテンツを計画していますので、ぜひご参加ください。登録はこちらから!

それでは、2 月 21 日週のアップデートを振り返ってみましょう。

2022年2月21日週の主要なアップデート

  • 2/21(月)
    • 米国はプレジデント・デーのためアップデートはありませんでした。
  • 2/22(火)
    • Amazon Connect Customer Profiles が顧客情報の大規模な取り込みをサポート
      コンタクトセンターのオペレータのために、複数のアプリケーションが管理する顧客情報を参照するための統一ビューを提供する Amazon Connect Customer Profiles のデータ取り込み機能が強化されました。Salesforce / Marketo / ServiceNow から大量のデータを取り込む必要があるときに、データを分割するといった手間なく必要なデータを取り込むことが可能になりました。
  • 2/23(水)
    • Amazon Redshift が PIVOT および UNPIVOT の SQL 演算子をサポート
      データ分析やデータ表示で有用な PIVOT/UNPIVOT 演算子を利用できるようになりました。PIVOT 演算子は入力テーブルの行が結果の列に、UNPIVOT 演算子は入力テーブルの列を結果の行に変換できます。これを利用すると分析クエリがシンプルになるだけでなく、既存の DWH からの移行を容易にする効果も期待できます。詳細についてはドキュメントを確認してください。
    • Amazon Translate が日本語を始め複数の言語で出力結果の「フォーマル度」のカスタマイズに対応
      言語には「表現の丁寧さ」の概念があります。保険やヘルスケア業界ではより丁寧でフォーマル度の高い表現が、ゲームやソーシャルメディアではより親しみやすい、フォーマル度の低い表現が好まれる傾向があります。今回のアップデートで、Amazon Translate が出力する訳文についてフォーマル度を3種類から選択し、カスタマイズできるようになりました。日本語をはじめ6つの言語でご利用頂けます。
    • AWS Transfer Family でマネージドワークフロー機能の強化を発表
      AWS Transfer Family でワークフロー機能が強化され、ファイルの移動や名前の変更、アーカイブ用にソースファイルを待避する、ユーザ毎のフォルダへのファイルの移動といった処理の自動化が容易になります。詳細についてはブログをご覧ください。
    • AWS Glueでトラブルシュートを容易にするジョブ実行インサイトを利用可能に
      AWS Glue でジョブ実行インサイト (Job Run Insight) を利用できるようになりました。この機能を利用するとジョブ実行が失敗した場合に問題となったコードの行番号を特定し、Glue エンジンの挙動についての情報を提供します。またパフォーマンスを向上するための情報提供もおこないます。この機能は従来から提供されていた Spark UI ログと CloudWatch のログとメトリクスを拡張した機能です。詳細についてはドキュメントを確認してください。
  • 2/24(木)
    • Amazon EC2 Auto Scaling Warm Pools で2つの新機能を発表
      EC2インスタンスベースで Auto Scaling を行う際に、リソース需要の発生に対してより迅速に供給を行えるようにする Auto Scaling Warm Pools で2つの機能が追加されました。ひとつめは Warm Pool で負荷に備えて待機しているインスタンスを休止状態で(メモリ状態も保持して)維持する機能。ふたつめはスケールイン時に、取り除かれるインスタンスを Warm Pool に戻す機能です。ご利用検討の際はドキュメントの確認をお忘れなく。
    • AWS Lambda が .NET 6 をサポート
      AWS Lambda がマネージドランタイム、コンテナベースイメージの双方で .NET 6 をサポートしました。
  • 2/25(金)
    • Amazon CloudWatch Agent がログのフィルタリングをサポート
      CloudWatch Agent を利用してログを収集する際に、収集するログをフィルタリングする設定が可能になりました。正規表現でルールを記述し「マッチするもの」「マッチしないもの」を送信するように設定可能で、送信されなかったログイベントは破棄されます。
    • Amazon CloudWatch Agentでログイベントの保持期間設定をサポート
      CloudWatch Agent の設定で、ログイベントを保持する期間を指定できるようになりました。デフォルトは従来と同様の無期限ですが、保存ポリシーを変更することで 1 日から 10 年の範囲でログ保存期間を定義することができるようになりました。
    • AWS Severless Application Model CLI で Type Script のネイティブサポートをプレビュー開始
      AWS Serverless Application Model(SAM) CLI で、Type Script のネイティブサポートがプレビュー可能になりました。
    • AWS App RunnerがJavaプラットフォームをサポート
      AWS App Runner が Java プラットフォームをサポートし、Java ベースの Web アプリケーションを構築・実行できるようになりました。App Runner の Java プラットフォームは Amazon Corretto 11とCorretto 8 ランタイムで起動されます。
    • Amazon S3 で新たなチェックサムアルゴリズムが利用可能に
      従来も md5 によるチェックサムが ETag と呼ばれるメタデータに格納されていました。今回のアップデートで 4 つのアルゴリズムから選択してチェックサムを計算させ、結果をメタデータに格納することが可能になりました。アップロード時に S3 に計算させることもできるので、これによって手元で計算した値と S3 が計算した値が合致したときのみ成功とみなす、という信頼性を高める処理を行うことが可能になりました。S3 では大きいファイルをより取りするときにマルチパートにすることがありますが、分割された部分ごとのチェックサムは全体のものとは異なりますので注意が必要です。詳細についてはブログをご確認ください。

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)