Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2019/9/16週
みなさん、こんにちは!ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。東京は少しずつですが秋という感じの気候になってきました。9月は連休が多いので嬉しい月なのですが、AWSのサービスは日本の連休には関係なく毎日のように新機能、新サービスが追加されています。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2019年9月16日週の主要なアップデート
- 9/16(月)
- Amazon EKS がクラスターへのタグ付けをサポート
マネージドKubernetesサービスであるEKSでクラスターにAWS タグを付けられるようになりました。タグは、任意のキーバリュー型のメタデータで、このタグで用途を分類したり、タグ単位でIAMでのアクセス制御を実現することが可能です。 - Amazon DynamoDB 用 NoSQL Workbench のプレビュー版の発表
Amazon DynamoDB用のNoSQL Workbenchがプレビュー公開されました。データモデルの作成やクエリ実行等を行える開発ツールで、クライアントにインストールして利用します。WindowsおよびmacOSに対応している無料のツールですので、DynamoDBとともにぜひ使ってみてください。こちらからダウンロードが可能です。
- Amazon EKS がクラスターへのタグ付けをサポート
- 9/17(火)
- Amazon Elastic Inference が Amazon ECS タスクで利用可能に
AWSのコンテナサービスECS でElastic Inferenceが利用可能になりました。Elastic InferenceはGPUアクセラレーションを追加するサービスで、これによりコンテナ上の深層学習の推論を高速化します。現在TensorFlow、Apache MXNet、ONNX モデルをサポートしています。Elastic Inferenceはこの他EC2とSageMakerにもアタッチして利用可能です。
- Amazon Elastic Inference が Amazon ECS タスクで利用可能に
- 9/18(水)
- Amazon S3 にセイムリージョンレプリケーションが導入されます
S3に同一リージョン内でのレプリケーション機能、セイムリージョンレプリケーション (SRR) が追加されました。追加された S3 オブジェクトを同一 AWS リージョン内の別バケットに自動的かつ非同期的にレプリケーションします。これまでは異なるAWSリージョンにデータをレプリケーションするクロスリージョンレプリケーション (CRR) がありましたが、SRRの追加でより柔軟にS3データの多重化が可能になります。 - AWS Step Functions が、ワークフローでの動的並列処理のサポートを追加
Step Functionsは、サーバレスのワークフローサービスで、LambdaやECSタスクを組み合わせたワークフローを作成することが可能です。このStep Functionsに動的並列処理のサポートが追加されました。ワークフローの中の一部の処理を並列で実行するよう定義をする事が可能になります。具体的な使い方を紹介するBlog記事が用意されていますので参考にしてください。 - Amazon WorkSpaces で、異常発生前の最後の状態に復元する機能を導入
VDIサービスのAmazon WorkSpace に異常発生前の最後の状態にまでロールバックする復元機能が導入されました。ロールバックはシステムドライブ(C:)とユーザドライブ(D:)両方に対して行われます。何らかの異常でWorkSpacesにログインできなくなった場合等に、容易に以前の状態に復元することが可能になります。この機能はデフォルトではOFFなので、利用するには管理コンソールから有効にする必要があります。
- Amazon S3 にセイムリージョンレプリケーションが導入されます
- 9/19(木)
- Amazon Athena adds support for inserting data into a table using the results of a SELECT query or using a provided set of values
AthenaでINSERT文が利用可能になりました。既存の表にINSERT … SELECTかINSERT … VALUES でデータを追加できます。この機能は存在するS3ファイルを更新することはなく、別ファイルとして新データが追加されるという点に注意が必要です。特にINSERT … VALUESで細かくデータを追加すると小さいファイルが出来てしまうためパフォーマンス面で注意が必要です。また対象となるファイルフォーマットにも制限があります。詳しくはドキュメントを確認してください。 - AWS Glue now provides the Apache Spark UI to monitor and troubleshoot Glue ETL jobs
AWS GlueでSpark Web UIを利用できるようになりました.ジョブと同時に起動して実行状況のモニタリングを実現したり、dev endpointと組み合わせたデバッグに便利です。利用方法はこちらのドキュメントを参照してください。 - Amazon EKS Announces Beta Release of Amazon EFS CSI Driver
EKSでAmazon EFS (NFSサービス)のCSIドライバー(ベータ)が公開されました。先週の週刊AWSで紹介したEBS用CSIドライバーに続いてのリリースです。EFSを使うことでpod間でAZをまたいだデータの共有が容易になります。
- Amazon Athena adds support for inserting data into a table using the results of a SELECT query or using a provided set of values
- 9/20(金)
- Introducing Amazon EC2 G4 Instances with NVIDIA T4 Tensor Core GPUs, the Most Cost-effective GPU Platform for Machine Learning Inference and Graphics Intensive Applications
EC2の新しいインスタンスファミリーG4が利用可能になりました。東京リージョンでもご利用いただけます。G4はIntel Xeon Scalable (Cascade Lake)プロセッサーとNvidia T4 Tensor Core GPUを搭載したインスタンスで、機械学習やグラフィックソフトウェア環境での利用が想定されています。機械学習の環境用AMIである、Deep Learning AMIにもすでにG4インスタンスのサポートが追加されています。同じくNvidiaのV100 Tensor Coreを搭載したEC2インスタンスとしてP3が利用可能ですが、T4とV100のベンチマークでの違いは、Nvidia社が公開した資料がこちらにあります。G4インスタンスの詳細はこちらのAWSのBlog記事を確認してください。 - Amazon Redshift announces automatic workload management and query priorities
Redshiftのワークロード管理機能(WLM)に2つの機能が追加されました。1つはWLM設定の自動化(Automatic WLM)で、機械学習により自動的にWLM設定のメモリや並列度を調整する機能です。もう1つはクエリのプライオリティ(Query Priority)で、クエリに5段階の優先度設定が可能になります。高い優先度が指定されたクエリは優先的にクラスター内のリソースが割当てられるようになります。Query Monitoring Rule (QMR)の制御でプライオリティを変更する事も可能になっていますので、より柔軟なワークロード管理が可能です。
- Introducing Amazon EC2 G4 Instances with NVIDIA T4 Tensor Core GPUs, the Most Cost-effective GPU Platform for Machine Learning Inference and Graphics Intensive Applications
AWSでは10月1日から、AWS INNOVATEという無料オンラインカンファレンスを開催します。約一ヶ月間にわたって60以上のAWSセッションにオンラインで参加可能です。Q&A付きのライブセッションだけでなく、期間中はオンデマンドでの閲覧も可能ですので「学習の秋」にぜひご参加ください。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (@simosako)