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2019: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) の 1 年を振り返って
2019 年 1 月 9 日 の Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) のリリースと共に、当社の 2019 年が幕を開けました。リリース当初から、当社では皆様からいただいたフィードバックを謙虚に受け止めています。2019 年は、サービスの可用性、規模、およびパフォーマンスの向上を継続すると共に、サービスに追加してほしい機能を元に、要望から逆向きに開発する時間を取りました。
以下は、2019 年のリリースをカテゴリ単位でアルファベット順に分類してから、リリースされた日付け順 (最新リリースが各カテゴリの最上部) に並べたものです。2019 年に起こった Amazon DocumentDB に関する出来事などを把握したり思い出したりする際に、こちらの記事をお役立てください。Amazon DocumentDB でローンチされた機能の中に、皆様がご存知ない機能が見つかるかもしれません。質問がございましたら @josephidziorek までお知らせください。
コンプライアンス
Amazon DocumentDB は、最高のセキュリティ基準を満たし、当社のセキュリティ検証を簡単にして、独自の規制およびコンプライアンス義務を満たせるように設計されています。Amazon DocumentDB は、HIPAA 対応に加えて、PCI DSS、ISO 9001、27001、27017、27018、および SOC 1、2、3 に準拠しているという評価をいただいています。
- 5 月 22 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) が SOC 1、2、3 に準拠
この発表により、Amazon DocumentDB は SOC 1、2、3 に準拠したことになります。 - 12 月 13 日: AWS の 55 のサービスが新たに HITRUST CSF 認定を取得
Amazon DocumentDB はこの度、最新の Health Information Trust Alliance (HITRUST) 共通セキュリティフレームワーク (CSF) 認定の対象となりました。
コストの最適化
Amazon DocumentDB のデカップリングされたストレージとコンピューティングアーキテクチャにより、データの耐久性に影響を与えることなく、非本番環境で単一インスタンスクラスターの実行を可能にします。インスタンスはデータをベアリングしないため、データはインスタンスの数に関係なく、3 つのアベイラビリティーゾーンにわたって 6 つの方法で複製されます。
- 5 月 9 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) が秒単位の請求をサポート
お使いの Amazon DocumentDB インスタンスが秒単位で請求されるようになりました。使用した機能に対してのみ料金が発生するのは、今まで通りです。 - 7 月 2 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) がクラスターの停止と開始をサポート
クラスターの停止と開始により、クラスターを常に実行する必要がない開発やテストなどの目的で Amazon DocumentDB クラスターの使用が簡単かつコスト効率よくなります。クラスターが停止している間は、クラスターストレージ、手動スナップショット、および設定した保持期間内の自動バックアップストレージに対して課金されますが、インスタンスに対しては課金されません。
クラスター管理
Amazon DocumentDB は、デフォルトで 1 日の保持期間を有効にする継続的バックアップの機能を追加しました。バックアップ保持期間は最大 35 日間延長でき、長期アーカイブ用のスナップショットをいつでも作成できます。Amazon DocumentDB のバックアップは自動的、増分的、継続的であり、クラスターのパフォーマンスには影響しません。
- 7 月 3 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換)、クラスター削除保護の提供を開始
クラスターの削除保護により、誤ってクラスターを削除してしまうといったミスがなくなります。クラスターが削除保護に設定されている場合、クラスターはどのユーザーからも削除されません。
インスタンスタイプ
Amazon DocumentDB は R4 インスタンスのサポートを開始し、その後すぐに、利用可能なすべての AWS リージョンで R5 インスタンスのサポートが追加されました。R5 インスタンスは、同じインスタンスコストで、R4 インスタンスと比べて最大 100% 優れたパフォーマンスを提供できます。いつもと同様、クエリとデータでテストを行うと、ワークロードに見られる改善点について、最も正確な情報を得ることができます。R5 インスタンスを使用すると、96 基の仮想 CPU、768 GiBのメモリ、25 Gbps のネットワークパフォーマンスを備えた r5.24xlarge インスタンスにスケーリングできます。 現在 R4 インスタンスを利用している場合は、AWS CLI または AWS マネジメントコンソールを使用して R5 インスタンスを使用するインスタンスに変更する必要があります。
- 5 月 17 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) が米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド) で R5 インスタンスのサポートを開始
- 提供開始 (2019 年 1 月 9 日):
- プレスリリース: AWS が Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) を発表
- Jeff Barr のブログ記事: 新規 – Amazon DocumentDB (MongoDB 互換): 高速、スケーラブル、高可用性
- AWS データベースのブログ記事: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) を使って大規模なアプリケーションの構築と管理を行う方法
- AWS DMS: AWS Database Migration Service が、MongoDB 互換の Amazon DocumentDB をターゲットとしてサポート
MongoDB 互換
Amazon DocumentDB は MongoDB 3.6 API と互換性があり、MongoDB データベースで現在使用しているアプリケーション、ドライバー、ツールの大半は Amazon DocumentDB で利用できます。変更の必要はほとんどあるいは全くありません。Amazon DocumentDB は MongoDB の API や演算子をすべてサポートしているわけではありませんが、当社ではいつでもお客様の要望から逆向きに取り組み、構築してほしい機能を実装しています。1 年を通して、当社は定期的に、お客様からご要望が最も多い機能の互換性を向上させてきました。サポートされている MongoDB API、演算子、データタイプの最新リスト、および Amazon DocumentDB と MongoDB との機能における違いはこちらをご覧ください。2020 年も引き続き、定期的にお客様のご要望を満たす機能をご提供いたします。
