Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2020/8/3週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
前回書いたときは長めの梅雨がまだ続いていたのですが、急に夏本番になりましたね。去年は暑さ対策のために日傘を買ったことをこの週刊AWSで書いたのですが、今年は在宅勤務が続いていることもあり、日傘の出番はなさそうです。(なお、人気フィットネスソフトの抽選には繰り返しトライしていますが、まだ当選していません…)
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2020年8月3日週の主要なアップデート
- 8/3(月)
- Amazon ECS が Amazon EFS ボリュームの CloudFormation サポートを発表
CloudFormationでAmazon Elastic Container Service (ECS)タスクにNFSサービスAmazon Elastic File System (EFS) ボリュームの追加をすることができるようになりました。ドキュメントはこちらにあります。また、ECSがEFSをサポートした際のBlog記事がこちらにあります。 - Amazon EKSとAWS Fargateのクォータが、AWS Service Quotas を通じて管理可能に
AWSのアカウントには、オペレーションミスなどによる意図しない支出からユーザーを保護するためのクォータ(制限)という仕組みが適用されています。このアカウントではEC2はXX台まで起動できるといった形ですね。こういったクオーターは各サービスに存在し、多くはAWS Service Quotasというサービスで管理可能になっています。今回Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS) がService Quotasに対応し、ご自身のアカウントのEKS関連クォータを表示したり、クォータ引き上げリクエストを実行可能になりました。また、同時にAWS FargateのService Quotas対応も発表されています。
- Amazon ECS が Amazon EFS ボリュームの CloudFormation サポートを発表
- 8/4(火)
- Amazon EMR が、より多様な Spot リクエストの使用と大幅な割引に関するオプションを発表
Amazon EMRのインスタンスフリートに割り当てるEC2インスタンスは、利用者が個別に設定することもできますが、「割り当て戦略」で自動化することも可能です。今回この割当戦略の機能が拡張されEC2インスタンスのタイプを最大15種類指定可能になりました(これまでは最大5種類でした)。利用にはAmazon EMR リリースバージョン 5.12.1 以降が必要です。 - AWS Certificate Manager プライベート認証機関が PrivateLink エンドポイントのサポートを開始
AWSサービスのAPIはインターネットからアクセス可能になっていますが、お客様のVPCがなんらかの理由でインターネットへの出口(インターネットゲートウェイ等)を持っていない場合は呼び出すことが出来ません。Private Linkはそういった環境でもサービスのAPIを呼び出すことができるようにする仕組みですが、今回AWS Certificate Manager (ACM) のプライベート認証機関(CA)のAPIをPrivate Link エンドポイント経由で呼び出すことが可能になりました。 - AWS Step Functions が Amazon SageMaker Processing のサポートを追加
Amazon SageMaker Processingは機械学習におけるデータ加工やモデル評価といった前処理を支援するフルマネージドのサービスです。今回の発表でAWS Step FunctionsのステートマシンからAmazon SageMaker Processingが簡単に呼び出せるようになりました。詳細はこちらのBlogをご覧ください。
- Amazon EMR が、より多様な Spot リクエストの使用と大幅な割引に関するオプションを発表
- 8/5(水)
- Amazon Forecast が 66 か国の休日カレンダーを追加して予測精度を改善
Amazon Forecastは機械学習を使った時系列予測を提供するサービスです。今回多くの国の祝祭日カレンダーをネイティブでサポートするようになり、この中には日本の祝祭日カレンダーも含まれるようになりました。祝祭日を把握することでより現実に近い予測が可能になります(一般的に商品の需要等は休みの日かどうかに大きく左右されるため)。今回の追加でサポートされている国の総数は66か国になりました。 - AWS IoT Device Management が同時アクティブジョブの制限を 1 つのリージョンにつき AWS アカウントあたり 1,000 に引き上げ
AWS IoT Device Managementでは、1リージョンあたり最大100 個のアクティブな継続ジョブと100個のアクティブなスナップショットジョブまで利用可能でしたが、今回これが大きく改善され、1リージョンあたり双方合計して最大1,000 個のジョブを作成できるようになりました。 - AWS App Mesh が新しいデフォルトのメッシュ構成を導入
App Mesh はお客様の設定に基づいてEnvoyプロキシの設定を生成し、Envoyプロキシに渡すことでメッシュ全体のコントロールを行っています。今回、ここに改善が入り、設定を生成するタイミングでリトライポリシーの設定などが自動生成されるようになりました。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。
- Amazon Forecast が 66 か国の休日カレンダーを追加して予測精度を改善
- 8/6(木)
- ボストンとサンフランシスコベイエリアでの AWS Wavelength の一般提供開始のお知らせ
去年のre:inventで発表されたAWS Wavelengthは5Gネットワークのエッジにある電気通信サービス事業者 (CSP) のデータセンター内にAWSのコンピューティングサービスを組み込んでWaveLength zoneとして提供するサービスです。これによって、色々な処理がCSPのデータセンター内で実施され、低遅延での応答可能になります。今回このWavelengthがボストンおよびサンフランシスコベイエリアのVerizon 5Gネットワークで一般提供開始(GA)になりました。現時点での提供はサンノゼのみですが、今後数週間で残りのベイエリアに拡大する予定になっています。詳細はこちらのblogをご確認ください。
- ボストンとサンフランシスコベイエリアでの AWS Wavelength の一般提供開始のお知らせ
- 8/7(金)
- (この日は週刊AWSで取り上げるトピックや発表がありませんでした。)
今号の個人的な注目はAWS Wavelengthです。5Gの低遅延+Wavelengthで、モバイルアプリでこれまで実現できなかったような即時応答性をもつアプリケーションが出てくるのではと期待しています。今後KDDIさんからの提供が予定されていますので、日本での展開も楽しみですね。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)