Amazon Web Services ブログ
Amazon Location サービスが新機能 (ルーティングと衛星画像) を備えて一般提供開始
2020 年 12 月に、Amazon Location Service がプレビュー形式で利用可能になりました。このサービスでは、ロケーションベースの機能を使用して、ウェブやモバイルのアプリケーションを構築できます。本日、ルーティングと衛星画像の 2 つの新機能と共に、Amazon Location の一般提供が開始されました。
私は 15 年以上にわたりフルスタック開発者を務め、ロケーションベースのアプリケーションの作成を複数回担当しました。ロケーションプロバイダーと連携したときに直面した最大の課題は、アプリケーションを既存のアプリケーションバックエンドとフロントエンドに統合し、ロケーションプロバイダーと共有するデータを安全に保つことでした。
昨年、Amazon Location がプレビューで利用可能になった際には、大変嬉しく思いました。このサービスを使用すると、AWS のサービスとのネイティブ統合により、ロケーションベースのアプリケーションを構築できます。Esri や HERE などの信頼できるロケーションプロバイダーが使用されており、お客様は自分のデータを引き続き制御できます。
Amazon Location は次の機能を備えています。
- マップ: ロケーション情報を可視化します。
- プレース: 特定のポイントの検索、住所の地理座標 (緯度と経度) への変換 (ジオコーディング)、座標の住所への変換 (リバースジオコーディング) をアプリケーションで提供できるようにします。
- ルート: アプリケーションで、走行距離、道順、到着予定時刻を使用します。
- トラッカー: トラッキング対応アプリケーションを実行しているデバイスの現在および履歴の位置を取得できます。
- ジオフェンス: ジオフェンスとして定義した地理的境界に、トラッキング対象のデバイスが出入りすると検出して動作する機能をアプリケーションで有効にできます。ジオフェンスの違反が検出されると、Amazon Location は Amazon EventBridge にイベントを送信します。これにより、AWS Lambda 関数の呼び出しや Amazon Simple Notification Service (SNS) を使用した通知の送信など、ダウンストリームの一連のアクションがトリガーされます。このレベルでの AWS のサービスとの統合は、Amazon Location の最も強力な機能の 1 つです。これにより、アプリケーションの実稼働までの時間を短縮できます。
プレビュー発表のブログ記事では、Jeff がサービスの機能を詳しく紹介しました。このブログ記事では、衛星画像とルーティングという 2 つの新しい機能に焦点を当てます。
衛星画像
衛星画像を使用して、マップに情報を取り込み、マップのユーザーにより多くのコンテキストを提供することができます。これにより、マップのユーザーは「このエリアに沼があるか」や「その建物の外観は?」などの質問への回答を得ることができます。
衛星画像マップの使用を開始するには、Amazon Location コンソールにアクセスします。[Create a new map] (新しいマップの作成) で、[Esri Imagery] (Esri 画像) を選択します。
ルーティング
Amazon Location のルートを使用すると、アプリケーションで 2 つの位置間の移動時間、距離、すべての道順を要求できます。これにより、アプリケーションのユーザーは、道路および交通に関するライブ情報に基づいて正確な移動予測時間を得ることができます。
ルート機能を使用するときにこれらの追加属性を指定すると、次のような非常にカスタマイズされた情報を取得できます。
- ウェイポイント: ルート上で到達する中間地点の順序付けされたリストを提供できます。出発地および目的地を含む最大 25 の途中地点を設定できます。
- 出発時刻: このルートの出発時刻を指定すると、その時刻の交通状況に合わせて最適化された結果を受け取れます。
- 移動モード: 指定した移動モードは、道路の互換性と速度に影響します。すべての車両がすべての道路を走行できるわけではありません。選択可能な移動モードは、自動車、トラック、徒歩です。選択した移動モードに応じて、調整できるパラメータがあります。例えば、自動車やトラックの場合は、フェリーや有料道路を使わないルートにするかどうかを指定できます。しかし、最も興味深い結果が得られるのは、トラックの移動モードを選択したときです。トラックのサイズと重量を定義し、これらのパラメータに最適化されたルートを取得できます。橋の下でトラックが立ち往生することはもうありません。
Amazon Location Service とその機能を使用して、少ない労力で興味深いユースケースに対応できます。例えば、 Amazon Location を使用する配送会社は、配送の順序を最適化し、配送車両の位置を監視し、車両の到着時に顧客に通知できます。また、Amazon Location を使用して、医療関係車両のルートを決定し、患者や医療用品のルーティングを最適化することもできます。物流企業では、このサービスを使用して、すべての配送車両を監視することにより、サプライチェーンを最適化することができます。
ルート機能を使用するには、まずルート計算を作成します。Amazon Location コンソールで、[Route calculators] (ルート計算) を選択します。ルート情報のプロバイダーについては、Esri または HERE を選択します。
AWS SDK、AWS コマンドラインインターフェイス (CLI)、または Amazon Location の HTTP API からルート計算を使用できます。
例えば、CLI を使用して出発地と目的地の間の単純なルートを計算するには、次のように記述します。
aws location \
calculate-route \
--calculator-name MyExampleCalculator \
--departure-position -123.1376951951309 49.234371474778385 \
--destination-position -122.83301379875074 49.235860182576886
departure-position と destination-position は、経度と緯度として定義されます。
この計算から多くの情報が返されます。移動モードを定義していないため、自動車を使用していると想定されます。ルートの総距離 (この場合は 29 キロメートル) を確認できます。計算を行うときに、距離の単位を変更できます。サービスからは、移動時間 (この場合は 29 分) も返されます。出発時刻を定義していないため、Amazon Location では、交通量が最も少ないときに移動すると想定されます。
{
"Legs": [{
"Distance": 26.549,
"DurationSeconds": 1711,
"StartPosition":[-123.1377012, 49.2342994],
"EndPosition": [-122.833014,49.23592],
"Steps": [{
"Distance":0.7,
"DurationSeconds":52,
"EndPosition":[-123.1281,49.23395],
"GeometryOffset":0,
"StartPosition":[-123.137701,49.234299]},
...
]
}],
"Summary": {
"DataSource": "Esri",
"Distance": 29.915115551209176,
"DistanceUnit": "Kilometers",
"DurationSeconds": 2275.5813682980006,
"RouteBBox": [
-123.13769762299995,
49.23068000000006,
-122.83301399999999,
49.258440000000064
]
}
}
出発地から目的地までの道順を形成するステップの配列が返されます。ステップは、開始位置と終了位置で表されます。この例では、11 ステップあり、移動モードは自動車です。
結果は、選択した移動モードに応じて変わります。例えば、同じ出発地と目的地の計算を、今度は歩行の移動モードを選択して実行すると、マップを描画する一連のステップが以下のように得られます。移動距離と時間が変わり、それぞれ 24.1 キロメートルと 6 時間 43 分になります。
今すぐ利用可能
Amazon Location Service は、現時点で米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (フランクフルト)、欧州 (アイルランド)、欧州 (ストックホルム)、アジアパシフィック (シンガポール)、アジアパシフィック (シドニー)、アジアパシフィック (東京) の各リージョンで使用可能です。
Amazon Location Service の料金モデルの詳細をご覧ください。サービスの詳細については、Amazon Location Service をご覧ください。
— Marcia