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【動画公開 & 開催報告】ベストプラクティスから学ぶクラウド移行の勘所セミナー ~何千もの顧客をクラウドに移行した AWS の経験に基づく、包括的で実績のあるベストプラクティス~

はじめに

みなさん、こんにちは。シニアマイグレーションスペシャリストの富松です。 2024年8月8日に「ベストプラクティスから学ぶクラウド移行の勘所セミナー ~何千もの顧客をクラウドに移行した AWS の経験に基づく、包括的で実績のあるベストプラクティス~」を開催しました。

このブログでは、当日参加できなかった方や、参加したけれども内容を振り返りたい方に向けて、ご自身の取り組みの参考としていただくために当日のセッション内容のまとめを紹介します。

セッション内容の紹介

クラウドジャーニーを成功へ導く移行プロジェクトのベストプラクティス

– 松尾 康博、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 アジアパシフィックジャパン マイグレーション アンド モダナイゼーション技術統括本部 プリンシパルソリューションアーキテクト

本セッションでは、 これまで長年にわたって多くのお客様のクラウドジャーニーをご支援してきた中から、ほとんどのお客様がお悩みになるポイントをピックアップし、それらについて普段AWSがご案内している「考え方」や「心構え」について紹介しました。

クラウドジャーニーでは、クラウド移行完了までに大きく「移行検討」「プロジェクト立ち上げ」」「プロジェクト推進」の3つのフェーズに分解できます。それぞれのフェーズでよくあるお悩みとしては以下があります。

  • 移行検討フェーズ:何から考えれば良いか?
  • プロジェクト立ち上げフェーズ:どう始めれば良いか?
  • プロジェクト推進フェーズ:うまく進めるために何をすれば良いか?

本セッションの冒頭でこの課題定義をした後、各フェーズでの考え方や心構えを提示しています。

移行検討フェーズでは、3つの指標「戦略(Why?)」「スコープ(What?)」「タイムライン(When?)」を、ビジネス価値から考えて関係者全員で共有することの重要性を説明しました。クラウドへ移行することのビジネス価値を考えるための補助線としてクラウドバリューフレームワークを紹介し、その具体的な作成例としてKPIによる定量的な定義をご紹介しました。

プロジェクト立ち上げフェーズでは、「人」「プロセス」「技術」の3つの観点で並行して準備を進めることをベストプラクティスとしてご紹介しました。中でも、人はCCoE (Cloud Center of Excelense)の立ち上げと人材育成といった組織開発が重要であることと、移行プロセスの準備のためにやるべき事前作業や検討内容についてご紹介しています。

プロジェクト推進フェーズでは、一括移行ではなく立ち上げフェーズで定義した段階的移行(ウェーブ)の中でも特に移行リハーサルの重要性を説明しました。

移行完了後も継続的に改善することでクラウドのメリットを最大化できます。継続的改善の考え方は、本セッションでここまで説明した戦略策定や立ち上げフェーズの考え方を短く早いサイクルで回し続けることで可能であることを最後にご紹介しました。

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VMware 仮想環境、次の一手はどうする? 〜仮想マシン (VM) と仮想デスクトップ環境 (VDI) の AWS への移行方式〜

– 武田 紘一、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 エンタープライズアプリケーション本部 シニアスペシャリストソリューションアーキテクト

本セッションでは、昨今の VMware ワークロードを取り巻く状況変化に伴い「次の一手」を検討しているお客様に向けて AWS が推奨する移行オプションについてお伝えしました。VMware への対応のみならず、Windows Server 2016 の EoS が迫っている現状は、視点を変えると新しいプラットフォームに目を向けるチャンスでもあります。

Amazon EC2 は AWS Nitro System という独自のハードウェア、ハイパーバイザーで最適化された仮想マシンサービスです。物理層がハイパーバイザーで抽象化されているため、OS の目線で考えると実はオンプレミスの VMware 仮想マシンもクラウド上の Amazon EC2 も多くの共通点があります。Amazon EC2 に移行する手法を検討する際には AWS Application Migration Service (MGN) が第一に候補に挙がります。最近では、クラウドバックアップの応用系として AWS Backup を利用してオンプレミスの VMware 仮想マシンから Amazon EC2 に変換する手法も注目されています。

