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デベロッパーエクスペリエンスを再構想する新たな機能が搭載された Amazon Q Developer の一般提供開始

Amazon Web Services (AWS) が2023年 プレビューとして Amazon Q Developer をリリースしたとき、このリリースは私が AWS サービスとやりとりする経験を変化させ、日常的に AWS サービスの可能性を最大限に引き出すことも可能にしました。この生成 AI 駆動のアシスタントは、17 年間におよぶ AWS の知識と経験に基づいてトレーニングされており、AWS でのアプリケーションの構築、ベストプラクティスの検索、トラブルシューティングの実行、およびエラーの解決を支援します。

4月30日、Amazon Q Developer の一般提供が開始されたことをお知らせします。この発表には、新機能を含めたいくつかの更新事項があります。それでは、始めましょう。

新機能: Amazon Q Developer はユーザーの AWS アカウントリソースを把握しています
この新機能は、AWS 上のクラウドインフラストラクチャを理解して管理するために役立ちます。この機能では、自然言語プロンプトを使用して AWS リソースをリストして説明できるため、AWS マネジメントコンソールをナビゲートしたり、ドキュメントページからすべての情報を集めたりする煩わしさを最小限に抑えることができます。

この機能の使用を開始するには、AWS マネジメントコンソールに移動して、Amazon Q Developer アイコンを選択します。

この新機能を使用して、すべての AWS リソースのリスト化を Amazon Q Developer に依頼できます。例えば、Amazon Q Developer に「すべての Lambda 関数をリストして」と言うと、Amazon Q Developer は、要請どおりの AWS Lambda 関数一式と、各リソースに簡単に移動できるようにするためのディープリンクを伴う応答を返します。

試してみるプロンプト: すべての Lambda 関数をリストして。

AWS マネジメントコンソール経由でナビゲートすることなく、他の AWS リージョンに格納されているリソースをリストすることもできます。

試してみるプロンプト: シンガポールリージョンにある Lambda 関数をリストして。

上記に加えて、この機能は AWS コマンドラインインターフェイス (AWS CLI) コマンドも生成できるので、変更を即座に実行することができます。ここでは、Lambda 関数のタイムアウト設定の変更を Amazon Q Developer に依頼します。

試してみるプロンプト: シンガポールリージョンにある Lambda 関数 <AWS LAMBDA 関数の名前> のタイムアウトを 10 秒に変更して。

Amazon Q Developer が、このアクションを実行するための AWS CLI コマンドを生成したのがわかります。次に、コマンドをコピーしてターミナルに貼り付け、変更を実行することができます。

$> aws lambda update-function-configuration --function-name <AWS_LAMBDA_FUNCTION_NAME> --region ap-southeast-1 --timeout 10
{
    "FunctionName": "<AWS_LAMBDA_FUNCTION_NAME>",
    "FunctionArn": "arn:aws:lambda:ap-southeast-1:<ACCOUNT_ID>:function:<AWS_LAMBDA_FUNCTION_NAME>",
    "Runtime": "python3.8",
    "Role": "arn:aws:iam::<ACCOUNT_ID>:role/service-role/-role-1o58f7qb",
    "Handler": "lambda_function.lambda_handler",
    "CodeSize": 399,
    "Description": "",
    "Timeout": 10,
...
<truncated for brevity> }

私がこの機能で実にすばらしいと思うのは、AWS マネジメントコンソールでアカウント情報を取得して、AWS CLI コマンドを生成するために必要な時間と労力を最小限に抑えて、必要な変更を直ちに実装できるようにしてくれることです。これは、私が AWS リソースを管理するワークフローに集中するために役立ちます。

Amazon Q Developer がコストを理解するための支援を提供できるようになりました (プレビュー)
クラウド支出の価値を最大限に高めるには、クラウドコストを完全に理解しておく必要があります。この機能では、自然言語を使用して、AWS のコストに関連する質問に対する回答を得ることができます。この機能は、AWS Cost Explorer からコストデータを取得し、分析することで機能します。

私は最近 Amazon SageMaker JumpStart を使用して生成 AI デモを作成していて、総支出額を把握しておく必要があるので、うってつけタイミングです。なので、今年の第 1 四半期における支出額を知るために、Amazon Q Developer に以下のプロンプトをたずねます。

試してみるプロンプト: 第 1 四半期でコストが高かったサービスの上位 3 位は?