- 2 月 28 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) で集計、配列、インデックス作成用の新しい機能をサポート
新しい機能には、集計文字列演算子 ($concat
、$substr
、$substrBytes
、$substrCP
、$strcasecmp
)、配列集計演算子 ($size
)、集計グループ アキュムレータ演算子 ($push
)、および集計ステージ ($redact
、$indexStats
) が含まれます。さらに、Amazon DocumentDB は、配列内の要素を更新する位置配列演算子 ($[]
と$[<identifier>]
) およびインデックスを選択するhint()
をサポートするようになりました。 - 4 月 4 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) に、文字列、日付、サンプリングを対象とした Aggregation Pipeline 機能が追加されました
新しい機能には、7 つの集計文字列演算子 ($indexOfCP
、$indexOfBytes
、$strLenCP
、$strLenBytes
、$toLower
、$toUpper
、$split
)、9 つの日時演算子 ($dayOfYear
、$dayOfMonth
、$dayOfWeek
、$year
、$month
、$hour
、$minute
、$second
、$millisecond
)、および$sample
集計パイプラインステージが含まれます。 - 8 月 1 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) に、Aggregation Pipeline 機能と診断機能を追加
新しい機能には$in
、$isoWeek
、$isoWeekYear
、$isoDayOfWeek
、$dateToString
集計演算子と$addToSet
集計ステージが含まれます。また、Amazon DocumentDB にはコレクションレベルの診断をするtop()
コマンドのサポートと、collMod()
コマンドを使用して有効期限インデックスのexpireAfterSeconds
パラメータを変更する機能も新たに加わりました。 - 8 月 19 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) にスロークエリログの記録のサポートを追加
Amazon DocumentDB は、クエリのプロファイラを介したスロークエリログの記録のサポートを追加しました。プロファイラーは、クラスターで最も遅いクエリをモニタリングして、個々のクエリとクラスター全体のパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。 - 10 月 15 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) に、 $lookup を含む Aggregation Pipeline 機能が追加されました
新しい機能には$lookup
と$addFields
両方の集計パイプラインステージと、$concatArrays
集計パイプライン演算子が含まれます。 - 10 月 23 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) に変更ストリームのサポートを追加
変更ストリーム機能により、クラスターのコレクションとデータベース内で発生する更新イベントの時系列シーケンスを確認できます。変更通知、クロスリージョンレプリケーション、Amazon Elasticsearch Service による全文検索、および Amazon Redshift インテグレーションによる分析などのユースケースを、変更ストリームから読み取って実装できます。
リージョン
Amazon DocumentDB は 1 月 9 日、米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド) の各リージョンのサポートを開始しました。この 1 年で新たに 9 つのリージョンを追加し、現在は世界中の 13 のリージョンで利用可能です。最新のリストは、AWS サービスのリージョン表でご確認ください。
- 3 月 13 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) が欧州 (フランクフルト) で R5 インスタンスを使用して利用可能に
- 5 月 8 日: MongoDB との互換性がある Amazon DocumentDB と R5 インスタンスが、アジアパシフィック (東京) とアジアパシフィック (ソウル) リージョンで利用可能に
- 6 月 5 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) がアジアパシフィック (シドニー) で利用可能に
- 7 月 19 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) が欧州 (ロンドン) で利用可能に
- 10 月 14 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) がアジアパシフィック (シンガポール) リージョンで利用可能に
- 10 月 15 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) がアジアパシフィック (ムンバイ) リージョンで利用可能に
- 10 月 31 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) が欧州 (パリ) リージョンで利用可能に
- 12 月 12 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) がカナダ (中部) リージョンで利用可能になる
セキュリティ
リリース当初、Amazon DocumentDB は AWS Key Management Service (KMS) や、TLS による通信暗号化や、Amazon VPC のサポートを介して作成、制御するキーを使用して、保存中のデータの暗号化をサポートしていました。これにより、自分の仮想ネットワークでクラスターを分離できます。
- 2 月 12 日: Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) で Amazon CloudWatch Logs によるデータベース監査のサポートを開始
監査を有効にすると、Amazon DocumentDB はデータ定義言語 (DDL)、認証、承認、およびユーザー管理イベントを Amazon CloudWatch Logs に記録することになります - 3 月 15 日: AWS Secrets Manager を使用して Amazon DocumentDB と Amazon Redshift の認証情報をローテーションする
AWS Secrets Manager を使用すると、Amazon DocumentDB の認証情報を自動的にローテーションできます。
前述のとおり、Amazon DocumentDB チームはまだ初めの 1 歩を踏み出したばかりです。2020 年以降もさらに多くの機能を提供できることを楽しみにしています。
著者について
Joseph Idziorek は、アマゾン ウェブ サービスのプリンシパルプロダクトマネージャーです。