仮想デスクトップ環境 (VDI) のクラウド移行に目を向けると、すでに数十万のアクティブユーザーにご利用いただいている Amazon WorkSpaces が候補となります。オンプレミスの Horizon 環境など既存の VDI ソリューションを活かしつつクラウドに拡張する際には、Amazon WorkSpaces Core も選択肢となりえます。2024 年 6 月には非永続デスクトップ型の Amazon WorkSpaces Pools をリリースし、さらに多くのお客様のご要望に応えています。

AWS はこれからもみなさまの「次の一手」に伴走していきます。

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データドリブン経営を実現し生成AIの価値を最大化するためのデータプラットフォームの実現に向けて

– 大塚 信男、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 アジアパシフィックジャパン マイグレーション アンド モダナイゼーション技術統括本部 シニアソリューションアーキテクト

本セッションでは、まず、データドリブン経営を実現するためのデータプラットフォームのテクノロジー要件をご説明し、AWS上でクラウドネイティブなサービスを活用してモダンなデータプラットフォームを構築することにより、これらの要件を高いレベルで満たすことができることをお伝えしました。また、価値の高い生成 AI アプリケーションを作成するには、自社が保有するデータを最大限活用するためのバックエンドの仕組みが必要であり、データプラットフォームがモダナイズされていることが重要であることもお伝えしました。

これからクラウド上でデータプラットフォームの強化や刷新をお考えのお客様に対しては、最初のステップとして、AWSから無償のDPMODA (Data Platform Modernization Assessment) による現状評価支援をご提供させていただくことが可能です。(※実施には条件がございます。)DPMODAはAWSモダンデータアーキテクチャをベンチマークとすることで、お客様の現行環境のハイレベルな課題を抽出し、モダナイズによる改善策をご提案するアプローチです。質問シートへの事前の回答記入後にAWS技術者からのヒアリングを行わせていただき、約2週間後に報告会を開催いたします。DPMODAを通して現状の課題を可視化し、改善の一歩を踏み出していただくことができれば幸いです。

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AWSへの大規模移行を包括的にご支援 ~ITトランスフォーメーションパッケージの全貌~

– 諏佐 嘉之、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 サービス&テクノロジー統括本部 マイグレーション&モダナイゼーションビジネス本部 シニアマイグレーションスペシャリスト

本セッションでは、お客様がクラウドへの移行をスムーズに遂行できるよう、AWSから提供できるご支援内容について説明いたしました。
AWSでは、従来から様々なプログラムやソリューションでお客様のクラウド活用をご支援してまいりました。それらのプログラムやソリューションをクラウド移行やクラウドネイティブ化という文脈でまとめ、「ITトランスフォーメーションパッケージ (ITX)」として提供しています。ITXは、移行の方式やお客様の特性などに応じて、ITX for Cloud First、ITX for Cloud Native、ITX for MCP Parter、ITX Lite、ITX for PSという5つのパッケージを提供しています。この中から、お客様の移行の要件に応じてご選択頂けます。
このセッションの中では、クラウド移行においてお客様がどのような立ち位置にいらっしゃるのか、どのようなポイントで悩まれているのかなどのケースに応じたITXの活用方法をご紹介いたしました。ITXで提供しているプログラムの多くは無償でご利用頂けます。
ITXが、お客様のスムーズなクラウド移行の一助となれば幸いです。

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おわりに

AWSへの大規模なシステムの移行をサポートするITXパッケージ最新版のご利用に向けて、入り口は2つあります。
1)Webフォームからお問い合わせ頂く。あるいは 2)担当営業までご連絡ください。

AWSクラウドへの移行やモダナイゼーションにご関心をお持ちのお客様は、AWSで移行とモダナイズのページをご確認ください。AWSへの移行やモダナイゼーションに必要な情報が網羅されています。

ITXパッケージ最新版にご興味をお持ちのお客様は、是非上記2つのいずれかよりAWSへお問合せください。

サービス&テクノロジー統括本部 マイグレーション&モダナイゼーションビジネス本部
シニアマイグレーションスペシャリスト 富松卓郎