Amazon Q の応答から、AWS Cost Explorer ダッシュボードを開く Cost Explorer URL を選択することで、この結果をさらに詳しく調べることができます。次に、以下のプロンプトでフォローアップできます。

試してみるプロンプト: アカウント内のサービスで、前月比の増加が最も高いものをリストして。詳細情報と分析を提供して。

要するに、この機能は、クラウド支出に関する理解を深め、貴重なインサイトを得ることを容易にしてくれるのです。

IDE 向けの Amazon Q 拡張機能
更新の一環として、Visual Studio CodeJetBrains IDE 向けの Amazon Q 統合開発環境 (IDE) 拡張機能もリリースされました。これからは、IDE マーケットプレイスに (1) Amazon Q と (2) AWS Toolkit という 2 つの拡張機能が表示されるようになります。

新規ユーザーの場合は、Amazon Q 拡張機能をインストールすると、AWS ビルダー ID かシングルサインオンを使用する 2 つのオプションがあるサインインページが IDE に表示されます。Amazon Q は引き続き通常どおりに使用できます。

既存ユーザーの場合は、IDE で AWS Toolkit 拡張機能を更新する必要があります。既存の Amazon Q 接続と Amazon CodeWhisperer 接続があるときは、それらが期限切れになっている場合でも、更新の完了後に新しい Amazon Q 拡張機能が自動的にインストールされます。

Visual Studio 2022 を使用している場合は、Amazon Q Developer を AWS Toolkit for Visual Studio 2022 の一部として使用できます。

IDE 内での高度な機能への無料アクセス
ご存知かもしれませんが、希望の IDE で Amazon Q Developer の使用を開始するには、AWS ビルダー ID を使用することができます。今回の発表により、IDE 内でソフトウェア開発用の Amazon Q Developer Agentコード変換用の Amazon Q Developer Agent の 2 つの高度な既存機能に無料でアクセスできるようになりました。この更新アップデートには本当に嬉しさを隠せません!

ソフトウェア開発用の Amazon Q Developer Agent では、Amazon Q Developer が IDE 内のプロジェクトのためのコード機能の開発を支援できます。使用を開始するには、Amazon Q Developer チャットパネルに /dev と入力します。私の同僚である Séb が、以下のスクリーンショットを共有してくれました。これらは、彼がサポートケースプロジェクトでこの機能を使用していたときのものです。Séb は以下のプロンプトを使用して、AWS Lambda で新しい API を作成するための実装プランを生成しました。

試してみるプロンプト: すべてのサポートケースをリストする API を追加して。この API を新しい Lambda 関数として表示して。

すると、Amazon Q Developer が初期プランを提供するので、ほぼすべてが対応されているのを確認できるまで、このプランを繰り返すことができます。確認できたら、プランを受け入れて [コードを挿入] を選択します。

AWS ビルダー ID を使用してアクセスできるもう 1 つの機能は、コード変換用の Developer Agent です。この機能は、IntelliJ または Visual Studio Code での Java アプリケーションのアップグレードに役立ちます。この機能については昨年 Danilo が説明しており、「Amazon Q Code Transformation による Java アプリケーションのアップグレード (プレビュー)」で Danilo の詳細なジャーニーをお読みいただけます。

コード変換用の Amazon Q Developer Agent における改善点
新しい変換プランは、アプリケーションに固有の詳細情報を提供するので、全体的なアップグレードプロセスを理解するために役立ちます。使用を開始するには、Amazon Q Developer チャットに /transform と入力して、Amazon Q が Java プロジェクトのアップグレードを開始するために必要な詳細情報を提供します。

最初のステップでは、Amazon Q が Java Development Kit (JDK) のバージョン、依存関係、および更新が必要な関連コードを特定して詳細情報を提供します。依存関係のアップグレードには、一般的なフレームワークの最新メジャーバージョンへのアップグレードが含まれるようになりました。例えば、Spring Boot で構築している場合は、Java 17 のアップグレードの一環として Spring Boot がバージョン 3 にアップグレードされるようになります。

このステップでは、Java 言語の仕様で置き換えが推奨されている非推奨のコードを Amazon Q が特定すると、アップグレード中にこれらの更新を自動的に実行します。これは Amazon Q の新たな機能強化で、今すぐご利用いただけます。

3 番目のステップでは、この機能がアップグレードされたコードのユニットテストを構築して実行します。これには、アップグレード後もコードのコンパイルプロセスがスムーズに実行されるのを確実にするための問題の修正が含まれます。

この機能を使用することで、Apache Maven を使用して構築された Java 8 および 11 のアプリケーションを、Java バージョン 17 にアップグレードできます。コード変換用の Amazon Q Developer Agent 機能の使用を開始するには、「Upgrade language versions with Amazon Q Code Transformation」にある手順を読んで、それらを実行してください。この機能を試すためのサンプルコードもあります。

知っておくべきこと

  • 可用性 – Amazon Q Developer 機能の可用性に関する詳細は、Amazon Q Developer FAQs ページをご覧ください。
  • 料金 – 現在、Amazon Q Developer は Free (無料) ティアと Pro (ユーザーあたり毎月 19 USD) ティアの 2 つの料金ティアを提供しています。
  • 自分のペースで進めることができる AWS Skill Builder の無料コース – Amazon Q Introduction は、生成 AI 駆動のアシスタントである Amazon Q に関するおおまかな概要、ユースケース、および使用上のメリットを説明する 15 分間のコースです。このコースは、2025 年までに世界中の 200 万人に無料の AI スキルトレーニングを提供するという Amazon の AI Ready イニシアティブの一環です。

Amazon Q Developer Center にアクセスして、詳細におよぶテクニカルコンテンツと、ソフトウェア開発作業を迅速化する方法を見つけてください。

楽しく構築できますように!
– Donnie

原文はこちらです。