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Amazon QuickSight アップデート: ダッシュボードのマルチシート対応、軸ラベル方向オプション、その他を追加
本日、Amazon QuickSight に一連のアップデートを発表できることを、嬉しく感じております。
- 通常と組み込み用、両方のダッシュボードがマルチシートでより豊かに。
- 複数の軸ラベル方向オプションで、ダッシュボードの可読性が改善。
- SPICE に、標準偏差、分散、および文字条件関数などの計算機能が追加。
- 広範囲のインタラクティブシナリオをサポートする、強化されたURLアクション。
- 画像をワンクリックで複製し、素早いオーサリング。
ダッシュボードのマルチシート対応
まず最初に、新しいタブコントロールからアクセスするマルチシートが使えるようになった、ダッシュボードのアップデートを見てみましょう。これにより、ダッシュボード内の情報が整理しやすくなりました。特定の対象エリアもしくはトピックに関連した画像を分離したシートで整理でき、タブ名によって明確に区別できます。閲覧側では、1 つのトピックに関連するインサイト全体の包括的な表示を、ダッシュボード上でナビゲーションできるようになります。
ダッシュボード内の各シートには個別 URL があります。これにより、特定のシートをブックマークに登録したり、他の人のシートとリンクの共有が可能です。加えて、ダッシュボードのレベル、もしくは各シートレベルで、内容にフィルターをかけるよう設定することも可能です。フィルタリングは、オンスクリーンのコントロールによるか URL を使い設定できます。
オンスクリーンコントロールでのフィルタリング
URLでのフィルタリングと別ダッシュボードへの移動
ダッシュボードのオーサリングを行うと、すべてのダッシュボードは、まず、1 つのシートとして作成されます。ダッシュボードに新しいシートを追加するときは、タブセクションの [add sheet] アイコンをクリックします。タブコントロールは、ダッシュボードに 1 つ以上のシートがあるときのみ表示されることにご注意ください。オーサリングを行う際には、シートの名称や順番の変更、あるいは削除なども行えます。閲覧側には、デフォルトとして必ず最初に 1 つのシートが表示されます。つまこのシートは、KPI や ML インサイト、あるいは高レベルのトレンドなどを使い、ダッシュボードの概要を説明するのに適しています。すべての閲覧者には、ダッシュボード上の最初のシートが掲載された E メールが送られます。当社では、このメールレポート向けのレンダリングオプションを拡充してまいります。
以前のビッグデータブログにおいて、ダッシュボードにパラメータとオンスクリーンコントロールを追加する方法を解説しました。1 つのダッシュボード上で、パラメータの値はグローバルです。つまり、ユーザーからの入力を保持したり、その操作に従い表示をフィルタリングすることなどが、ダッシュボード全体を通じて可能です。オンスクリーンのコントロールは、その関連性がシート内に限定されることが多いので、各シート毎に個別となっています。データのフィルタリングを、ユーザーかグループレベルの属性を基に個別で行いたい場合は、行レベルのセキュリティを使い実行することもできます。
マルチシート表示のダッシュボードは、通常のウェブサイトで共有したり、独自のアプリケーションに組み込むことが可能です。アプリケーションにダッシュボードを組み込む方法については、「Embed interactive dashboards in your application with Amazon QuickSight」をご参照ください。
軸ラベル方向
ダッシュボードをオーサリングすると、水平あるいは角度が付いたレイアウトのうち、より見やすい方を Amazon QuickSight が自動的に選択するようになっています。軸ラベルの向きについては、表示オプションメニューを手動で開き [Format visual] を選択して、ダッシュボードの内容に最適な設定にすることも可能です。
画像複製オプション
ダッシュボードのオーサリングでは、素早く画像を複製、修正したいというシチュエーションがしばしば発生します。Amazon QuickSight に新しく追加された「Duplicate visual (画像複製) 」のオプションを使えば、画像オプションメニュー内のワンクリックで、これが実行できます。この新規のオプションでは、フィルタリングや画像サイズおよびフォーマットなど他の設定も含めて、画像のコピーを同じシート内あるいはダッシュボード内の別のシートに作成します。これで、毎回のように画像を 1 から作り直すという余計な手間が省けます。
URL オープン時アクションのオプション
URL アクションにより、QuickSight のダッシュボードをユーザーが開く際に、QuickSight の外部で実行されるアクションを設定できます。今回のリリースでは、URL が開かれる時に閲覧者側の QuickSight タブを上書きするか、新規のタブをロードする、あるいは新規のブラウザーウィンドウを開くオプションまでが選択できるようになりました。
前出の追加機能で、オーサーと閲覧者の操作性を向上させたことに加え、今回、QuickSight には、数学フィールドでの新しい関数による統計機能も追加されています。これらの統計関数には、標準偏差や分散の計算、および文字列のための条件関数が含まれています。また今回、標準偏差および分散に加えて、平均値に関するメトリクスの散布度も規定できるようになりました。この処理は、データセット全体を通じても、あるいは、選択したディメンションの区間でも行うことができます。詳しい情報については、Amazon QuickSight ユーザーガイドの「カテゴリ別関数」をご参照ください。
SPICE のデータセットでレポート作成をする際には、文字列条件関数の、coalesce、ifelse、isNotNull、isNull、nullif などが使えるようになりました。詳しい情報については、Amazon QuickSight ユーザーガイドの「Amazon QuickSight の計算フィールドの関数と演算子のリファレンス 」をご参照ください。
現状これらの新しい機能は、米国東部 (バージニア北部およびオハイオ) 、米国西部 (オレゴン) 、欧州 (アイルランド) 、およびアジアパシフィック (シンガポール、シドニー、東京) のサポートされた Amazon QuickSight 全リージョンにおいて、標準、およびエンタープライズ両方のエディションでご使用になれます。
著者について
Sahitya Pandiri はアマゾン ウェブ サービスでテクニカルプログラムマネージャーの職務に就いています。Sahitya は現在までの 5 年間、製造/プログラム管理に携わり、小売、ヘルスケア、アナリティクス分野なでで、複数の製品を構築してきました。彼女は問題を解決すること、プロセスを簡略化するためにテクノロジーを活用することが大好きです。